ホーム > 冷たい生地の秘密とは?ひんやり感じる接触冷感の仕組みってどうなってるの?
2020.7.15
夏になると気になり始める冷感生地。日頃から取り入れている人も多いと思いますが、あなたは「冷感」がとういう仕組みになっているかご存知でしょうか?
実は、冷感の仕組みを知ると雑談のネタが増えるだけでなく、自分に合った冷感生地を選べるようになるのです。モノ作りをしている人は、夏向けのアイテムや商品開発に活かせますよね。
本記事では冷感の仕組みや、冷感生地が使われているアイテム事例をご紹介します!
目次
「冷感」と言うと、ほとんどが「接触冷感」のことを指します。その名の通り、触ると冷たく感じる生地のことです。
といっても、繊維自体が冷たさを発しているわけではありません。「接触冷感」の仕組みを見ていきましょう。
接触冷感の仕組みは、ズバリ「肌の熱が奪われている」ということになります。言い換えれば「熱が移動している」ということです。
熱は高い方から低い方へ移動する性質があり、この熱が移動する原理を「伝導性」と言います。つまり、多くの熱が奪われるほど冷たく感じるということですね。
接触冷感生地は、伝導性の原理を利用して「生地が肌の熱を奪う(移動する)ことで、ひんやり感じる」仕組みを作っているのです。
熱の移動量を具体的に表した通知が「最大熱吸収速度(q-max:キューマックス)」です。
q-maxは0.4以上でとても冷たく感じ、0.2ほどで「少しひんやりするかな?」くらい。それ以下になると、冷感効果はほとんど期待できません。
例えば冷たいコンクリートは触るとヒヤッとしますが、q-max値は0.6という高さ。真冬日と真夏日にはコンクリートの熱がまったく違うことから、どれだけ熱の移動量が高いかがよくわかる例です。
一番冷たく感じられる生地素材はポリエチレン(0.45)〜で、リネンやポリエステルも意外と冷感があります。逆によく知られているコットンは0.2かそれ以下しかないので、冷感生地には向いていません。
ただ、コットンなどの冷感効果のない生地でも、加工をすることで冷感効果を出すことができます。
例えば繊維にキシリトール樹脂や鉱石を塗ればひんやりした生地に感じられるのです。もしくはひんやり素材であるアルミニウムも繊維に混ぜ込むことで冷感効果を出す方法もあります。
接触冷感のように生地そのものに工夫をしてひんやりさせる生地の他にも、生地を直接冷やす「冷却」方法もあります。
例えばポケットをつけて保冷剤を入れられるようにしたり、衣類にファンをつけて外の空気を取り込んだりなど、物理的に冷やす方法です。
とりわけ作業員が着用する作業着などに使われることが多く、作業員の健康と命を守ってくれます。
冷感生地がないという人は、いつものインナーに生地を縫い付けて保冷剤用のポケットを作るという方法もありますよ。
それでは、どんなアイテムに冷感生地が使われているのでしょうか?
ここでは実際に販売されている商品を例に挙げながら、冷感生地のアイテムをご紹介します!
おしゃれが好きな人でも夏場に悩まされるのが、体のべたつき。下手をしたら出勤した時点でベタベタで、1日中不快…。
冷感生地は通気性が高いものが多いため、ベタつきを抑えつつ、クーラーいらずで快適に過ごせるアイテムが多いですよ。
冷感生地を使っているとして人気なのが、ユニクロのエアリズムシリーズです。インナーからシャツ、下着、最近はマスクまで販売されており、知っている人も多いのではないでしょうか?
エアリズムシリーズは接触冷感効果があるだけでなく、洋服の中の湿気やムレを外に逃がし、通気性が高いです。洋服の中と外の空気が循環しているイメージですね。
夏に限らず、一年中着られるのがポイント!
イトーヨーカドーやセブンプレミアムが出している「ボディクーラー」というインナー。天竺編みタイプとメッシュタイプがあり、メッシュタイプの方が若干涼しく感じられます。
何よりも通気性と吸湿速乾性に優れているのがポイント!冷感生地の中には通気性が悪く、涼しいのにベタベタする商品もある中、大変優秀な冷感インナーだと言えます。
さらにペットボトルを再利用して作られているという環境への配慮も高評価です!
最近は冷感効果を持たせたソックスやストッキングも続々登場しています!例えば、靴下屋のキュプラ糸を使用した「冷感ドライ 6×2」が若い女性に人気。
ストッキングなら、先ほども出てきたイトーヨーカドーの「ボディークーラー ストッキング」などがありますね。
下半身の股部分や足の裏も暑くて蒸れやすいもの。上半身から下半身も、冷感生地で冷やしておきましょう!
「with コロナ」について考えていかないといけない今、マスクを着用して生活しなければいけません。しかし、夏場のマスクは熱中症のリスクを高めてしまうものです。
そこで、冷感生地を使って熱中症リスクを抑え、快適に過ごせるマスクもご紹介します!
楽天やAmazonなどで話題になっているのが「アイスシルクコットンマスク」。湿っているほど冷感効果があり、乾いても絞って使えばまたひんやり感触が復活します。
その理由は「アイスシルクコットン」という高品質な生地を使っているから。といってもシルクやコットンが使われているわけではなく、ポリエステルやポリウレタンなどの合繊を素材としています。
そのためストレッチ性が高く、UVカットもしてくれるので、夏場にピッタリの冷感マスクですよ。
参考:https://kuruma-tabinavi.com/
こちらも水に濡らすことで冷感効果が増すタイプのマスク「クーリッシュサマーマスク」です。水泳用品メーカーが出しているため、多少濡れていても快適!
肌から出る汗や水分などの気化熱を冷たい空気に変える技術を利用しており、湿っているほど涼しくて快適なんですね。
夏は汗をかいてマスクが濡れるとベタベタしがちですが、このマスクなら1日中快適に過ごせます。
こちらはパステルカラーとなめらかな肌触りが心地よい接触冷感マスク「ひんやりアイスマスク」です。
接触冷感マスクにはレーヨンやキュプラがよく使われますが、毎日使って毎日洗うことを考え、洗濯に強いナイロンやポリウレタンが利用されています。
冷感効果だけでなく耳にかけるゴムが柔らかく、伸縮性も高いため、長時間つけていても疲れません!
YAMATOMIでも冷感生地を取り扱っています。これからの季節、衣類からマスクまで幅広く活躍してくれる冷感生地をご紹介します!
目面が美しく、涼しげな風合いが特徴の天竺です。肌離れが良く、暑い季節でもひんやりとした心地よさが体感できます。
いつまでもひんやり心地よい接触冷感生地です。カラー展開が豊富なので、インナーやシャツなどのアパレルからマスクなど、幅広くご活用いただけます!
控えめな光沢と繊細な綾目が上品な薄手素材です。柔らかい風合いで、接触冷感機能を持ち合わせているため、春夏の普段使いの衣料にオススメです。
冷感・UVカット・速乾性と、夏には欠かせない機能がたっぷり詰まった生地です。2wayストレッチ素材なので、トップスなどのほかスポーツウェアにもオススメです。
ソフトな風合いで一見すると暖かそうに見えますが、しっかり冷感効果があります。透けにくく紫外線もカットしてくれるため、スポーツウェアにも最適です!
筆者は「暑さに強いんだ」と自負していましたが、やはり歳をとると、暑さに負けてしまいます…。そこで最初に取り入れたのが冷感生地のインナーでした。普通のインナーとは違い、日中の快適さが大きく変わったのです!
これからは「with コロナ」の時代と言われており、夏場でもマスクの着用がマナーになっています。しかし息苦しいマスクは夏の敵。筆者も本格的に夏が来る前に、冷感マスクを揃えておきました!
冷感生地のアイテムがあるだけで、毎日を快適に過ごせるようになるはずです。あなたも冷感生地を準備して、暑い夏を乗り切りませんか?