ホーム > 【布仕事辞典】テキスタイルデザイナー・染織家ってどんな仕事?
2020.8.5
布(ファブリック)に関わる仕事といえば、ファッションデザイナーやインテリアデザイナー、縫製士、繊維企業やアパレル企業勤務などを連想する人も多いでしょう。
特にアートの感性が求められるデザイナー系の仕事はクリエイティブで、かっこいいイメージですよね。
デザイナーの中にも様々なジャンルがありますが、今回取り上げるのは『テキスタイルデザイナー』または「染織家』と呼ばれるお仕事!
どんな仕事内容で、どんな役割があるのかを見ていきましょう!
目次
テキスタイルデザイナー・染織家について理解するには、まず「テキスタイルデザイン」について知りましょう。
テキスタイルデザインとは、服飾・インテリアなどに使用する布のデザインのことを言います。
例えばオーソドックスな水玉模様・縞模様・格子柄などから、和柄・北欧風・幾何学模様など、布にも様々なデザインがあしらわれていますよね。
こうしたテキスタイルデザイン(=布のデザイン)を担うのが、テキスタイルデザイナー・染織家と呼ばれる人たちです。
ちなみに「テキスタイルデザイナー」も「染織家」も染織全般におけるプロのことを指し、同じ意味です。
布は洋服にして身にまとったり、インテリアにして肌に触れたりと、日常生活の中で触れる機会も多いですよね。
テキスタイルデザイナーは上記で挙げたような見た目のデザインだけでなく、触り心地や着心地までをデザインするのも仕事です。布の触り心地には素材、織り方、編み方、加工方法までもが影響しています。
テキスタイルデザイナーはただ見た目をデザインすれば良いわけではなく、生地の使い道やその生地で出来上がるであろうアイテムまでをも見据え、企画から製造までを行うのです。
さて、ここまでテキスタイルデザイナー・染織家の大まかな仕事について見ていきました。そこで、もう少し具体的な仕事内容をまとめました。
生地のデザインだけでなく、企画提案から製造まで広く関わるのがテキスタイルデザイナー・染織家の仕事です。
「デザイナー」にはファッションデザイナーやグラフィックデザイナー、Webデザイナーなどいろいろありますよね。そんな中でも、ファブリックが好きな人にオススメなのがテキスタイルデザイナーです。
では、テキスタイルデザイナー・染織家になる方法をご紹介しましょう!
テキスタイルデザイナーは生地の生産に広く関わることになるため、求められるスキルもたくさんあります。
ある程度スキルや知識は求められますが、やはり「デザイナー」という言葉からもわかる通り、デザインのアイディアを出せるかどうかが勝負になるでしょう。
またスキル・知識は今後学びながら補うことは可能です。逆に自分への適性となると、また少し変わってきます。
そこで、テキスタイルデザイナーに向いている人の特徴もご紹介しましょう。
当てはまる人がいたら、ぜひテキスタイルデザイナーを目指してみてくださいね。
テキスタイルデザイナーになっている人の多くは、デザインや芸術科の大学・専門学校に進学し、デザインに関する基礎を学んでいます。
そして卒業後には、繊維・生地メーカー、アパレルメーカー、インテリアメーカーなどに就職し、現場でデザインの技術を磨いて本格的にテキスタイルデザイナーになります。
もしくはデザイン事務所に就職する場合もあるようです。デザイン事務所によってはグラフィックデザインやHPデザインだけでなく、テキスタイルデザインも請け負うことがあるため、「布」にこだわらない人はデザイン事務所のデザイナーとして働くのも良いですね。
また、テキスタイルデザイナーになるためには必ずしもデザイン関連の大学や専門学校を卒業する必要はありません。確かに学歴は就職の際の武器になりますが、学歴がなくてもテキスタイルデザイナーになることは可能です。
例えば、繊維・生地メーカーに製造として就職しながら布の知識を学び、デザイナーのアシスタントへ、そしてデザイナーとして異動する方法。もしくは自分のポートフォリオや実績を作り、それを武器にデザイナーに就職する方法などがあります。
未経験でデザイナーになるよりも、まずは身近なところから実績を積むのがオススメ!例えば学校のクラスTシャツや自分のための洋服をデザインしたり、友人知人から個人でテキスタイルデザインの仕事を受けたりすれば、それも立派な実績ですよね。
あなたなりのやり方で、テキスタイルデザイナーへの道を進んでいきましょう!
日本には「あ!このデザイン見たことある!」というような有名なテキスタイルデザイナーがいらっしゃいます。
そんなテキスタイルデザイナー・染織家たちをご紹介しましょう!
フィンランドブランド「marimekko」といえば、あの独特な花柄が有名。脇阪克二さんは「marimekko」でテキスタイルデザイナーとして活躍した日本人です。
その後京都のブランド「sou・sou」にてテキスタイルデザイナーとして働き、ユニクロともコラボしているんですよ。
こちらは「sou・sou」と小さいふブランド「クアトロガッツ」のコラボ商品。和風なデザインを手がけ、和装にも似合うデザインを提案しています。
nocogouはテキスタイルデザインのブランドで、ご夫婦で運営されています。生活の中に溶け込み、ほどよく優しいスパイスを効かせてくれるデザインが魅力。
女性はもちろん、男性にも使いやすいデザインがあるのはやはりご夫婦ともに関わっているからでしょうか。
生地はすべて手刷りでイチから作っているため、商品だけでなくテキスタイルデザイナーとしての仕事もチェックできるかもしれません。
氷室友里さんは見た目のデザインだけでなく、テキスタイルの素材感・存在感をしっかり感じられるデザインをされています。この画像からでも生地の凹凸やぬくもりが伝わってきますよね。
ブランケットやカーペット・ラグ、カバンなどを製作しており、裏表で違う表情になったり、生地の糸を切ると面白い発見があったりと、遊びゴコロが満載です。
このブログの読者様の中には「布が好き!だけど、縫製はあまり得意じゃない…」という人もいるかもしれません。そんな人が布に関わる仕事をしたいなら、テキスタイルデザイナー・染織家がオススメです。
やっぱりテキスタイルデザイナーとしての醍醐味は、自分のアイディアを形にして、製品として世の中に送り出せること。紙やパソコンの画面にするデザインとは違って、好みの手触りや質感も実現できるのが魅力です。
あなたの中にクリエイティブなアイディアが眠っているなら、ぜひ一度テキスタイルデザインに起こしてみませんか?