ホーム > 【繊維素材LABO】テンセルってどんな素材?最高の着心地を実現してくれるテンセルの特徴とメリット・デメリットまとめ
2019.1.11
毎日身に着けている服や下着、クッションやベッドを包んでいるカバー、カーテンや布巾など、見渡すと私たちは毎日ファブリック製品に囲まれて暮らしていますよね。
コットンや麻、リネンといえば結構定番な素材ですが
「テンセル(指定外繊維)」という素材を聞いたことはありますか?
あまり聞き慣れないという方も多いのではないでしょうか。
でも、テンセルを知らないなんてもったいない!です
そこで今回は最高の着心地を実現♪環境に優しい【テンセル(指定外繊維)】の魅力に迫ります!
この記事は
・「テンセル(指定外繊維)」ってタグに書いてあったけど、どんな素材かわからない人 ・テンセル生地の特徴や他の生地との組み合わせを知りたい人 ・テンセル生地の用途を知りたい人
にオススメです!是非ご拝読くださいませ〜
テンセルってどんな生地があるの?と思う方は下記より200種類程度のテンセル生地をご覧頂くことができます。
実はテンセル素材「世界で最も環境に優しい(エコ)製法でつくられた繊維」だと言われています
その理由は、テンセル素材が誕生する過程にあります。
テンセルは何から出来ているかご存知でしょうか?コットンは綿毛、リネンは麻の茎ですが、テンセルはなんと木材パルプからつくられるのです!そして、原料の木材パルプは自然の森を伐採するのではなく人の手で管理された森の木を利用しているんですよ。
そして木材パルプを溶剤で溶かして糸にし紡いでいくのです。しかも、その溶剤は再利用することもでき、環境への影響が少ないんです。
さらに、木材パルプで作られたテンセル素材は土に埋めておくと分解され、土に還ります。
その土でまた木を育てる。。。
テンセル素材がかなり自然に配慮した素材=エコ素材だということを感じますよね〜
テンセル素材はコットンのような天然繊維でも、ポリエステルのような化学繊維でもなく「再生繊維」というカテゴリーに分類されます。
天然繊維と違い人の手が加えられているため化学繊維に近いのですが、石油を使った化学繊維と違い、自然から生まれた再生・再利用可能な繊維のため「再生繊維」と言われているのです。
イメージとしては、限りなく自然繊維に近い化学繊維ということになります。
ちなみに、洋服のタグを見るとテンセルは「指定外繊維」と表記されています。
なぜかと言うと、従来の家庭用品品質表示法ではまだテンセル素材の特徴を考慮した基準ができておらず、明確に表記できないためです。それだけ新しく画期的な素材。かつ近代的な素材ということですよね〜
ここでもうひとつ覚えておきたいことがあります。
それは、「テンセル」また英語表記での「TENCEL」というのはレンチング社の登録商標ということです。。
そのため、商品パッケージなどに表記されるときには登録商標マークである「®️」が使われます。
テンセル繊維を購入する際には偽物に騙されないよう、登録商標マークもしっかり確認しておきましょう!
ちなみに同じような素材でリヨセルというのはあるのですがテンセルとリヨセルは素材が木材パルプで全く同じです
では、何が違うかというと「リヨセル」はオーストリアのレンチング社
「テンセル」は英国のコートルズ社の商標として使用されていましたが
2004年に両社は合併し、ブランド名を「テンセル」。
総称として「リヨセル」というようになったようです。
そのためこれきちんと書いときますね。
※TENCEL™及びテンセル™はLenzing AGの商標です。
最も環境に優しい製法でつくられた繊維であるテンセル素材。
環境の観点ではメリットが大きいですが、生地として見るとメリット・デメリットの両方が出てきます。
まずはテンセル素材の特徴4つを知ることで、特徴を最大限に活かしたメリットと、気を付けておくべきデメリットが見えてきますので、それぞれご紹介したいと思います。
自然や環境に優しく、これからのエコの時代に大活躍しそうなテンセル素材の特徴は主に4つあります。
その特徴とは
・生地がとても柔らかい
・伸縮性がある
・シルクのような光沢がある
・保湿性が高い
また、テンセル単体では生産量に限界があるため、単体よりもコットンやポリウレタン、リネンなどと混合して使われることが多いです。混合することでお互いのメリットを伸ばし、デメリットを補填し合う効果もあります。
さて、これらの特徴から見えてくるメリットとデメリットについてです。
テンセル素材はとても柔らかく、伸縮性もあります。また独特の清涼感があります。
そのため、身に付けたときのフィット感や心地良さを感じることができます。
特に下着や肌着など、体に密着させるアイテムにオススメです♪
しっかりと、でも優しく素肌を包んでくれるので、長時間着けていても苦しくなることはありません。
最近ではアロハシャツによく使われていますよ!
テンセル素材が使われたファブリック製品には、キレイな光沢が出ると言う特徴があります。
例えばコットン単体だとうまく光沢は出ませんが、テンセルと組み合わせることで上質な光沢を出すことができるんですよ。
この特徴を利用することで、シルクのような光沢感で上品さを演出した洋服などを作ることができます。
他にも少し硬めの素材である麻と組み合わせることで、そのアイテムに麻だけでは出せない柔らかさと光沢感を加えることができるんです。
ちょっと上品なアイテムを作りたいときにテンセル素材を利用すると良いかもしれません。
テンセル素材は見た目の良さだけでなく、保湿性・吸湿性・速乾性が高いという特徴もあります。
つまり、体から吹き出た汗を吸い取り、生地が湿ってもすぐに乾いてくれるため、長時間身に着けていてもずっと快適なまま過ごせます。
また、冬の乾燥しやすい季節の場合はテンセル素材の生地が服の内側の湿度を保ってくれます。
最初に紹介した心地良いフィット感と合わせて考えると、かなり着心地の良いアイテムが作れるんですよ〜★
次にテンセルのデメリットを紹介します。
テンセル素材はとても繊細な素材のため、摩擦に弱いというデメリットがあります。
洗濯でガンガン回したり、手で激しくこすったりすると、すぐに傷んでしまったりします。
そのため洗濯の際は目の細かいネットに入れるか、手洗いをすることで長く使い続けることができるでしょう。
また、テンセル素材100%の生地はすぐに傷む原因となるため、耐久性のあるポリウレタンと混合している素材を使い、ダメージを軽減するという方法もあります。
テンセル素材は伸縮性がありよく伸びますが、同時にシワができやすいという性質もあります。
洗濯をすると生地がねじれることがよくあるため、しっかりと伸ばして形を整えてから干すと良いでしょう。
シワができたまま干すとそのシワがそのまま残ってしまいますし、アイロンをかけるにしても、摩擦を起こしてしまいます。
テンセルはデリケートな素材であるということを意識して優しく取り扱いましょう。
シワが出にくい素材をお探しの場合、ポリエステルやナイロンと組み合わせたテンセル素材を使いアイテムを作ると良いですね。
テンセル素材は自然のものを原料としてつくられており、さらに土に埋めることで土に還るとも解説しました。
これは環境に優しいというメリットがありますが、逆に虫食いが起こりやすい、カビが生えやすいといったデメリットも同時にあることを覚えておきましょう。虫は美味しい繊維が大好きですからね。。
虫食いやカビを防ぐには、長期間湿気た場所に保管しないことを心がけましょう。
洗濯をしたらすぐに干すようにし、冬物など長期間タンスの奥にしまう場合は、たまにタンスを開いて通気性を良くすると良いでしょう。
洋服のタグであまり「テンセル」や「指定外繊維」の文字を見かけたことが無い人の方が多いかもしれません。
ですがテンセル素材はどんどん広まってきているため、あらゆるアイテムに使われるようになっているのです。
テンセル素材が使われているアイテムをインスタグラムを引用しご紹介したいと思います。
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テンセル素材の光沢を生かしたいときは、ワンピースにテンセル生地を使うのがオススメです。
シルクのように柔らかく、光沢があり、上品なワンピースに仕上げることができますよね。
テンセル素材の良さが広まりつつある今、テンセル100%のワンピースも見かけるようになりました。
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こちらのコーデでは、テンセルリネンの素材が使われています。
リネン素材は吸湿性・速乾性が高いので、夏にぴったり。テンセルとの混紡でより涼しく、またとろみを楽しめます。
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このロングジャケットには、テンセル素材が使われています。
テンセル素材を取り入れることで、優しい風合いのロングジャケットに仕上がっていますよね。
とろみもあり、女性らしい柔らかなラインが素敵です。
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このブラウスはテンセル素材を利用することで、とても綺麗な光沢が出ています。
カチッとしたラインと合わせ、ビジネスシーンはもちろん、デニムなどを合わせてキレイめカジュアルに着ることもできそうですよね。
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テンセル素材は衣服だけでなく、寝具にもかなりオススメしたい素材です!
上品な光沢はもちろん、柔らかくて触り心地がとても良いので、寝具にこそテンセル素材が合うと言えるでしょう。
ベッドのランクアップを考えている人は、マットレスだけでなくカバーや掛け布団にもこだわってみては?
ここで紹介したように、テンセル素材は主にトップス、ボトムス、ワンピースなどの衣類に使われることが多いです。やはり着心地が良いため、アパレルでの需要が高いんですね。
またベッドシーツや枕カバーにも触り心地の良いテンセルはぴったりですが、まだ使用している商品は少ない印象。だからこそ、ベッドシーツなどはトレンドを先取りできる使い方とも言えます。
最後にYAMATOMIオススメのテンセル繊維入りの生地をまとめました!
テンセル素材を取り入れたいとき、またはテンセル素材の魅力を実感したいときにいかがでしょうか?
コットン/テンセル™リヨセル繊維の混紡糸を使用した、カジュアルなルックスのツイル。やや薄手でコットンのハリ感とテンセル™リヨセル繊維のドレープ性を合わせ持った、適度な反発感のある上品な風合いが特徴です。幅広いアイテムにご使用いただけるベーシックな素材。TENCEL™及びテンセル™はLenzing AGの商標です。
テンセル100%の質感や風合いを確かめたいときには、こちらのインディゴカラーが綺麗な生地がオススメです。30/-のツイル素材になります。生地にハリ、コシ、弾力性があり、加工により上品な光沢感とフィブリル感を持たせております。色展開が多いのもオススメです。
こ経糸に40番手のリネン。緯糸に20番手のテンセル糸を使用してオックスで織り上げました。程良いナチュラル感と落ち感が特徴の素材となっております。アウターやボトムを含め幅広いアイテムにご利用できます。※オフとカラーで若干の風合い差があります。
やや薄手のデニム生地ですが、なんと素材がテンセル100%!環境に優しいデニムはいかがでしょうか?着用、摩擦、洗濯により色落ちする特徴があります。独特の風合いの変化を楽しめる商品です。加工特性上、色落ちしますので、製品で必ず洗って使用してください。
テンセルのソフトでなめらかなタッチにハリ感をプラスした「ハリジェンヌ」に新たにパウダリー感をプラスした優しい風合いの進化系ハリジェンヌです。織物に限りなく近い、繊細で目の立ったツイル表情にもこだわりました。
その他、テンセルの生地をもっとご覧になりたいお客様はこちらからご覧頂けます。
生地にはポリエステル、アクリルなどの化学繊維もたくさんあり、大量生産できるため世界各国で使われています。ただ、化学繊維はやはりどうしても環境汚染しやすいのです。
そこで、環境・自然に優しいテンセル素材が広まることで、エコで地球に優しいファブリック製品を作ることができます。
テンセル素材は傷みやすい、シワになりやすいというデメリットもありますが、テンセルで作られたアイテムは柔らかく、光沢があり、身に着けるととても心地良いという魅力もあります。アパレル全般に使えますし、使い方を間違わなければ人にも環境にも優しいアイテムになるのです。
これからは人間のことだけでなく、地球のこと、環境のことを考え、テンセル素材も活用していけるといいですね。
リヨセルについての解説は、生地事典サイト ファブリックサマリーも是非合わせてご覧ください
また、下記も合わせて参考にご覧ください
テンセルやモダール…エコロジーな生地を製造するレンチング社とは?
「とろみ素材」って何?ファッション性の高い“あの生地”を紹介
サステナブルな生地とは?|未来のために環境に配慮した素材を選択しよう
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