ホーム > 布で包むだけでおしゃれ!風呂敷に使われる生地や使い道を解説
2020.7.29
日本に昔から伝わる布の種類といえば、手ぬぐいや風呂敷など。手ぬぐいについてはこちらの記事でその魅力をお伝えしています。
使い方も種類も豊富!便利でおしゃれな現代の手ぬぐいの魅力と手ぬぐいに使われている生地について
そして今回は風呂敷について取り上げました!意外と身近にある風呂敷、あなたの自宅にも1枚は眠っているのではないでしょうか?
今回は風呂敷特有のあの手触りを出す素材や、幅広くておしゃれな風呂敷の使い道をご紹介します!
目次
風呂敷とは、物を包んだり運んだりするための、正方形に“近い”形の布のこと。完全な正方形の風呂敷もありますが、若干縦と横の長さが違うのたポイントです。
手ぬぐいは長方形で汗をぬぐったり首にかけたり、頭に巻いたりなど、常に懐に忍ばせて使います。一方で風呂敷は物の持ち運びや収納に使われるため、包みやすいように正方形に近い形にしているんですね。
ではなぜ「風呂敷」という名前なのでしょうか?あまりお風呂で使うイメージが湧きませんよね。
風呂敷の原型が登場したのは奈良時代。しかしその当時はまだ「風呂敷」という名前ではなく、各地でバラバラの呼び方だったようです。
そして平安時代には「平包」という名称に統一され、室町時代には「風呂敷」という名前が広がりました。室町時代のお風呂は蒸し風呂で、室温を均一化するため床に布を敷いたことからこの名前になったのです。
そして江戸時代には、お風呂は現代のお湯を張ったお風呂と同じになりました。そこで問題になったのが、湯銭での自分の荷物の見分け方です。そこで人々は柄物の風呂敷を使い、どれが自分の荷物なのか見分けられるようにしたんですね。
その後人々は風呂敷に湯銭で使う道具を入れて包み、湯銭に通い詰めたそうです。
現代において荷物を入れる袋といえばバッグです。口を簡単に開閉できて物を出し入れしやすいですし、風呂敷のように毎回結ぶ必要はありません。
バッグの特徴は型崩れしないことや耐久性が高いこと。質の良いものであれば素材も良く、チャックやポケット付きなどで使い勝手も完璧です。
このようなバッグの登場により、風呂敷の活躍の場が減ってしまいました。
とはいえ、現代でも風呂敷の名残は残っています。風呂敷は大事なものや贈り物を包む布として使われる習慣があります。
また和装を好む人やお祭りなどに浴衣で出かける人は、バッグではなく風呂敷を選んで和風の装いを楽しみますよね。
また日本らしい和柄や奥ゆかしさを感じる素材感を活かして、インテリアやアクセントとしても使われているのです。
風呂敷は物を包んだり持ち運んだりするために使われるため、ニットのように伸縮性が高すぎる素材はNG。またキャンバスのように堅すぎるのも、メッシュのように穴だらけなのも、ガーゼのように薄すぎるのもNGです。
ではどんな生地が風呂敷に合うのでしょうか?
ここでは綿・正絹(しょうけん)・合繊の3つの素材から生地の種類をご紹介します。
綿(コットン)は柔らかくて吸水速乾性があり、汎用性の高い素材です。そんな綿を使ったシャンタン・ブロード・ブッチャーの生地が風呂敷に向いています。
【オススメの綿生地】
厚みのハリのある風合いがちょうど良く、目に見える表面の凹凸感がまさに風呂敷!上品にもカジュアルにもお使いいただけますよ。
程よい手触りのシャンタン生地に、シンプルモダンで和風な印象の柄をプリントしてあります。風呂敷のイメージにもピッタリ合いますね。
正絹(しょうけん)とは、交じりもののない純粋な絹(シルク)のことです。わかりやすく言い換えるとシルク100%ということですね。
正絹を使うことで生地に光沢感や高級感を出し、より和装に似合う風呂敷が作れます。
【オススメの正絹生地】
シルク100%の上質な光沢感と柔らかさを楽しめる生地です。この上質さは風呂敷で高級なものや大切にしたいものを包むのにピッタリですよ。
合繊は「合成繊維」の略称。つまり、ポリエステルやナイロンといった、科学的に作られた素材をのことを指します。
風呂敷に使われる合繊はポリエステルが多いです。環境に良くないと思われがちですが、ペットボトルをリサイクルしてポリエステル糸を作れるため、環境保護にも取り組める素材です。
【オススメの合繊生地】
ポリエステル製のしっかりとしたちりめん生地。表面のシボと光沢には高級感があり、風呂敷はもちろん着物の帯や装飾にもオススメです!
椿の柄をあしらった二越ちりめん生地です。おしゃれで華やか、普段のコーディネートのアクセントにも◎耐久性もあり、風呂敷として何度でも使い回せますよ。
おしゃれな風呂敷があっても使い方がわからず、棚の中に眠ったまま…という人は多いのではないでしょうか?
風呂敷はただ柄がおしゃれなだけではありません。おしゃれな使い方をすることでもっと活用できるアイテムなのです!
そこで風呂敷のおしゃれな使い道をご紹介します!
…と、その前に風呂敷を有効活用できるように、次の大きさも覚えておきましょう!
など。
お弁当や小さなものを包む場合は中巾、バッグとして使いたい場合は三巾など向いている大きさが違うため、注意してくださいね。
やっぱり昔はバッグの代わりとして使われていただけに、現代でもバッグや小物入れとしての活用がオススメです!
「普段のブランドバッグや革製・キャンバス製のバッグに飽きてしまった…。」「和装に似合うバッグがない…。」というときこそ、風呂敷の出番ですね。
2020年7月よりレジ袋が有料化。マイバッグを購入する人も多いと思いますが、風呂敷をマイバッグとして活用するのはいかがでしょうか?結び方を変えれば大容量でも、小さなサブバッグにもなりますよ。
このように、肩からかけるように結ぶ方法があります。普段はただの布なので使わないときはポケットに。いざ使うときにはバッグに返信してくれますね。
小さな風呂敷ならきんちゃく袋として活用するのがオススメ。ちょっとした荷物の持ち運びはもちろん、自宅において小物入れにもできちゃいますよ。
バッグとして使わなくても“包み”として目にする機会が多い風呂敷。贈り物はいつも市販の包装紙を使っているという人は、趣向を凝らして風呂敷で包んでみてはいかがでしょうか?
ちょっと良いデパートで買い物すると、商品を風呂敷で包んでくれて、風呂敷もそのまま別の用途に使えるというお店もあるようです。
最近は風呂敷包みのギフトもよく見かけるようになりました。使う風呂敷や組み合わせるモチーフによって、季節性が出せるのがいいですね!
布だからこそ、どんな形にも変形できるのが風呂敷の魅力。箱はもちろん、リキュールやワインのボトルをこのように包むことだってできるんです!
風呂敷をバッグとして使うのではなく、バッグのアレンジやアクセントとして風呂敷を使う方法もあります。いつものバッグに飽きたら試してみたいアイディアをご紹介しましょう!
バッグの中敷として風呂敷を使う方法があります。端っこを外側に出したり垂らしたりすることで、外から見てもおしゃれなアクセントになってくれるでしょう。
今度は逆に外側からバッグを包んだアイディアです。風呂敷で包める大きさのバッグなら、一気に雰囲気が変わりますよね。買い物したら外してマイバッグにしたり、肌寒かったら外して肩にかけたりなど、マルチな使い方ができますよ。
風呂敷は柄がおしゃれだったり、他の生地とは違った素材感が独特だったりと、布そのものに価値があります。そのため部屋のインテリアや店内ディスプレイに使うことで、空間をコーディネートすることもできるんです!
椅子の座面に結び付ければ、インテリアを一瞬で変えられます!部屋が殺風景だったり、家具に飽きたけど買い換えられないというときにオススメのアイディアですよ。
お店でも和風な雰囲気を出すために風呂敷を天井や壁に吊り下げることがあります。イベントや季節に合わせて手軽にイメージを変えられるのもいいですよね。
現代は持ち歩く人が少なくなった風呂敷ですが、1枚持っているだけでも何役もの使い方ができる便利なアイテムです。周りに使っている人がいないため、自分のオリジナリティを出せるのもいいですよね。
一枚布だからこそ、変幻自在に形を変えられる風呂敷。そんな風呂敷の魅力を知って、あなたの生活にも取り入れてみてください!