ホーム > テンセルやモダールってどんな生地?エコロジーな生地を製造するレンチング社の魅力と合わせて解説!
2020.3.10
物が溢れる時代の産業廃棄物や家庭ゴミの増加に、地球の汚染や環境破壊…現代の私たちは、地球環境に関するたくさんの課題を抱えています。
「できるだけ地球思いでエコロジーな生地を作り、世の中に普及させたい」
そんな理念を持ってテキスタイルを製造しているのがレンチング社です。
今回はレンチング社の取り組みや魅力を、レンチング社代表の生地「テンセル」と「レンチングモダール」の2つの側面からご紹介していきます!
目次
レンチング社(Lenzing)は正式には「レンチング・ファイバーズ社」というオーストリアの繊維メーカーです。
テンセルやモダールといった環境に優しい繊維・生地の開発や製造がメインビジネス。
オーストリアを中心としたヨーロッパや欧米、中国、インドネシアなどに工場や支社を持っています。
日本に工場はありませんが、大阪にレンチング社のオフィスを構えており、日本にもレンチング社製造のテキスタイルが輸入されています。
レンチング社が誕生したのは1892年のこと。
パルプ材を使った紙資源の製造からスタートしました。
しかし第二次世界大戦を切り抜けた後、森林や地球の資源は有限だということに気付き、エコロジーな製品を作ることにしたのです。
そこから誕生したのが、何度でも再生可能な「テンセル」と自然由来で極上の快適さを誇る「モダール」などです。
現在は世界各地に工場や支店を置いて「レンチンググループ」と呼ばれ、引き続き環境に優しいエコロジーな生地や製品を生み出し続けています。
これらのロゴは、レンチング社の製品であることを表すロゴです。
衣類だけに限らず、家庭で使用するファブリック製品、美容製品なども開発しています。
2018年には「feel so right」(自分らしさが心地いい)というテーマで、日本の女優末広涼子さんをモデルにしたキャンペーンを行いました。
このキャンペーンにより、テンセルのブランドイメージを個人消費社にまで浸透させました。
レンチング社はただ環境に優しい繊維やテキスタイルを開発・販売するだけでなく、ユーザーがレンチング社の商品を使用することで、環境を守る活動に参加できるように呼びかけています。
上記のブランドロゴを覚えておくとすぐにレンチング社の製品だということがわかるため、環境保護に意識して取り組んでいきたい人はレンチング社の製品を積極的に選ぶと良いですね。
レンチング社の代表的な製品といえばテンセル。
ちなみに「テンセル®」はレンチング社の登録商標です。
ポリエステルのような合成繊維とも、コットンのような天然繊維とも違う「再生繊維」と呼ばれるテンセルですが、どのようにして環境保護に貢献しているのでしょうか?
テンセルはユーカリの木材パルプを原料としたセルロース繊維です。
原料となるパルプは植林管理された地域から伐採され、溶剤で溶かし繊維にされます。
そこで使用した溶剤はそのまま廃棄するのではなく、99%以上が再利用されるのがポイント。
そして繊維から糸へ、糸からテキスタイルに姿を変え、洋服などの製品として市場に並びます。
それでは、役目を終わった製品はどうなるのでしょうか?
実は使用後の製品は分解されて、もう一度自然に還ります。
そして次なる原料の木材パルプを生み出して、環境を循環させていくのです。
レンチング社のテンセル生地の魅力を広めるインスタグラムアカウントがあります。
このアカウントではテンセル生地を使ったエコロジーなアイテムを紹介しているだけでなく、パルプ、繊維、そしてファブリックになる過程も、実際の画像を見せながら紹介。
サスティナブル(持続可能)な繊維・生地であることをわかりやすく伝えてくれるので、環境保護に取り組みたい人はぜひチェックしてみると良いでしょう。
それでは、テンセル生地は具体的にどんなアイテムに使われているのかを見ていきましょう!
下着ブランドのワコールでは、テンセルを使ってこちらのタンクトップのような肌触りの良い製品を作っています。
肌に馴染むような付け心地になるので、下着や肌着にオススメです。
こちらはテンセルとカシミヤを混紡したストールで、とても美しい発色が特徴。
テンセルもカシミヤも高級感のある素材ですから、他との差別化に向いています。
環境に優しければ肌にも優しい素材のため、赤ちゃんのアイテムにも使えるのがテンセル生地の魅力。
赤ちゃんはあっという間に成長するため大人よりも製品を使い終わる期間が短いです。
使い終わった製品は捨てずに再利用できるため、安心して選べますよね。
レンチング・モダールとは、ヨーロッパ北中部地方のブナ木材を使って作られたレンチング社オリジナルの繊維のこと。
木材から原綿まで一貫して生産管理されているため、産業廃棄物を減らしているのがポイントです。
テンセルと同じセルロース繊維ですが、よりソフトな肌触りを実現しています。
現在レンチング社は「テンセル」と「レンチング・モダール」の2つを、テンセルブランドとして一本化しています。
レンチング・モダールを使用したモーダル生地の最大の魅力といえば、やっぱりソフトで快適な触り心地です。
羽毛のように柔らかく、「ターボドライヤー」と形容されるほどの吸水性の高さも特徴。
発色の良さや、シルクやウールなど他の繊維とのブレンドのしやすさなど、製造面でも優れた特徴を持っています。
レンチング・モダールはスタンダードなタイプのほか、さらに細い繊維を使ったマイクロタイプ、UVカットされた「レンチング・モダール SUN」などへの展開もあります。
そしてもちろん、環境への配慮も忘れていません。
最近発表された「レンチング・モダール エーデルワイス」は従来の薬剤を見直し、環境にあまり負担のかからない薬剤を使用。
レンチング社の工場で一貫して生産することで、途中で廃棄されるはずの薬剤や排水を回収して再利用しています。
テンセルよりもソフトで快適な着心地を実現するモダール生地は、どんなアイテムに使われているのでしょうか?
モダール生地を使った製品をご紹介します。
こちらのワンピースは、まさにモダール生地のドレープ性を活かしきったアイテム。
見た目からでもわかるようなソフトさ、しなやかさ、そして高級感があり、とても心地よいです。
大人が「心地よい」と感じる肌触りは、赤ちゃんも安心するようです。
肌にも優しい素材ですから、赤ちゃんのおくるみや肌着などにも活用できます!
日本で有名なタオルといえば今治タオルですが、モダール生地のタオルも負けていません。
吸水性の高いモダール生地ですから、触り心地はもちろん使い心地もかなり快適です!
生地問屋YAMATOMIでもテンセル生地、モダール生地を取り扱っています。
「環境に配慮した生地って、どんな感じなんだろう?」
そんな人はぜひ一度、お手に取って確認してみてください!
とっても柔らかく、ドレープ性のある上品な生地です。
肌にどれくらい優しいかは…触ってみると実感できるはずです★
陽に当たると透けるほど薄手でとても柔らかく、洗いざらしのようなナチュラルさが特徴。
涼しげで軽やかな見た目から、SSのスカートやワンピース、トップスにオススメです!
コットンと混紡しており、とてもなめらかでクセになりそうな肌触りの良さです。
吸水性が高くでイージーケアなので、普段使いのアイテムにピッタリ!
マイクロモダールを100%使用し、ソフトでしなやかな生地となっています。
薄手で軽く、通気性も高いです。インテリアやシャツなどのアパレルから、資材などにもお使いいただけます。
レンチング社の製品はとてもエコロジーで、なおかつ快適な着心地や高級感を実現してくれます。
さらにレンチング社は、エコロジーな製品を開発するだけでなく、環境保護の活動を企業や個人消費社にも広めており、まさに地球思いな企業だと言えます。
地球の資源は有限。このまま使い続ければ、数百年後を生きる子孫は貧しい暮らしや紛争を強いられるかもしれません。
私たち1人ひとりが地球を思いやり、レンチング社をならってエコロジーな生地や製品づくりに取り組んでいきたいですね。