ホーム > 再生ウールとは?SDGsに貢献できるサステナブルな生地をご紹介
2023.1.30
「SDGs」という言葉が広がって久しいですが、近年は持続可能性に注目している企業や個人が増えてきたと実感します。特にアパレル製品の取り扱いがある多くのブランドでは、SDGsに貢献するための施策を打ち出しているようです。
たとえば無印良品では、再生ウールを使用した衣類や生活用品を見かけることが多くなりました。
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実はこの再生ウールは、近年注目されているサステナブルな素材の1つ。通常のウールよりも環境負荷が少ないのが特徴です。
本記事ではSDGsに貢献できる素材、再生ウールについて学んでいきましょう!
この記事を読んでほしい人
⚫︎環境に優しい生地が使われた製品を選びたい
⚫︎再生ウール(リサイクルウール)について知りたい
⚫︎SDGsに少しでも貢献したい
再生ウールとは「リサイクルウール」とも呼ばれており、古着や繊維廃棄物を再生(=リサイクル)して作られる素材のこと。
繊維や生地の生産過程では、繊維のカスや生地の残り糸などが出てしまいますが、それらを集めると大量の廃棄物となってしまいます。また、古着も捨てるだけならただの廃棄物ですよね。
ウールまたはウール混の廃棄物を集め、再生可能な部分を仕分け、粉砕し、原料となる反毛にします。それらを紡績することで糸にし、さらに織り上げて生地に仕上げていくのです。完成した生地は、さらに衣類やインテリア、生活用品などの製品に仕立てられます。
本来捨てられるはずだったウールを再生することで廃棄物を大幅に減らし、別の製品に生まれ変わらせることが最大のメリット。だからこそ、再生ウールはSDGsの取り組みの一環として注目されているのです。
参考記事:
サステナブルな生地とは?|未来のために環境に配慮した素材を選択しよう
世界が注目するSDGs。テキスタイルからどんな未来を描ける?
実は再生ウールは最近登場した素材ではありません。実は数百年前からヨーロッパではウールのリサイクルは行われていましたし、日本国内でも世界三大織物産地として知られる愛知県の尾州で、50年以上の再生ウールの歴史があるのです。
では、なぜ再生ウールはこれほどの長い歴史を持っているのでしょうか?その人気の理由をご紹介しましょう。
ウールは天然繊維だから合成繊維と比べればサステナブルな素材……かと思いきや、実はその生産過程で出る廃棄物や動物愛護の観点から、必ずしも環境に良い素材とは言えないかもしれません。
良質なウールを作るために、羊に成長促進剤を打ったり、餌に農薬や殺虫剤が使われたりするといった現実があります。またウールを糸や生地にするために大量の水や染料が使われ、環境負荷が多くなります。
一方で再生ウールは、こうした生産過程での環境負荷がより少ないです。動物を傷つけたり、大量の染料を使ったりする必要なく、さらに衣類や繊維の廃棄物を減らせるエコな素材だと言えるでしょう。
再生ウールは古着や繊維廃棄物を寄せ集めて作りますが、それらの繊維がすべて同一の色だとは限りません。
ある程度近い色味に振り分けられますが、同じ「白」だったとしても「生成りの白」もあれば「オフホワイト」もあり、あるいは「灰色がかった白」の繊維も集まります。
微妙にニュアンスの異なる繊維を集めて糸や生地に仕上げるので、単一色で染めたウールと比べると、色合いに深みが出るのです。
通常のウールには出せないような色や表情を持っているのも、再生ウールが人気な理由の1つだと言えるでしょう。
通常のウールといえば、夏は涼しく冬は暖かく、防火性や撥水性に優れているなど、天然繊維だからこそのスペックの高さがありますよね。
この通常のウールのスペックは、たとえリサイクルしたとしても失われることはありません。再生ウールも通常ウールと同様、保温性・防火性・撥水性・通気性・伸縮性、さらには手触りの良さ……などのメリットを持つのです。
違いといえば、先述した通りよりサステナブルであることと、より深みのある色合いを持っていることの2点。「通常のウールがいい」というこだわりが無ければ、再生ウールを選んでみても良いのではないでしょうか。
国内では年間15億点もの衣類が売れ残りとして捨てられたり、家庭や企業から51.2万トンもの衣類が捨てられたり、大量の廃棄物が出ています。廃棄物を少しでも減らすために、手持ちのウールを再生ウールとしてリサイクルしてみるのはいかがでしょうか?
やることは簡単で、古着回収を行っている団体や組織があれば、そこへ不用となった古着を持っていくだけでOK!
ユニクロやH&Mなど全国展開しているブランドには古着回収を行っているところも多いですし、地元のリサイクルショップでも回収を行っている場合や、郵送で受け付けてくれる団体もあります。
ウール100%でなくても、ウール混の衣類でも再生ウールの原料になるので、洋服を捨てる前にぜひ一度品質表示タグを確認してみてくださいね。
参考:
大量消費・廃棄からの脱却を目指して。アパレルや繊維業界にできる事とは
メリットの多い再生ウールですが、デメリットを挙げるとすれば、大量生産には不向きな点です。
古着から再生ウールにリサイクルするためには、膨大な手作業を行う必要があります。まずはボタンやファスナーなどを取り除き、近い色味(15色〜30色ほど)に振り分けていきます。その後の粉砕や紡績は機械でできるとしても、最初はまず手作業が必要なのです。
またクオリティが均一の製品を作るのも難しいとされています。
部位によって毛質にばらつきがあったり、強度が落ちるためにポリエステルやアクリルを混ぜる必要があったり、色味も微妙に異なってしまったりなど。
再生ウールはサステナブルな生地である一方、アパレル業界で主流だった「同一クオリティの製品をスピーディーかつ大量に生産する」ことができなくなるのです。
ただし、大量生産ができないのは他のサステナブルな製品にも言えること。視点を変えれば「世界に1つしか存在しない、私だけの製品」が作れて、その製品に愛着を持つことで、長く使い続けようとする意識が生まれます。そうした意識付けもSDGsの実現にとても大切なのです。
生地問屋YAMATOMIでも再生ウール生地を取り扱っています。
「生地屋さんで見つけられなかった」「どんな再生ウールがいいかわからない」という人は、ぜひYAMATOMIをご活用ください!
生地サンプルも見ていただけますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせくださいね。
リサイクルウール糸シリーズの「RESCWOOL®(レスキュール)」。ウール100%のみを集めて繊維にしているため、純粋なウール素材です。上品なビーバー仕上げにより、コートに特におすすめです!
原料調達から織布まですべての工程を日本国内の工場で行っているため、国産レベルの高品質!紡績時にブレンドされるポリエステルもリサイクルポリエステルなので、ギルトフリーな素材です。
「RE:NEWOOL®(リニュール)」は原料調達、反毛、紡績、織布、整理までを国内で行うリサイクルウールブランド。カシミヤをブレンドすることで、しなやかで良質な肌触りを表現しています。
リサイクルウールを軽く織り上げ、最後にビーバー加工をしました!軽量で手触りがよく、コートやジャケットなどのアウターにオススメです。ユニセックスな表情でメンズにもレディースにもお使いいただけます。
リサイクルウールとは思えない高品質でサステナブルなアップサイクル生地です。程よい肉感にやわらかな手触りは、アウターはもちろん、秋冬のパンツにもお使いいただけます。
リサイクルウールをパイル生地に仕上げました!肉感を持ちつつも軽量で、羽織りものやアウターにいかがでしょうか?手触りも心地よく、インテリアにもオススメです。
ブランドや企業として再生ウールを取り入れることは、環境破壊をストップしてSDGsに貢献することになります。そして個人である私たち1人1人が、再生ウールの製品を選ぶことも、SDGsに貢献することにつながるのをご存知でしょうか?
「買い物は投票だ」と言われますが、再生ウールの製品を作る企業にお金を落とすことは、その企業の環境に優しい取り組みを応援することでもあります。そして何より、再生ウールの製品を身に着けることで、個人として「環境や人に良いことを」という意識が生まれるきっかけにもなりますよね。
企業単位だけでなく個人単位でも、ソーシャルグッドなアクションを起こしていきましょう!
生地問屋YAMATOMIでは、アパレルメーカー様はもちろん、個人のハンドメイド作家さまにも少ロットから短納期で生地を販売しています!とにかく種類が豊富なのが自慢です!
まずはサイトでどんな生地があるのかな~とチェックしてみてくださいね!また、オシャレなカフェ風のオフィスでは、実際に生地見本を自由に回覧することも出来ます。
● 創立70年老舗生地卸商の山冨商店が運営する仕入れサイトです
● 約50社のテキスタイルコンバーターとの正規取次問屋です
● 約8,500品番を取扱い、色・柄を含めると約120,000点から仕入れ可能です
● 全ての生地をWebサイトにカタログ掲載しています
● 生地の種類・素材・柄・目的に合わせて生地の検索ができます
● 5品番まで生地見本帳を無料で取寄せができます(中には有料のものもあります)
● 原反での仕入れはもちろん、カットオーダーで1m〜購入ができます(カットの場合カット賃がかかります)
● 大坂本町にあるショールームで全品番の生地サンプルを実際に触り見ることができます
また、山冨商店では IT × デザイン を時代にあわせて取り入れているので
生地の検索から画像を通しての生地確認、サンプル帳での生地風合い確認
生地のオーダー、見積書確認、正式の注文、決済まで流れるようにご利用が頂けます。
生地問屋YAMATOMIでは、生地の手配と併せて、提携している裁断専門の工場による【裁断サービス】もご利用いただけます。
ハンドメイド作家様から大手企業様まで、幅広い業界の皆様にご好評いただいております。
● 受注が増えて、自社での裁断作業が負担になってきている
● 量産を見据えたサンプル裁断をしたいが、どこに頼めばいいか分からない
● 高品質な裁断技術だけでなく、受注から出荷まで安心して取引できるところを探している
など…
委託先が見つからず、お困りのお客様も多いのではないでしょうか?
YAMATOMIでは、提携工場とご依頼者様の間に入り、最後まで安心してお取引できるような形で進めさせていただいております。
生地選びのご相談やご要望に合わせた裁断方法のご提案なども可能ですので、 まずはお気軽にご相談下さいませ!
《裁断サービスについて》
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生地問屋YAMATOMIでは、法人様や個人事業主様を対象にビジネス会員のカテゴリーをご用意しています。
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※ご登録後、Paid利用可能か審査を行います。Paidについてはこちらをご確認ください
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(大阪市中央区船場中央2-1-4船場センタービル2階 平日10:00〜16:30)
※ショールームでのご注文は承っておりません。サンプル帳の回覧のみとなります。
https://yamatomi.biz/user_data/company.php
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