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布をまっすぐ切るには?生地裁断のやり方とコツをチェック!

2023.2.20

布を使ったモノ作りの工程に欠かせない裁断作業。素材となる生地を断ってパーツを作り、縫い合わせることで、洋服やカバン、帽子にインテリアなど、さまざまな製品を作っていきます。

実はこの生地裁断は、かなり重要な作業の1つ。たとえ縫製の技術が優れていても、うまく裁断できていないだけで、製品のクオリティが落ちてしまうのです。

しかし、実際は「裁断が苦手」という人はそこそこ多い様子。

そこで本記事では、裁断の基本的なやり方と、まっすぐきれいに切るコツをご紹介します!

【この記事を読んでほしい人】
⚫︎生地裁断の基本が知りたいハンドメイド初心者
⚫︎布の裁断が難しいと感じている人
⚫︎複雑な形や大量の裁断があり途方に暮れている人

生地裁断の方法には種類がある

生地裁断というと、裁ちばさみでチョキチョキ切る……という方法を思い浮かべる人が多いかもしれません。

実はこの方法は「ハンド裁断」の1つで、それ以外にも裁断の方法にはいくつか種類があるのです。まずは基礎知識として、裁断の種類をご紹介します。

【レザー裁断】
普通のはさみでは切れない革製品は「レザークラフト用革包丁」など専用のカッティングナイフを使用して裁断。

【ヒート裁断】
ポリエステルやナイロンなど合成素材を熱を加えてカットすることで、断面がほつれにくい。

【CAM裁断】
コンピューターのデータをもとに、機械が自動で裁断。素早く大量に裁断できるので、アパレルの現場ではほとんどがCAM裁断。

関連記事:生地を裁断したいけどどんな方法があるの?を解説します!アパレル・資材向けの裁断も★

 

 

基本的な生地裁断のやり方・手順

家庭でのハンドメイドや小規模なアパレル事業者の場合、手で行う「ハンド裁断」がほとんどです。それでは、基本的なハンド裁断のやり方・手順を見ていきましょう。

 

①型紙と道具をそろえる

まずは裁断に必要な型紙と道具をそろえましょう。

道具には最低でも次のものを用意します。

・文鎮(重しになるもの)
布が動かないように重しを置きます。まち針で留める方法もありますが、文鎮の方が安定しており、作業効率も良し!しっかり重みがあればいいので、家にある置物や鍋の蓋、缶詰でもOK。
・裁ちばさみ/ロータリーカッター
裁断する道具です。特にロータリーカッターはおすすめ!布の上をコロコロ転がすだけできれいに切れるので裁断しやすいです。
・カッターマット
作業台を切ってしまうので必須。作るアイテムによってはパーツが大きいため、大きめのカッターマットがおすすめです。

上記がそろえば裁断できますが、次の道具もあると便利です。

・目打ち/ルレット
・チャコペン/チャコペーパー

これらは目印をつけるための道具なので、必要に応じて使い分けましょう。

 

②生地の上に型紙を配置する

裁断の準備をしていきましょう。

カッティングボードを敷き、その上に生地を置いて、型紙を配置します。生地に柄模様があるときには、柄のどの部分を見せたいのかも考えて配置してみましょう。

生地のしわを伸ばし(若干張らせるくらいが◎)、型紙と生地がずれないように文鎮をバランス良く置いて固定します。

 

③固定しながら裁断する

いよいよ裁断作業です。

型紙に沿って裁ちばさみやロータリーカッターで切っていきます。道具を持っているのと反対の手は、生地がずれないようにしっかり添えましょう。

裁断中に文鎮の位置を動かしてもいいので、とにかく「ズレ」を防ぐことがポイントです!

ノッチは裁ちばさみの先でカットしておきましょう。

(ノッチとは3〜4mmの切り込みのことで、布を縫い合わせる際に縫いズレを防ぐための印のこと)

 

④型紙の情報の印をつける

ポケットをつける位置やタックを作る位置には、チャコペンやチャコペーパーを使って印をつけましょう。

型紙はアイテムを作るうえで必要な情報が書かれているため、抜け漏れが無いように裁断時にすべての印をつけるようにしましょう。そうすることで、縫製時のうっかり防止にもなりますよ。

すべての生地を裁断して印までつけられたら完了!縫製作業に入っていきましょう。

 

生地を上手に裁断するコツ

基本の生地裁断は、実は難しくありません。

しかし筆者のように手先が不器用だと、まっすぐ切れなかったり、生地がビヨビヨに伸びて不格好だったり、なぜかサイズが違ったり……など「思っていたのと違う」と感じることがありますよね。

そんな不器用さんでも、上手に裁断するにはどうすればいいのでしょうか?

生地裁断のコツを見ていきましょう!

 

まっすぐ切るコツ

まっすぐ切っているつもりなのに、なぜか斜めになってしまう。それはもしかしたら、生地そのものがゆがんでいる可能性があります。その場合、最初にゆがみを直す必要があります。

よこ糸を1本引っ張って抜いてみるとゆがみがわかります。

または、直角定規や厚紙などを置いてチェック。生地の縦ラインに置いみて、横のラインが厚紙と並行になっていなかったらゆがんでいる状態です。

ゆがんでいる部分がわかったら、斜め方向に生地を引っ張ったり、アイロンを斜めにかけたりしてゆがみを直しましょう。このゆがみを直す作業を「地直し」と言います。

関連記事:生地の地直し・湯通し・水通しの違いとは?それぞれのやり方を解説

 

「生地裁断のやり方・手順」で解説したように、重しを置いて片手を添えながら切るのが、まっすぐ切るコツ。裁ちばさみって意外と難しいので、ロータリーカッターを使ってみるといいですね。

それでも上手に型紙通りに裁断できないときには、生地にチャコペンで直接書き込んだり、チャコペーパーで写したりすると裁断しやすくなります。(ただし生地の裏側に書いてくださいね)

まっすぐな線を書くのが苦手な人は、先ほど登場した直角定規や厚紙を置いて書くのがおすすめです。

 

大きい布を裁断するコツ

大きい布を裁断する場合、うっかり布や型紙がずれてしまうことが課題です。

生地が浮いてこないように、文鎮の位置を動かしながら切っていくのがコツになります。とにかく、「生地は浮かせない、たるませない、動かさない!」を意識しましょう。

大きい布に合わせてカッターマットを2枚つなげて使ったり、型紙のサイズに布を裁断してから細かい部分を切っていったりなどの工夫もしてみてください。

裁断のプロに聞くと「ゴールをみすえて一気に裁断するのがコツ」と答える人が多いです。細かい部分を除き、まっすぐなラインならまっすぐに、一気に裁断した方が案外うまく切れるかもしれませんね。

 

複雑な形に切るコツ

星形、ギザギザ、リボン状など複雑な形に切らなければいけないパーツは、一気に裁断するのは難しく、ロータリーカッターが使いにくい場合も。こうした複雑な形状ほど、小回りのきく裁ちばさみが大活躍です。

裁ちばさみは立てて使い、カッターマットに添わせながら動かすと切りやすいです。

向きが変わるときには、生地と型紙を動かすのではなく、自分が移動して断つ方向を変えます。生地は一度置いたら動かさないようにしましょう。

ただ、複雑な形状の型紙を見ただけでげっそりしてしまいますよね。しかも大量となると……。

そんなときは裁断を外注してしまうのもアリ!裁断のみ依頼できるサービスもあるので、利用してみてくださいね。

 

ほつれてしまうときは?

生地の素材や織り方によっては、どうしても断面がほつれてしまうもの。ほつれてしまった断面は、ほつれ止め液を塗ったり、ミシンや手縫いで縫ったりして対処しましょう。ジグザグミシンが便利ですよ。

元々ほつれにくい素材もあります。

・レザーやフェルト生地

・ゴム製のポリウレタンが入っている生地

・高密度で織られている生地

・織りが複雑な生地

これらの生地は切りっぱなしでもほつれにくいので、ぜひ活用してみてください!

 

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縫製作業は布がだんだん形になっていく様子が楽しい一方で、その前段階である裁断作業は、地味で労力が必要なわりに、ゴールが見えづらく、苦手とする人が多い作業です。

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