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日本の誇るべき技術!国内の有名な繊維産地を紹介

2025.5.19

私たちの身の回りには海外製の洋服や輸入の織物があふれていますよね。

しかし、実は日本国内にも世界に誇れる技術を持った繊維産地がたくさんあるのをご存知でしょうか?

衣・食・住の中の「衣」を支える国内の繊維産地では、それぞれの特徴を活かした質の高い繊維や織物を作っているのです。

今回は特に有名な国内の繊維産地をご紹介します。

また生地問屋YAMATOMIで扱ってるオススメの生地も合わせてピックアップしてみました!

 

日本三大綿織物産地

まずは覚えておきたいのが、綿織物の日本三大産地。

「これぞメイドインジャパン!」と言える質の高い綿織物を製造している地域です。

 

遠州(静岡)

遠州地方は江戸時代から綿花を栽培しており、綿織物の生産地として栄えてきました。

このとき作られたのが「遠州木綿」と呼ばれ、全国で高い評価を得るようになったのです。

現在は金巾やポプリンといった後染めの綿織物を主に生産しています。

また太番手から細番手まで幅広い素材の生産ができるため、とても汎用性が高く全国で使われているんですよ。

遠州ドビークロス《遠州》

遠州木綿100%で作られた、ナチュラルな風合いのドビークロスです。シャビー感があり、洋装はもちろん和装にもよく合いますよ。

 

三河(愛知)

日本の綿花栽培が発祥した地であり、古くから綿伝来の地として知られ「三河木綿」や「知多晒」など白地の綿織物が有名です。

甚平や手拭い、寝袋、インテリア織物まで、衣料用以外の生産が多いのが特徴。

現代では問屋を中心に、一次加工から最終製品までを地域内で一貫して処理できる産地となりました。

三河木綿マルチストライプ/無地

おしゃれなマルチストライプ生地で、衣類からインテリアまで幅広く使えます。三河木綿を使用して肌触りが良く、しなやかです。

 

泉州(大阪)

泉州地方は元々気候や土壌が綿栽培に向いており、江戸時代から綿織物の生産が盛んでした。

現在も衣服から寝装、シーツ、資材、浴衣、ガーゼ等、多品種の製織を行うため、多くの工場が稼働しています。

日本で初めての毛布が誕生したのも泉州で、元々は輸入品の牛毛布に倣って作ったのだとか。

素材を綿に変えることで中国向けの輸出で成功を収め、大正時代には現代と同じ羊毛布を使う形に変わりました。

 

合成繊維織物の北陸(福井・石川・富山)

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維織物の生産は、福井、石川、富山の北陸3県が全国生産の9割を占めています。

合成繊維は、今や市場に出ている繊維のほとんどを占める素材。

特に長繊維(フィラメント)や編物(ニット)類は、全国の90%が北陸のたった3県で生産されているなんてびっくりですよね。

 

福井県では1600年ごろに絹織物を公儀献上品にするべく品質の改良を行い、絹織物産地としての名声をあげました。

石川県は「加賀絹」の発祥地であり、戦の幟旗などに使われていたのだとか。

富山県も明治以前から、麻・綿・絹などの生産が活発に行われてきました。

 

これらの北陸産地では積極的に最新の技術を取り入れており、これから先も日本の繊維工業をリードしていく産地となるでしょう。

 

トゥインクル・ライト

とても薄く軽い風合いで、光沢感が上品です。撥水機能があり、落ち着いたカラーが豊富!スポーツアイテムやレインアイテム、アウトドアアイテムなどに向いています。

防炎トロマット

程よく柔らかい風合いが特徴のトロマットです。防炎性能があり安心感があるので、資材向け生地やカーテン生地にオススメです!

 

和風生地の繊維産地

日本といえば、やっぱり和風生地が魅力的。

着物や帯に使われるような和風生地の繊維産地もぜひ覚えておきましょう。

 

富士吉田(山梨):着物や帯のシルク織物

山梨県の富士吉田地域は、先染め・細番手・高密度を特徴とする絹織物が有名で、「郡内織物」と呼ばれます。

富士山からの湧水の水質が生産に向いており、織物業を営む上で重宝されてきました。

美しい発色と再現度の高い細やかな色合いで、着物の帯をはじめ、着物の裏地にもぴったりです。

また綿だけでなく合繊やキュプラの製造も行われ、なんと国産ネクタイの4割が富士吉田の生地が使われています。

シープスノー

オーガニック認証農場のコットン100%を使用!起毛をかけてふんわり仕上げており、肌触りが良いのでプルオーバーやルームウェアにぴったりです!

 

京都市街北西部(京都):西陣織

伝統工芸品である「西陣織」とは「多品種少量生産が特徴の京都で生産される先染の紋織物」の総称のことで、聞いたことがある人も多いでしょう。

しかし厳密には「西陣」という行政地域は無く、強いていえば京都市街の北西部を指します。

高級感のある絹織物として有名なだけでなく、海外の観光客がお土産として持ち帰ったり、バイヤーが買い付けに来るなど、人気の高い織物でもあります。

 

丹後(京都):日本最大の和装織物産地

丹後地域は、国内の和装白地の60%を生産する、日本最大の和装織物産地です。

有名なのが、独特のシボ感を持つ「丹後ちりめん」

生地全体に凹凸感があり、しなやかな風合いと美しい彩りで、日本の和装文化に華を添えてくれます。

「丹後ちりめん」の技術は代々受け継がれており、現代ではポリエステルやレーヨンといった合成繊維でも作られています。

 

博多(福岡):献上博多・紋博多

九州の玄関口として有名な博多ですが、実は伝統工芸として愛され続けている織物があります。

伝統的な「献上博多」と、現代的にアレンジされた「紋博多」です。

どちらも厚地の絹織物「博多織」の1つで、たくさんの経糸を使い、細い繊維を撚り合わせた太い緯糸を強く打ち込むことで模様が現れます。

ドレスやバッグにも使われますが、生地の畝によって結んだ帯が緩まないという特性があり、帯としても大活躍してくれます。

 

その他の有名な繊維産地

日本の有名な繊維産地は他にもあり、それぞれが特性を持ちつつ、個性を発揮しながら全国に出荷しています。

 

三備産地(岡山県・広島県):備前・備中・備後

岡山県倉敷市の「備前地区」、岡山県井原市の「備中地区」、広島県福山市の「備後地区」、この3つの地域を総称したのが三備産地です。

備前は学生服、備中はデニム素材、備後がワーキングユニフォームなど、それぞれ異なる分野で繊維製品の生産地として有名。

異なる分野ではありつつも、どれも私たちの生活や仕事に欠かせないものばかり。

あなたの制服やユニフォームも、実は三備産地で生産されたものかもしれません。

1/120 ramie lawn

「備州炭染め 備州柿渋染め」抗菌性・遠赤外線放射・マイナスイオン効果のある炭と柿渋で染めました。手染めしたような染めのムラ感・シワ感・表面感が特徴です★

桐生(群馬):桐生織・ジャガード織物

群馬県と栃木県の県境にある桐生地域は、ジャガード織物では全国有数の生産地です。

実は桐生のジャガード織物は絹で作られた「桐生織」を使っているため、光沢感も発色も美しく、とても高級感のある製品。

京都の西陣と並ぶ生産地になるべく積極的に技術の導入や開発を試み、「西の西陣、東の桐生」と言われるほどまでに成長しました。

オリエンタルシアージャガード

オリエンタルなボーダー柄を繊細な糸使いで薄く軽やかに仕上げました。手織物のようなナチュラルな質感も魅力!ブラウスやボトムスなどの衣料品にいかがでしょうか★

 

湖東(滋賀):近江上布・近江晒

湖東地域は、実は日本最古の麻織物の生産地。

伝統工芸品でもある「近江上布」が有名で、麻でありつつも肌触りが柔らかく、ハンカチやストールなどに使われています。

ヴィンテージ感のある「近江晒」も聞いたことがある人がいるでしょう。

  1. 生地に灰汁をかけながら天日干しを行い、1週間ほどしたら大釜に入れて灰汁で炊き、天日干しをし……。

手間も時間もかけることで、ナチュラルな風合いでさらりとした着心地になります。

【こだわり素材】近江晒を集めました★

 

 

今治(愛媛):今治タオル

「今治タオル」として有名な愛媛県の今治地域は、国産タオルの60%を占めている、日本最大のタオル産地。

今治タオルは晒→染→織の「先晒し先染め」製法で作られており、先に水で晒すことで、柔らかい風合いを実現。

技術として素晴らしいのはもちろん、ここまで全国に今治タオルが広まったのは、ブランディング化の成功だとも言えます。

2006年に経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」として選ばれたことで、全国的に有名な産地かつブランドになりました。

 

愛すべき「Made In Japan」

日本国内だけでなく、世界規模でも「Made In Japan」が品質の高い商品の証として認識されています。

本記事で紹介した他にも、日本国内には誇るべき技術・品質を持つ繊維産地がたくさんあります。

おしゃれの最先端やすぐに手に入るスピード感、安いファストファッションなどについ目が行きがちですが、今改めて日本の技術の素晴らしさに目を向けてみるのも良いかもしれません。

私たちの愛すべき「Made In Japan」の繊維や生地を、もっと活用していけたら素晴らしいですね。


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