ホーム > 布マスクはどんな生地で作ればいいの?身近な生地で健康を守ろう!
2020.4.24
新型コロナウイルスにより衛生対策への関心が高まっていますが、マスクの需要増・供給不足によって、マスクが手に入らない人が多くなっています。
そして4月16日、全国に緊急事態宣言が出されました。やむを得ず外出や出勤をしなければならない人も多いですよね。
そんなやむを得ない外出のときに、是非とも活用してほしいのが布マスクです。
市販の使い捨てマスクとは異なり、布マスクなら手作りできますし、何より何度も洗って繰り返し使えるのがポイント!これならお店で不織布マスクが手に入らなくても問題ありません。
今回は布マスクをおうちで手作りする方のために、布マスクに使える生地についてご紹介しましょう!
目次
外出すればマスクを付けている人ばかりを見かけるようになりまして。
しかし、あなたはマスクの目的をしっかりと理解して着用していますか?
目的がわかっていないと、間違った着用の仕方で、せっかくのマスクも意味をなさないこともあるのです。
マスクの一番の目的は『飛沫防止』です。
人はくしゃみをすると、体内から排出されたウイルスが8m先まで飛ぶと言われています。咳をした場合も同じです。
たとえコロナウイルスの症状が出ていなくても、気付かぬうちに感染していて、外でくしゃみをしたら…。あなたが保菌者となって、他の人を感染させてしまうおそれがあるのです。
それを防ぐのがマスクであり、どちらかといえば「自分がかからないようにするため」というよりは「他人を感染させないようにするため」に着用するのが本来の使い方なんですね。
中から外へ排出しないようにすることが第一ですが、もちろんマスクは外から中への侵入も防止する役割があります。
つまり、ウイルスの入り口である鼻と口を覆って、自分が感染しないようにするのです。
今マスクを着用して外出している人は、この目的が大半ではないでしょうか?
ただし、ウイルスの侵入を防ぐには正しく着用することが大前提。
息苦しいからと鼻だけ出したり、マスクを顎にかけたりしては意味がありません。
また食事の時には外しますが、マスクの表面にはウイルスが付着しているため、食事後は新しいマスクに付け替える必要があります。
「マスクがあればOK」ではなく、正しい付け方、使い方も心がけましょう!
布マスクは家庭でも作れるのでオススメです★
しかし、ウイルスを防止したいため「抗菌作用のある生地が必要なのでは?」「ガーゼなどを使わないといけないのでは?」と考え、生地がないから…と諦めてしまう人も多いかもしれません。
結論を言いますと、実は布マスクの生地は必ずしも抗菌作用やガーゼ生地を使わないといけないわけではないのです!
自宅にあるハンカチや切れ端、もしくは着なくなった服の生地で作ったマスクは、飛沫防止・ウイルス侵入防止の両方にある程度の効果があります。
もし不安なら、作った布マスクに除菌スプレーを吹きかけるのもいいでしょう。
ただし息苦しさをなくし、通気性を高めるために、目が詰まった生地や厚みのある生地は避けたいですね。
では、布マスクに使える身近な生地を1つ1つご紹介しましょう!
アパレルから資材まで幅広く使われているシーチングやオックス生地は、柔らかくて肌に当たっても不快ではありません。
そのため、布マスク作りにも最適ですが、最初は少し硬いので、何度か洗ってなじませていきましょう。
長時間肌に当たるものですから、肌荒れが気になる人はコットン100%のシーチングやオックス生地を選ぶといいでしょう。
【オススメのシーチング・オックス生地】
ざっくりとした表面で中肉厚なので、マスクはもちろんどんなアイテムにも使いやすいです!
厚みがあり固そうに見えますが、柔らかくて扱いやすい生地ですよ。
シャツやブラウスに使われるブロード生地は高密度の平織り生地ですが、使われている糸1本1本が細いので、通気性が高いのがポイントです。
ハリ感もある生地であるため、マスクの折り目を付けやすい点もいいですね。
なめらかで生地のキメが細かいですが、布マスク作りには快適さを高めるため薄手のものを選ぶようにしましょう。
【オススメのブロード生地】
やや薄手で柔らかなブロード生地。肌に当たっても痛くないのでマスクにも向いています。
薄手でハリがあるので折り目をつけやすいのがポイント。上質な見た目で大人でも使えます。
ニットの生地は柔らかくで肌触りが良く、マスクにしても息苦しさを感じないのがポイント。
他の生地ではカサつきを感じるときは、ニット生地をマスクの裏地(肌に当たる部分)に使うのもオススメです。
【オススメのニット生地】
柔らかな手触りで肌に当てても心地が良いニット生地です。度詰ですが息苦しくなく、ウイルスの侵入を防いでくれます。
リブ編みのカジュアルな見た目を持つ生地です。折り目は付きにくいですが、その代わり顔にフィットしますよ。
とても薄くてふわっとした肌触りの綿シフォン生地には優しい雰囲気があり、布マスクの中生地にぴったり。
裏表を違う生地で作れば、表に好きな柄の生地を使いつつ、快適さも失いません!
【オススメの綿シフォン生地】
ふんわりとした肌触りが心地良い生地です。薄手ですので、マスクの裏側に使うのにも向いています。
薄手でとても通気性が良く、柔らかなシフォン生地です。ナチュラル感があり、子供用マスクにも向いています。
ガーゼの生地は赤ちゃんの肌着にも使われることから柔らかくで肌触りが良く、とにかく肌に優しいのが特徴です。布マスクといえばガーゼのイメージが強いですよね。マスクブームの最中はとにかく入手が難しかったダブルガーゼも今では落ち着いて入手ができるようになってきました★
【オススメのガーゼ生地】
コットン100%なので柔らかさも触り心地も完璧!通気性も高いのでマスクでも息苦しくありません。
マスクの供給不足により、最近は元々のマスクメーカー以外もマスクの生産を始めているのをご存知でしょうか?
毎日消費するマスクだからこそ、少しでも困っている人に届けるために、企業単位で協力してくれているのです。
最後に布マスク作りの事例をご紹介します!
下着メーカーの「ワコール」は、肌に当たる下着作りの技術を活かし、布マスクの生産を始めました。
海外グループ企業「タイワコール」は、タイ国内でのマスク不足を受けて、下着生産の一部をマスク作りに転換。
ビビットピンクの布マスクは下着と同じ素材が使われていて、洗えば繰り返し使えるのです。
また、老舗パンツメーカーのパレ・フタバ株式会社繊維製品部「TAKUMIBA」では、下着のように付け心地がよく、伸縮性の高いマスクを生産し、初回ロットはすぐに売り切れたのだとか。
このマスクには編み物と織り物のいいとこ取りをした「トリコット」という伸縮素材を使用しているそうです。
大手下着メーカーはその技術をそのままマスク生産に活かせるという強みがあるんですね。
京都府の川俣町にある製造販売「ミツフジ」では、いちはやくマスク生産に取り組み、3月17日からマスクの販売を始めました。
テキスタイルの繊維ではなく銀メッキ導電性繊維を作っている会社ですあ、繊維作りの技術はマスクにも転用できるということがわかりますね。
またちょっと変わった事例として、大手繊維機械メーカー「島精機製作所」では、ニット編み機でマスクを生産するプログラムを開発し、その作り方を顧客の企業向けに公開しています。
それを受けて奈良県にある靴下メーカー「レッグニットクリス」は、「島精機製作所」のプログラムを活用してマスクの生産を開始。
マスクのフィルターも作っていたため、そのフィルターを加えて抗菌作用の高いマスクを作るようです。
個人で布マスクを作ったり、作ったマスクを販売・配布したりする人も増えてきました。
マスクの品薄が続き価格が高騰したり、転売されていたりというトラブルもありましたが、個人クリエイターから販売されている布マスクは良心的な価格です。
そして何より、一度必要な分を購入すれば洗って繰り返し使えるため、後から買い足す必要もありません。
例えば、minneで「布マスク」と検索すると鮮やかな花柄や明るい柄の布マスクがたくさん見つかります。中には子供向けのサイズも!
一方でCreemaは大人向けの落ち着いたデザインがたくさんありました。
どれも1枚で1000円以下、セットでも2000円以下の良心価格。
個人クリエイターが作った布マスクを参考に、生地選びやマスク作りをしてみましょう!
マスクを作るために抗菌作用のある生地を、わざわざ外出して買いに行く必要がありません。
誰でも家にオックス生地、ブロード生地などが眠っているはずですし、通気性が良ければもう着ない服を切って、生地にしてもOK!
あなたの身近にある生地で布マスクを作って、大切な人の健康を守りましょう!