ホーム > タフタってどんな生地?美しいドレープを作るタフタ生地の魅力
2022.5.30
美しいラインのウェディングドレス。ドレープが自然に流れて、動くたびにツヤが輝くーー。
そんなウェディングドレスを夢見たことがある人もいるかもしれません。
そんな美しいウェディングドレスに使われているのは「タフタ」と呼ばれる生地です。
タフタは美しい光沢感とドレープを生み出せる生地で、まさに立体的に仕上げるウェディングドレスにぴったり!そのほかにも、レディーススカートやアウター、カバンなど、意外と身近なアイテムにも使われている生地なんですよ。
そこで今回は、タフタの特徴や魅力をお伝えします。「タフタって何?」という人から「タフタって聞いたことあるけど、何に使えるの?」という人まで、この記事を読めば疑問を解消できるはずです!
目次
元々「タフタ(tafta)」という言葉はペルシャ語で「糸を紡ぐ」「ねじって作る」といった意味があります。その意味の通り、タフタ生地は撚糸(ねじった糸)を使って紡がれた生地なのです。
またタフタの表面をよく見ると、よこにとても細い畝(うね)が見えます。これは細いたて糸を密に織り、よこ糸にやや太めの糸を使用してできる畝です。
実はテキスタイルというのは、平面的でフラットのものより、畝などがあった方が光沢感が増すもの。タフタも畝によってツヤを出しているんですね。
「タフタについてもっと詳しく知りたい!」という人は、こちらのテキスタイル事典もぜひ読んでみてください。
タフタ – テキスタイル事典「Fabric Summary」
従来、タフタといえばシルクで織られるものを指していました。しかしシルクでは欠点が多く、また高価で手に入りづらいため、現在はレーヨン・ナイロン・ポリエステル・アセテートなどの素材が使用されています。
どの素材でもシルクと同等のドレープ性、光沢感を出せるのがポイント。中でもナイロンタフタは特に流通量が多いため、手に入りやすいでしょう。
ちなみに、日本で誕生した「琥珀織り」という生地も、タフタと同じ製法で作られました。海外で誕生したタフタと日本で誕生した琥珀織り……同じ製法を使っているなんて、どこか浪漫を感じますよね。
派手な柄の生地や柔らかくて肌触りの良い生地を見てきた人にとって、タフタはどちらかといえば「地味」と感じるかもしれません。
しかし前述したようにウェディングドレスにも使われていることから、実はポテンシャルが高い生地だとも言えます。
ここでは、タフタの3つの魅力を見てみましょう!
タフタはサテンにもよく似ていますが、その手触りは硬質で、柔らかなサテンの手触りとはまったく違います。しかしパリッとしたハリ感があるため、実は思い通りの形に仕上げやすいのが魅力です!
柔らかな生地だとストンと落ちてしまうため、形を出したいアイテムや空気を含ませたいには不向き。対してタフタは、パリッと硬いからこそ、デザイン画通りの形を出せます。
形やディテールが重要とされるウェディングドレスにタフタが使われている理由がわかりますね。
サテンのような柔らかな生地ならドレープも自然に出せますが、硬い生地だとなかなかドレープが出ないのが欠点でした。しかしタフタであれば、硬さとドレープ性を両立できるのです!
タフタの出すドレープも硬質で、柔らかい生地のようにゆらゆらと揺れることはありません。ただ、ドレープの形、大きさ、流れ方などに細かくこだわり、その形を維持できるのが魅力。
プロのデザイナーは、ドレープの流れ方にまで細かくこだわり、設計し尽くしたうえでドレスを作っているというので驚きですね。
タフタは平面的に見えますが、虫眼鏡で拡大して見ると細かなよこ畝があり、実は立体的です。加えて、光を反射するように素材を加工しています。
そのため、タフタは光を反射しやすく、光が当たるたびにツヤが輝くようになっているのです。光の角度によってツヤの見え方・強さなどが違うので、観察してみると楽しいですよ。
そして何より、ツヤがアイテムの立体感を演出してくれることが魅力。
紙に描かれたデザイン画はあくまで平面です。それをハリとドレープで実現し、そしてツヤによって立体感を出すことで、息を呑むような美しいアイテムに仕上げるのです。
そんな魅力たっぷりのタフタですが、実はとてもデリケートな生地でもあります。タフタを扱うときには、次の点に注意してください。
・シワになりやすいが、高温のアイロンは苦手 ・一度シミがついてしまうとなかなか落ちない ・通気性が低いので工夫が必要
タフタのお手入れは、まずレーヨンなどの素材を使っている場合は水洗いできないため、水洗い可能かどうかを先に確認します。
アイロンがけは、高温が苦手なので低温でアイロンをかけること。また水シミも残りやすいので、スチームアイロンではなく、当て布をした上からのアイロンがけがオススメですよ。水性・油性どちらのシミでも、ついてしまった場合はクリーニングで落としてもらうのが一番です。
また通気性は低いため、アウターなど全身を覆うようなアイテムには不向き。どうしても使用したい場合は、吸湿性の高い裏地を使うなどの工夫をしましょう。
アイテムの美しさを強調できるタフタ生地。そんなタフタ生地が向いているアイテムをご紹介します!
やっぱりタフタといえば、ドレスに使いたくなる生地!ウェディングドレスのほかにも、イブニングドレスや、ちょっとしたディナー用のドレスなどにもオススメです。
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ビッグスリーブをこんなに美しく、細かなディテールまで演出できるのはタフタ生地だからこそ!大きめのギャザーを入れて立体的なドレスに。バックデザインにもこだわっています。
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タフタ生地を使えば、ビビットカラーも上品に仕上がります。袖や襟のあるドレスもフォルムをキレイにキープでき、ツヤでさらに豪華に魅せることも★
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子供用のドレスにも、タフタ生地がオススメ。軽量ですが硬めの質感なので、子供が動き回っても形が崩れにくいのがポイント。発表会や撮影会などにぴったりです。
タフタのハリ・ドレープを活かせるスカートやワンピース、ギャザーを作れるのでトップスなどにも向いています。ピタッとしたペンシルタイプよりも、ゆったりとしたAラインタイプなど、裾が広がるアイテムがオススメ!
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タフタ生地を活かし、デザインにも、機能性にもこだわったスカート。タフタ生地には撥水性もあるため、雨の日のボトムスにもぴったりなのです。濡れても形が崩れません!
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袖の細かなギャザー、ウエストの絞り、バックスタイルまで、こだわりが詰まった1枚。立体的なのでボディラインをカバーしてくれることもポイントです!
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タフタ生地はリネンとも共通点があるため、リネンライクなワンピースを作ることもできます。ドレープ性やツヤを活かし、上品な1枚に!
撥水性が高いので、バッグやポーチに使われることも多いタフタ。同じ理由で、傘(雨傘・日傘両方)に使われることもあります。
ここでは、タフタを活かしたアイテムをピックアップしました。
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タフタ生地のハリ感を活かした、フリルの可愛いバッグはいかがでしょうか?メッシュなどの通気性の良い素材と組み合わせるのも良いですね。
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刺繍しやすいのもタフタ生地ならでは。好きなデザインや名前の刺繍を入れたポーチは、世界でたった1つのアイテムになります。ハンドメイドが好きな人にもオススメです!
生地問屋YAMATOMIでは、ドレスやスカートなど、非日常のアイテムから日常的に使えるアイテムにも使えるタフタ生地を取り扱っています。
ドレスらしい白、情熱の赤、深みのある青など、カラーも豊富!さらに柄ものも多数揃えています。あなたの作りたいアイテムに合うタフタ生地をぜひ選んでみてください。
高密度のタフタに微起毛とヴィンテージ加工を施し、ハリ感を残しながらソフトで軽い風合いに仕上げました。UVカット効果と速乾性、接触冷感のデータに優れオールシーズン、様々なアイテムに使用頂けます。
フィラメント糸とスパン糸を使用した、パリッとしたタイプライター生地。比較的シワになりにくく、透けにくく、ハリ感がしっかりしています。
シャンブレーの風合いと形状記憶性を持つ先染タフタ生地。しっかりとしたハリがあり助けにくく、ドレスやスカートにオススメです!
ツヤよりもマット感を楽しみたい人はこちら。マットな表面感で水を滑らせ雨をよける、雨蓑の構造から発想された凸構造によって水滴をすべり落とします。
細番手のハイカウントマイクロファイバーを使用した、高密度ながらもやわらかくしなやかな肌ざわりに仕上げました。クリアな表面感で、やや薄手で重量を感じないほど軽やかな風合いが特徴です。
硬質なハリ、豊かなドレープ、そして上品なツヤにより、贅沢な1枚を作れるタフタ生地。
タフタ生地で作ったアイテムを、ポプリンやフライスで実現するのはほぼ不可能です。「デザインの細かいアイテムを作れる、とても使いやすい生地」だと言っても過言ではありません。
美しく魅せたいアイテムを作りたいときには、ぜひタフタ生地を選んでみてくださいね!