ホーム > 【FABRIC∞LIFE】ぽぽねこ様〜常に猫ファーストな商品を世に送り出している、ぽぽねこ栗山様〜
2023.8.21
この度、YAMATOMIをご利用いただいているお客さまへの取材企画がスタートしました!その名も【FABLIC∞LIFE】。お客さまの現在に至るまでの歩みや思いをたっぷりお聞きしていきます。
記念すべき第一回目は「ハゲにくい猫首輪」をはじめ、常に猫ファーストな商品を世に送り出している「ぽぽねこ」の代表取締役の栗山様にお話を伺いました。
目次
ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社について改めてご紹介いただいてよろしいでしょうか。
弊社は「ハゲにくい猫首輪」を中心に猫に優しい商品の開発・製造をしており、主にECサイトやAmazonで販売しております。ブランドとしては2013年に妻と2人で立ち上げ、2019年に法人化しました。会社は業務委託の方を含めると20名弱の小さな会社になります。
ーーありがとうございます。「猫に優しい」というキーワードがありましたが、この言葉は御社が大切にされていることなのでしょうか。
そうですね。創業時に僕たちのお客様って一体誰なんだろうと議論したことがあったんです。結果として、うちは猫ちゃんが「お客さま」で飼い主さんは「購入を代行してくれる人」と位置付けています。人で例えるとベビー用品も同じで実際に使う人と購入する人が違うんです。なので実際に商品を使用する「猫ちゃんに優しい」というコンセプトを掲げています。
ーーどこかで猫に優しくない商品を見られたご経験があったんでしょうか。
新卒で入社したホームセンターの会社でペット事業部に配属され、ペット用品の企画や買い付けをする仕事をしていました。正直、犬や猫たちはその場にいない状態で机上にいる人間たちだけが「この商品売れそうだよね」という話し合いをしているんです。いざ商品が発売されてお客さまの手元に届くまでの間、一度も犬や猫たちが着用をしていない商品は少なくありません。そういう現場をずっと見てきた経験があるからこそこの言葉に辿り着いたのかもしれません。
ーー2013年にブランドを立ち上げられたとのことですが何かきっかけがあったのでしょうか。
2010年頃にWEBメディア事業を扱うベンチャー企業へ転職し、そこで起業についてやプロダクトやサービス作りについて学びました。元々いつか起業をしたいという気持ちがあったんですけど、そのための勉強や準備ができていなかったのでまずはスモールスタートで副業としてぽぽねこを立ち上げました。
ーーなるほど。創業時から現在に至るまで商品のコンセプトは同じだったんでしょうか。
色々と模索しましたが当初から猫ちゃん用品を作るところからスタートしています。ホームセンターで働いている時から犬に比べて猫用品の品揃えが少ないと感じていたんです。その原因としては作っているメーカーがそもそも少ないんですよ。これはペット用品業界の課題だと感じていましたし、同時にチャンスだと思っていました。
ーーなるほど。始めは商品を仕入れて販売されていたんでしょうか。
いえ、まずは近くの家電屋さんへミシンを買いに行きました。ミシンなんて触ったことなかったんですけど(笑)そして生地を用意して首輪や洋服を作ってみよう!というところから始まりました。先ほどお話したように仕入れるにしても仕入先が限られてしまうので、それなら自分たちで作ってしまおうと思ったんです。
ーーすごい行動力ですね。生地とミシンを購入して、そこからどのように歩み出されたんでしょうか。
妻と一緒に何十種類もの服や首輪のサンプルを作りました。完成したサンプルとペットショップにある市販のものとを比較して差別化や優位性を図ることができるのかということを考え、書き出していったんです。何度か繰り返すうちに首輪は売れるんじゃないかという手応えがありました。そこからすぐにネットショップのサイトを自分で作って立ち上げたんです。
ーー奥様と一緒に本業と並行しながら作られていたんですね。
妻はお小遣い稼ぎができたらいいな、という気持ちで始めは付き合ってくれていました。「本当に売れるの?そもそもどうやって売るの?」と懐疑的でしたが元々動物が好きなので周りにいる猫の飼い主さんから悩みがあるのか聞き出してくれたり積極的に協力してくれてとても心強かったです。
ーー副業から始まり法人化に至るまではどのように成長されたのでしょうか。
始めてからしばらく経った時にお客様から「うちの猫が市販の首輪のせいで首の毛がハゲてしまった」や「どんな首輪をつければハゲないのか」といった首輪ハゲのお悩みが多く寄せられました。当時の猫首輪は犬用の物を流用した商品がほとんどで革やナイロンなどの頑丈な素材のものが多く、そのまま猫につけると負担になり首の毛が薄くなってしまうんです。地道にお客様の声を聞いて改善をするということを2〜3年繰り返していくとお客様から「ぽぽねこの首輪をつけると首輪ハゲが治りました」という声をたくさんいただくようになりました。
ーー猫にとって頑丈な素材は負担になるんですね。
はい。あと、猫ちゃんは高いところに登るので首輪が引っかかる事故があるんです。頑丈な素材だと危ないのでうちの首輪は強い力が加わると外れる仕様にしています。
ーーなるほど。何が原因で首の毛がハゲなかったんでしょうか。
検証をした訳ではないのですが、弊社の商品は人間の服に使われている軽くて柔らかい生地を使って肌や被毛に優しいというコンセプトで商品作りをしていたからじゃないかと思っています。うちの首輪がハゲにくいということはお客様からの声で気づきました。そこから商品のキャッチコピーを「猫に優しい首輪」から「ハゲない猫首輪」に変えるきっかけとなりました。
ーー法人化を決めたのはどのようなタイミングだったんでしょうか。
商品の改良を重ねていくうちにクレームが減り、業績が伸び始めたことと、本業のプロジェクトが一区切りした色んなタイミングが重なって法人化することになりました。後にコロナがきっかけでペット需要が増えたことは大きな追い風となりました。
ーー法人化に伴って商品の製造についてを工場へ委託するなどの変化はあったんでしょうか。
一部分だけ内職の方にお願いをしているところもあるのですがほぼ全商品社内で最終工程をしています。今のところはクオリティを保つために自社で製造するべきだと思っています。外注や内職の方に全てお願いしたこともあるのですが商品のクオリティを保つことができなかったんです。スティッチ幅が0.5mmずれていたり、生地の重なりが0.3mmずれているといった世界なんですけど、小物なので細かな部分がすごく目立ってしまうんです。コストメリットを考えると外注する方がいいんですけど、うちはコストを追うようなブランドではないと考えています。
ーー「猫に優しい」を一番に考えられているからでしょうか。
はい。安全性の面を考えても社内で最後は仕上げたいですね。細かいところにはなりますが見た目と使用感に影響するんじゃないかと懸念しているのと、このこだわりはいつか誰かが気づいてくれるんじゃないかなと思っています。
ーー「猫に優しい」ということ以外で大切にされていることはありますか。
ただ物を作るのではなく問題解決に繋がる商品しか作らないということにこだわっています。迷子や脱走対策ができる首輪であったり、猫用のハーネスも作っていて防災グッズとして使われる方が多いんです。服も作っていますが過剰に自分の身体を掻いてしまう猫ちゃんの皮膚を守るためであったり、シニア猫の体温調節を助けるための物なんです。ファッショナブルでインスタ映えする商品よりも猫ちゃんや飼い主さんの困りごとを解決できる商品を作るように常に考えています。
ーーそのような考え方は以前からお持ちだったんでしょうか。
ホームセンター時代の創業者であり会長の教えが活かされていると思います。顧客の問題を常に考えるように徹底的に教えられてきたのでそこが根付いているのかもしれません。メーカーとして公式サイトやSNSを持っているんですが、お客様と直接繋がれる大切な場所だと思っていて、常にお客様の声を直接聞けるようにしておきたいという思いがあります。
ーーこの先の御社のビジョンはありますか。
いくつかありますが、一番大きい目標は海外展開をしたいと考えています。猫の飼育頭数だけで考えるとアメリカ・中国の巨大マーケットはいつか挑戦してみたいですね。あとは親日である台湾も気になっています。
ーー最後になりますが弊社をご利用いただく中でご意見やご感想があればお願いします。
利用を始めたきっかけはGoogleの検索結果で上位に表示されたことです。YAMATOMIさんはサイトが見やすくて検索しやすい。1mから購入できるので気軽に利用できるところもいいですね。あとは漠然とした問い合わせにも丁寧に答えていただけるのはお世辞抜きでYAMATOMIさんが一番だと思っています。「こんな商品作りたいんですけど、条件に当てはまる生地はありますか?」と抽象的な相談を投げかけてもこちらの期待以上に考えてくださいますし、丁寧に対応していただけるので助かっています。
お客様の声に真摯に向き合い、猫ちゃんと飼い主さんの問題解決に繋がる商品の開発・製造に日々奮闘される「ぽぽねこ」さんから今後も目が離せません!
取材のご協力ありがとうございました!
協力:ぽぽねこ様(https://www.poponeko.jp/)
取材:濱本隼瀬
文:はまもとゆま