ホーム > 「ニット」と「布帛(ふはく)」の生地の違いとは?基本の違いついて解説します
2019.4.2
洋服やファブリックアイテムなどは、大きく分けると「ニット」と「布帛(ふはく)」の2種類があることはご存知ですか?
例えば同じコットンやポリエステルなどの素材を使っていても、作り方によってニットと布帛の2つに分けられるのです。
しかし、「ニット」を知っていても「布帛」という単語を知らない人も多いですよね。
そこで今回は、これら2種類の特徴と違いについてまとめました。
・そもそも何がニットで、何が布帛かよくわからない! ・生地の作り方の違いがわからない! ・ニットと布帛、最終的にはどっちを選べばいいの?
という人は違いを明確にして、生地選びの参考にしてみましょう!
目次
同じ素材を使った生地でも、大きく分けると「ニット」と「布帛」の2つに分けることができます。
簡単に言えばこの2つは「編み物(=ニット)」か「織り物(=布帛)」かの違いです。
では、編み物って?織物って?…もっとその違いについて掘り下げてみましょう。
あなたが今身に付けている服は「編み物」と「織り物」のどちらか区別できるでしょうか?
まずは、それぞれの特徴や作り方を解説します。
まずはニットの特徴と作り方から見ていきましょう。
ニットといえば、秋冬に流行するセーターやカーディガンなどがありますよね。
最近は「サマーニット」といって、薄手で通気性の良い夏用ニットも登場しました。
そんなニット生地ですが、どんな特徴があるのでしょうか?
「ニット」と言うと冬物のセーターや毛糸のくつ下などをイメージしますが、元々は編み物全般を総称したアパレル用語です。
そのため、特定のアイテムや商品を指しているわけではないんですね。
そんなニットの特徴は次の通り。
ニット生地は体にフィットしてとても着心地がよく、繰り返し着る人も多いです。
しかし、何度も着るとどんどん傷んでしまったりくたびれてしまったりするため、安いニットはワンシーズンで消耗してしまうことも多いでしょう。
実はニット生地は1本の糸だけで作られているアイテムが多いです。
ニットは、糸でループ(輪っか)を作り、そのループに引っ掛けてまた次のループを作る…を繰り返していく編み物。
よくイメージするのはセーターやカーディガンなどですが、同じ作り方であればTシャツやインナーなどもニットの種類に分類されます。
上記の特徴や作り方に当てはまれば、ジャージなどの伸縮性が必要となるトレーニングウェアも「ニット」に分類されるので、「ジャージ=ニット」だと思うと意外ですよね。
ニットは冬場のセーターだけでなく、夏場のインナーや一年を通して使うTシャツ、トレーニングウェアなど、実は幅広く使われている、優れた生地なのです。
あまり聞きなれない「布帛(ふはく)」という名前の生地。
聞きなれないのもそのはずで、布帛はあくまで“総称”であり、生地1つ1つにはきちんと名前が付けられています。
そんな布帛生地の特徴と作り方を見ていきましょう!
そんな「ニット」の対義語が「布帛(ふはく)」だと言えます。
布帛とは、タテ糸とヨコ糸を交差させて織っていく織り物の総称のことです。
特徴は次の通り。
このように、布帛生地はニット生地とは正反対の特徴を持っていることが多いです。
ただ、ストレッチ性のある素材を混合することで多少ストレッチが効くようにしている布帛アイテムもあるため、必ずしも伸縮性ゼロというわけではありません。
布帛生地の表面をよく見ると、タテ糸とヨコ糸が交互に入り混じっていることがわかります。
布帛生地は織り物なので、例えばタテ糸とヨコ糸を1本ずつ交互に織ったはオーソドックスな「平織り」が有名ですね。
他にも1本飛ばしで織ったり、2本飛ばしで織ったりなどすることで、織り方によって出来上がるアイテムの風合いや手触り、質感にも大きな差が出てきます。
イメージしやすいのはYシャツやジーンズ、しっかりしたアウター、さらには靴やカバンなどの小物まで。
布帛にも一年を通して着ることの多いアイテムが多いですね。
もっとイメージしやすいように、ニットと布帛の違いを画像でチェックしてみましょう。
まずはこちらの画像を見てみてください。
こちらはニット生地のループ状にした表面です。
1本の糸でループを作り、編み込まれていますね。
実際のニットアイテムはこの上の画像のようになっています。
糸と糸の間にスキマがあり、編み方によってハイゲージやローゲージなど、表面の見た目が変えられるのです。
そして、以下の画像は布帛生地の表面です。
布帛生地はタテ糸とヨコ糸の2本で作られ、上記は交互に織られている平織りの状態ですね。
糸1本で編み上げるニット生地とは異なり、必ず2本以上の糸(ここでは赤と紫)で構成されるのが特徴です。
そしてこちらが実際の布帛生地で作られたトップスで、さらっとした印象があります。
ニットとは違い、生地の表面は近くで見ないと織られている形が見えません。
続いて、Instagramからニット生地、布帛生地のアイテムをそれぞれピックアップしました。
実際のアイテム画像を見てより違いを明らかにし、今後のアイテム作りの参考にしてみてください!
まずはニットアイテムのご紹介です!
おしゃれインスタグラマーは、春夏秋冬の一年を通して上手にニットアイテムを取り入れていました。
こちらは見た目からでもわかるように、トップスもカーディガンもニット素材!
ニット素材は保温性も高いため、特に冬場のセーターや春先まで着られるカーディガンが大人気です。
編み方によってガラリと見た目も印象も変わるため、編み方の種類も覚えて活用してみましょう。
制服にも使われるニットベストは、プライベートの洋服にもよく合います。
夏には「サマーニット」と言って、通気性抜群の薄いニットもあり、体にフィットしつつも涼しく過ごせるアイテムです。
ぜひニットベストやサマーニットもファッションに取り入れてみましょう。
こちらは編み目が細かいニット生地のワンピースです。
ニットワンピースは重さで型崩れしやすいので、編み目を細かくして詰めて編むことで型くずれしにくく仕上げられます。
上品な印象があり、冬はもちろん、春まで長く着られそうですよね。
コットン100%のニットで作られたTシャツはとても着心地が良く、最近は人気が出ているアイテムです。
Tシャツの形も体にフィットしてスッキリ見せられるため、女性も男性もスタイル良く見せることができます。
着たときのシルエットの美しさも、洋服選びをするうえでこだわりたいポイントですね。
服の下に着るインナーもニット生地です。
こちらは肩や胸元にレースがあしらわれ、上に重ねた時にレース部分が見えるような工夫がされていますね。
肌に当たる部分には柔らかく伸縮性のあるニット生地がくるので、着心地も快適です。
ニットアイテムの人気が高いですが、実は布帛アイテムもおしゃれさでは負けていませんよ!
布帛生地には布帛生地の良さがあることがわかるような、素敵なアイテムをご紹介します。
こちらのワンピースはウエストの切り替えラインと、スカートのふんわり感が人気のアイテム。
トップス部分はシワになりにくい素材を混合し、スカート部分は多少シワを出すことで立体感を演出しています。
一枚でさらっと着れるて、なおかつおしゃれになれるのがポイントです。
上品な光沢感のある布帛Tシャツです。
布帛Tシャツは平置きで見たイメージと着たときのイメージがあまり相違ないので、選びやすいアイテムでもありますね。
ニットにはないツヤ感とパリッとしたハリ感がポイントです。
シワのできやすいリネン生地ですが、こちらのパンツはそのシワでさえおしゃれ!
さらりとして涼しげなのも、季節によく合いますね。
夏場でもボリュームのあるパンツが欲しいときは、速乾性に優れたリネン素材で布帛生地から作ってみるのも良いですね。
織り物は生地にプリントしやすいアイテムが多いので、こうした子供服や赤ちゃん用品のプリント生地もおすすめ。
伸縮性のある素材と混合することで多少伸びやすさを実現でき、よく動く子供でも身に付けやすいアイテムが出来上がるでしょう。
ニット生地と布帛生地、それぞれ反対の特徴を持っていることがわかりました。
しかしそれぞれのメリットや魅力もあるため、結局どちらの生地を使えば良いのか迷うこともありますよね。
選び方の基準はいくつかあります。
など
一番良いのが、作りたいアイテムの特色や目的によって選ぶ基準を柔軟に変えていくことでしょう。
また、出来上がったアイテムの雰囲気をイメージして生地を選ぶこともできます。
例えばニットはぬくもりのあるアイテムを作りやすく、布帛はデザインにこだわったアイテムを作るときに使えるのです。
さらに、ニット生地と布帛生地を使ってアイテムを作るとき、ミシンも使い分けるようにしたいところ。
というのも、布帛生地は伸びにくくミシンで縫いやすいですが、ニットはよく伸びるため、ミシンで縫うときに伸びすぎてしまうことがあるのです。
ニット生地を利用するときは安定してミシンを使えるように、ロックミシンを使うのがオススメです。
YAMATOMIではニット生地も布帛生地もバリエーション豊富に揃えています!
あまりにも種類が多いのでこれ!というものをご紹介することは難しいのですが
是非、生地問屋YAMATOMIサイトの検索機能を使って調べてみてください
ニットと布帛の違いがわかった人は、自分が今身に付けている服は「ニット」と「布帛」、つまり「編み物」と「織り物」のどちらか区別がつけられるようになったことでしょう。
アイテム作りをするときには、まずは伸縮性の違いや型くずれのしにくさ、通気性など、アイテムの目的や用途で選んでみてくださいね。
それぞれの違いがわかれば、アイテム作りも楽しくなりますし、作れるアイテムの幅が広がること間違いなしです!