ホーム > 冬によく着るニットのお手入れ方法を解説!来年も再来年も長持ちさせたい!
2018.12.7
11月に入ってから春先の4月頃までの肌寒い季節に大活躍するのがニット素材の服。
ケーブル編みからリブ編み、モヘアなどの編み方から、Vネック、タートルネック、クルーネックなどの首元の形、さらには網目の大きさに至るまで、ニットには様々な種類・形がありますよね。
男性も女性も寒い冬に着る機会が多いニットですが、いざ去年のニットを出してみたらなんだかくだびれてる…なんてことはありませんか?
お気に入りのニットは今年だけでなく、来年も、再来年もずっと着続けたいもの。
そこで今回は、ニットを長持ちさせるためのお手入れ方法を解説します。
「ニット」というのは、簡単に言うと「編み物」のことで、編み物全般のことを指します。
しかし現代では、主に編み物のような織り方をした織物のことを指すことが多いですね。
ニットは1本の糸でループ(輪っか)を作りながら糸を編み込んで作るもの。
編み物をしたことがある人は編み方の種類が豊富だということを知っているかと思いますが、ニットも編み方がかなり豊富のため、世の中にはいろいろな種類のニットが流通しているのです。
ニットに使われている糸の素材も、天然繊維・合成繊維両方ともあります。
天然繊維なら綿・麻・ウール・シルク、合成繊維ならポリエステル・ナイロン・アクリル・レーヨンなど。
様々な種類の素材が使われているため、素材によって手触りも得意な編み方も、そして暖かさまで変わります。
あなたが持っているニット生地は、どんな素材でできているでしょうか?
そんな種類が豊富なニットですが、主な特徴は「伸縮性」「保温性」「通気性」の3つ。
まず「伸縮性」ですが、ニットを着たことがある人ならその生地の伸びやすさを知っていますよね。
そのため、一度洗ってしまったり間違った干しかたをしたりすると、服のサイズが合わなくなってしまうことも。
続いて「保温性」は、ニットと素肌との間に空気の層ができ、着ていると体温がニットの中にこもるため暖かいという特徴があります。
ただし夏場に着るサマーニットは暖かすぎても暑くなるだけのため、綿や麻素材を使って暑くなりすぎないようにする工夫してあるのです。
最後の「通気性」ですが、生地に使われる素材によって通気性の度合いが変わることも覚えておきましょう。
サマーニットは綿や麻、アクリル素材などを使うことによって通気性を高めますが、しっかりと保温したい場合にはウールを使って通気性を弱めます。
ただ、編み物であるニットは網目の間にわずかなスキマがあるため、どの種類でも通気性があるということが言えるでしょう。
種類が豊富で、男性なら柔らかい雰囲気に、女の子なら「モテ」までもが狙えるニット生地ですが、1番デメリットに感じるのはお手入れのしにくさではないでしょうか?
ニット生地は水を通すことで縮んでしまいますし、濡れて重い状態のニットをハンガーにかけるなどして干してしまうと、重力によって生地が引っ張られ、形が崩れてしまいます。
そうなるとせっかく気に入った購入したニットでも、何度も着ているうちに春になればヨレヨレのクタクタに…。
ならば、ニットを長持ちして何年もの冬を一緒に過ごすためにはどうやってお手入れすれば良いのでしょうか?
ニット生地を長持ちさせるお手入れ方法を解説します。
ニット生地の服などを購入するときには、お手入れ方法が書かれたタグをしっかり確認しましょう。
基本的にニットのお手入れはタグに表示されている方法で行います。
ただ、カシミア素材などの自宅で洗えないニットも多く、購入して洗うと1回でダメになってしまうことも。
そんな悲しい事態を避けるためにも、ニット生地を購入するときには「自分でお手入れできるかどうか?」「どこまでお手入れに時間と手間をかけられるか?」まで検討して選びましょう!
ニットのタグを見ただけでは、よくわからない記号が並んでいて理解できないという人もいますよね。
こちらが実際のニットのタグです。
これだけでもたくさんの記号が載っていますが、実際にニットで使われる洗濯記号は41種類もあります!
こんなにたくさん覚えるのはなかなか難しいでしょう。
しかし、これから解説する方法さえしっかり押さえておけばニットのお手入れや洗濯を失敗することはありません。
洗濯記号は覚えておくと他の生地を洗うときにも便利なので、時間があるときに基本から覚えるようにしていくと良いでしょう。
ニットアイテムを購入するときには、洗濯記号と合わせて色落ちしやすいアイテムかどうかも確認しましょう。
ニットの種類によっては色落ちを気にしなくて良いものもありますが、色落ちしやすいアイテムもあるのです。
確認方法もタグを見て「色落ちしやすいため〜」などの表記をチェックすればOK!
また、冬場特に人気のある白いニットは色落ちの心配はいりませんが、逆に他の衣類から色が移ってしまう可能性もあります。
真っ白なニットを大切にしたいなら、色物との洗濯は避けた方が良いでしょう。
今までは「ニット=手洗いする」という概念がありましたが、現代の洗濯機の進化や洗剤の進化によって家庭の洗濯機でもニットが洗えるようになりました。
とはいえ、洗濯機と洗剤に頼りきりでニットを洗っていてもやはり劣化しやすくなってしまいます。
まずは家庭で洗濯できるもの・できないものの基準を覚えておきましょう。
ニットのタグに上記のような洗濯記号の表示があれば、洗濯機の「手洗いコース」「ホームクリーニングコース」「ソフト洗いコース」などで洗濯をすることができます。
(なお、様々な名称があるので自宅の洗濯機を確認してみましょう)
逆に上記のマークに×が付いている記号は洗濯機使用不可のマークなので、家庭の洗濯機では洗えません。
洗濯機で優しく洗える場合でも、可能であれば手洗いするのがオススメです。
手洗いマークは以下のようなマーク。
洗濯機の使用も可能な場合があるので、手洗いマークは「絶対手洗いじゃないとダメ」というわけではなく「手洗いの方がオススメ」という意味。
やはり洗濯機だと服同士の摩擦や、回ることによる絡まりなどが防げません。
特に大切なニットアイテムは自分の手で手洗いをしましょう。
ニットアイテムにはこちらのようなドライマークが表示されています。
しかし、これも手洗いマークと同じで「ドライクリーニングしなければならない」という意味ではなく「ドライクリーニングできます」という意味。
家庭でドライクリーニングはできないためクリーニング店に出すことになりますが、普段は家庭で手洗いし、季節の終わりに押入れに直すときやしっかりキレイにしたいときなど、ドライクリーニングに出すと良いでしょう。
ニットは高熱で縮む特性があるため、ニットアイテムを乾燥機にかけてしまうと一気に繊維が小さくなり、着れなくなってしまいます。
冬場のニットはなかなか乾きづらく大変ですが、乾燥機だけは使わないようにしましょう!
ただ、ウラ技的な方法として洗濯機で普通洗いしたりハンガーで干してサイズが伸びたニットアイテムを、短時間だけ乾燥機にかけることで小さくして元のサイズに戻す、という方法もあります。
しかし、この方法は繊維を傷めてしまう可能性もあるため、本当に大切なニットアイテムのお手入れ方法としてはあまりオススメできません。
ニットの基本の干し方は、ハンガーを使わずに平干しするという方法でした。
しかし、ニットの中にはハンガーにかけてのつるし干しOK のものもあるので一概には言えません。
タグに表示されている洗濯記号を参考に、型崩れしないように干し方も工夫しましょう。
ただ、つるし干しでも平干しでも、両方とも日陰に干すようにしましょう。
ニットを着用し、脱いだあとはすぐにたたんでしまわないようにしましょう。
ニットの中は先ほどまでの体温や湿気がこもっている状態のため、そのままにすると湿気で繊維が痛んでしまうためです。
脱いだあとは10分程度で良いので、ハンガーにかけて中の湿気などを逃すようにしましょう。
ただ、長くハンガーにかけていると型崩れしやすいので注意です。
ニットアイテムにできる毛玉は、摩擦が起こって繊維が別々の方向を向いてお互いに絡み合った結果によるものです。
できるだけ毛玉ができないようにするため、ニットを脱いだあとはブラッシングして繊維の流れを揃えましょう。
ハンガーにかけるさいにブラッシュすればスムーズですし、ブラッシングすることで汚れも落ちますよ。
最後に、ニットは頻繁に洗うアイテムではないということを覚えておきましょう。
ニットを肌着を着らずにそのまま直接着る場合以外、基本的1回着ただけで洗濯するアイテムではありません!
多くの人は、防寒対策もかねてしっかり肌着を身に付けたうえでニットを着ますよね。
ニットは「着たら洗う」ではなく「汚れたら洗う」アイテムなのです。
お手入れするのに手間も時間も気力も必要となるニットですが、冬場のファッションアイテムはニットが主役という人も多いでしょう。
しかしお手入れは大変ですが、ここまで手をかけたニットアイテムは逆に愛おしく感じるもの。
お気に入りのニットアイテムを見つけたら、着て楽しむだけでなく、愛情を込めてしっかりとお手入れしてみてはいかがでしょうか?
1シーズンでニットをダメにしていた人でも、お手入れ方法を工夫するだけで長持ちさせられるのです。