ホーム > ジャガード生地とは?特徴や作り方など上品なジャガード織りの魅力
2023.1.25
布の種類にはそこまで詳しい人でなくとも、デザインや柄を見て「素敵だなぁ」と思ったことはあるのではないでしょうか。
布のデザインはプリントや製法などによって変わりますが、様々な製法の中でも立体感と高級感が際立っているのが「ジャガード生地」あるいは「ジャガード織り」と呼ばれているもの。
身近なものだとカーテンやスカートに使われている生地ですが、どんな生地がイメージできるでしょうか?
ジャガード生地の美しさや魅力を知れば、ハマること間違いなし!今回はジャガード生地の特徴や作り方について詳しく解説します!
この記事を読んで欲しい人
⚫︎ジャガード生地とプリント生地の違いを知りたい
⚫︎ジャガード織りがどんなものが気になる
⚫︎ジャガード生地の特徴や用途、季節感などを知りたい
とにかくまずはジャガード生地を沢山見てみたい、探してみたい、購入したいという方は、生地問屋YAMATOMIのジャガード生地特集から要チェックです★
目次
ジャガード生地を知るには、プリント生地と対比するのがわかりやすいです。
プリント生地とは、織り上がったオックスやリネンなどハリ感のある生地に図柄を印刷・転写した生地のこと。コピー機でまっさらな紙に印刷するようなイメージですね。
一方でジャガード生地は、デザイン自体が生地に織り込まれている織物です。つまり、生地を織る段階でデザインを意識しながら織っていくことで、完成したときに図柄が現れます。
完成したジャガード生地は立体的で高級感や重厚感があります。こうした点も、プリント生地との大きな違いですね。
【Point】「ジャガード」?それとも「ジャカード」?
英語表記では「Jacquard」ですので、そのままカタカナ読みすると「ジャカード」です。しかし日本では「ジャガード」の方が言いやすいことから濁音読みすることが増えました。
ジャガードクロスの特徴|生地事典サイト-Fabric Summary-
では、どのようにしてジャガード生地が出来上がるのでしょうか?
ジャガード生地は「ジャガード織機」を使用して1つ1つ丁寧に織っていきます。
本当はもっと細かい工程があるのですが、ここでは3つのステップで作り方をわかりやすくご紹介します。
デザインをもとに、図案を起こします。いわゆるプリント生地の版の役割を持つものですが、紋紙は穴ボコで、一目見ただけではどんな柄かわかりません。この紋紙を元にしながら織っていきます。
整経とは、縦糸と横糸の長さや本数、張力を整えることです。ジャガード生地は織りながら柄を浮き上がらせていくため、事前の糸の準備が必要不可欠。
織機が紋紙の穴の情報を読み取りながら、縦糸が上下に動き、生地を織り上げていきます。その紋紙で意図したデザインができるかを確認するため試し織を行い、ズレがあればその都度修正します。修正はもちろん紋紙作成から行うので大変です。
ガシャンガシャンと織り上げていく過程の中で、少しずつ柄が見えてくる様子は面白いものですよ。
【Point】予測不能、だから面白い!
ジャガード生地の紋紙を見ただけでは、どんな柄なのかまったくわかりません。
織りながら模様が浮き出て、織り上がったものを見て「こんな柄だったんだ!」と感動する。
その予測不能さが、ジャガード生地を作るクリエイターたちを虜にする面白さでもあるのです。
ジャガード生地は、ジャガード織機とデザインを起こすデザイナー(設計士、紋意匠)のいる工場でしか作れず、ある意味レア感がある生地と言えます。
近年では、紋紙の情報をコンピューターで電子化し、そのデータを元にした電子ジャガードも主流になってきました。
元々ジャガードは手織りでしたが、1枚を数人がかりで製作しなければならず、手間がかかっていたもの。デジタル時代に突入したことでスピーディーに織り上げられるようになっているんですね。
電子ジャガードのポイントは3つ。
この三拍子がそろうことで、ジャカード生地がもっと身近になりました。
ジャガード織りというとカーテンやカーペットのようなものをイメージしやすいですが、実はタオルやニットにもジャガード織りが使われます。もちろん伸縮性は抜群、タオルは吸水性も抜群、そしてもちろんおしゃれ★
ジャガード生地は決して手に入りにくい高級品ではなく、身の回りを探してみると、意外なところで使われていたりするんですよ。
ちなみに、ジャガード織りと似たものにゴブラン織りがあります。ゴブラン織りはつづれ織りの1つで、ジャガードよりも目が詰まっており、より厚手で、より色彩豊かに仕上がります。共通点は、どちらも芸術性が高いということですね。
ゴブランの特徴|生地事典サイト-Fabric Summary-
ジャガード織りは、まっさらな生地にプリントをするのとは異なり、模様を直接織っていきます。そのため、生地自体に厚み出て、立体的になるのが特徴です。見た目だけでなく、手触りも凹凸があって楽しめますよ。
厚みのある生地はそれなりに耐久性もあるため、長く使い続けられる生地の1つです。
特に近年のジャガード織りの技術では、さまざまな図柄を表現できるようになりました。デザインが浮いて見えるような様子はとても高級感があり、それゆえにカーテンやクッションカバーなどのインテリアに好んで使われています。
複雑な柄を再現すればするほどより高級感が増すとともに、実際に「高価な品」として取り扱われることが多いようです。
ジャカード生地はプリント生地のように色落や擦れ、剥げといったトラブルがありません。もちろん家庭での洗濯にも対応しているので、お手入れも簡単です。
そして何より、お気に入りの図柄を半永久的に堪能できるのが魅力。ジャガード生地の製品を選ぶ際には、ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。
そんな魅力的なジャガード織りですが、3つのデメリットがあります。
・プリント生地よりかはコストがかかる ・カラフルで派手なデザインには不向き ・厚手で硬く、真夏の衣類には不向き
ジャガード織機に設定できる柄のパターンはそこまで自由に変えることができるわけではなく、柄の種類を増やせば増やすほどコストがかかってしまうので注意してください。
1つの柄を作るのにかなりの金額がかかってしまうことから、ロット数が大きい場合でなければそもそも製作は難しいこともあります。
そして1つの生地にたくさんの色を使うことができないのもデメリットです。
ほとんどのジャガード生地は同じ色でもトーン違いになっているもの(赤なら濃い赤〜淡い赤など)が多いですが、これは織り機の性能によって使える色に制限があるから。
ただ、そのおかげで柄が浮いてくるように見えます。あえてたくさんの色を使わないことで派手さを抑え、上品でブルジョワな雰囲気をまとうことに成功していると言えるかもしれません。
衣類としても使えるジャガード生地ですが、通気性が高いとは言えないため、夏場を避けて冬場のスカートやアウターとして活用しましょう。
ジャガードは高級な衣類はもちろん、カーテンやバッグなどの身近なアイテムにも使用されています。
立体的で高級感のあるジャガード生地は、その魅力を知るとハマること間違いなし!
そこで、Instagramからジャガード生地を使ったおしゃれな活用アイデアをまとめてみました★
シンプルな紺色のVネックシャツでもこの通り!かなり上品で高級感のある仕上がりになります。
存在感があるので、面積の小さい小物に使用してもこんなに華やかになります!表面が凸凹していて立体感があるため、手触りもデザインによって異なっており、触感を楽しむこともできるんですよ。
制限の多いジャガード織りですが、コストはかかるものの複雑な柄を表現することも不可能ではありません!まるで刺繍のように、生き生きとした動植物が美しいですね。
女性に特に人気なのが、ジャガードスカート。美しく高級感のあるデザインだけでなく、ハリがあってシワになりにくい質感も人気の秘密です。
生地の一部だけジャガード織りを施すこともできます。一気に高級感のある仕上あがりになりますし、柄がアクセントにもなりそうですね。
そしてやっぱり、定番と言えばジャガードカーテン!デザインが豊富で、選ぶ楽しさもあります。そして耐久性も抜群です。お部屋の雰囲気をガラッと変えたいときにいかがですか?
生地問屋YAMATOMIでも多数、ジャガード生地を取り扱っています。
まずはこちらがジャガード生地の一部。
こうして見てみると、意外とたくさんの柄があることがわかりますね★
「ルネ(品番:al81700)」は、時代を超えて愛されてきた、伝統的なデザインが特徴。
高級感あるポリエステルジャガードが魅力です。
スカートに仕立て上げればお嬢様風のファッションが楽しめそうです。
アーミッシュキルトをモチーフにした三重ガーゼジャガード。洗いをかけると膨らみの出る素材です。
生地の特性上ネップやスラブが目立ちますが、それが古着っぽくもありオススメです。
落ち着いたトーンのバティック柄が印象的な生地です。
パンツやスカートのほか、インテリアや小物などにご活用ください。
他にも多数のジャガード生地を取り扱っております。
ぜひ公式サイトからチェックしてみて下さいね★要チェックです★
こうしてみると「ジャガード生地」と言ってもさまざまな種類があるのがわかります。
高級感があるからか、模様の美しさのせいか、見ているだけでもなんだか自分が上品になった気持ちにさせてくれるジャガード生地。
プリントに比べればやや値は張りますが、上質なアイテムや長年愛用できるアイテムに使えるため、コストパフォーマンスの面では最高だと言えるでしょう。
あなたのお気に入りの柄を見つけて、ぜひアイテム製作に取り入れてみてください!