ホーム > 【生地LABO】リネン生地の魅力を解説!生活に欠かせないリネン素材の魅力と取り入れ方
2020.8.18
「リネン」という名称は誰もが聞いたことがあると思います。では、リネンがどんな生地かあなたはご存知でしょうか?
実はリネンとは、太古の昔から使われてきた生地の素材。さまざまな素材が登場した現代でも、生活に欠かせないものとなっているのです。
今回はリネン生地の特徴や生活への取り入れ方などをご紹介します!
目次
リネンとは麻素材の一種です。リネンは亜麻(アマ科の一年草)の茎から紡ぎ出された天然繊維が原料。繊維を糸にし、生地に加工したものがリネン生地です。
亜麻は一度収穫すると連作できません。さらに主に寒い地方で育ちます。そのため貴重な原料でもあるのです。
またフランス語では「リンネル」という名称なので、豆知識として合わせて覚えておきましょう!
リネンの発祥は紀元前8000年にも遡ると言われています。小アジアのユーフラテス川やチグリス川付近で人類最古の繊維として使われ始めました。
紀元前3500年頃にはエジプトでの利用が盛んになり、交易品として出回るようになりました。エジプトでは市民の衣類やミイラを巻く布、神官の神事の際の衣装など、幅広く使われています。
そして現代、リネンの生産地はフランス、ベルギー、ロシア、中国など。日本でも生産されていたものの、合成繊維が広まり始めた1960年代半ばに生産量が激減しました。
そしてその後、2000年頃には「北海道独自の作物にしたい」と生産が再開され、現在は十勝地方や上川地方などで生産されています。
リネン生地のメリットは次の通り。
丈夫な点や使うほど肌になじむ点などを見ると、リネンが生活に欠かせない素材だということがわかりますね。古代から使われてきたのも納得です。
一方で、リネン生地のデメリットにはまず「シワになりやすい」点が挙げられます。伸縮性がほとんどないためです。シワを防止するには、脱水時間を短くして干すときにはパンパンと叩いてかれ干してあげるといいでしょう。
ただ、シワのある様もリネン生地の魅力だと捉えられますよね。
また一度収穫すると5年は再収穫できないため、原材料がどうしても高くなりがち。そんな高級感も含めて、リネンだということを知っておきましょう。
近年は少しでもコストを抑えるために、合成繊維と組み合わせて使う場合もあります。
よく勘違いしやすいのが「麻=リネン」という認識です。「麻=リネン」というくくり自体は間違っていないのですが、厳密に言えば「亜麻=リネン」となります。
実は「麻」はリネン以外にも他の天然繊維も指す総称です。リネンのことを指したいなら「亜麻」と言った方が間違いありません。
では、麻に含まれる他の素材についても知っておきましょう!
ラミー(苧麻):
イラクサ科の多年草。リネンとは違い、年に3〜4回の収穫ができるエコな原料ですが、ゴワゴワ感がありシワもできやすいです。リネンの質を少し落とした代わりに、安価で出回りやすい生地。
ジュート(黄麻):
シナキノ科の植物で「黄麻」という別名にもある通り黄金色の繊維が特徴。起毛立った繊維に保温性に優れ、絨毯やバッグ、コーヒー袋など重いものに耐えるアイテムに使われやすいです。
ヘンプ(大麻):クワ科の一年草。そう、あの大麻(マリファナ)です。現在は一部の地域しか栽培を許可されていません。繊維の太さや長さにばらつきがありチクチクします。ロープの原料となることが多いです。
また、麻生地の日本での表記方法についても注意しなければいけません。
麻には様々な素材が含まれていますが、日本で「麻100%」と表記されていた場合、リネンかラミーのことを意味しています。ジュートやヘンプは表記対象外になっているためです。
ジュートやヘンプを表記する場合「植物繊維」や「植物繊維(ジュート)」といった表記の仕方をします。
丈夫で汚れがつきにくく、ちょっと高級感もあるリネン生地。生活の中ではどう使われているのでしょうか?
ここでは、生活の中での使い方やアイテムをご紹介します。ぜひ取り入れ方の参考にしてみてください!
「リネン」という言葉は、シーツやカバーなどを意味することもあります。それほどベッドリネンに使われることが多い、ということなんですね。
まずはリネンの枕カバー・クッションカバーを見てみましょう。クタッとした感じが「使い込まれた感」があり、ナチュラルインテリアによく似合います。シャリ感が心地良いので、ずっと触っていたくなるはず!
ベッドリネン全体に使った場合、全体のシワやクタッと感が良い雰囲気を出す寝室に!肌触りが柔らかく心地良いうえに、通気性も良いため寝汗でベタベタすることもありません。
インテリアや生活小物にもリネンがオススメ!ラミーと比べると少し値は張りますが、その分高級感があり大切に使いたくなるはずです。
リネンの特徴を活かした小物作りをしてみてください!
ミントグリーンすらもナチュラルに見せるリネン生地。コースターにしてキッチンに置いたり、ハンカチやポーチにして持ち歩いたりなど、きゅんとするアイテムが盛りだくさんです。
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汚れが落ちやすいという特徴を活かして、ふきんにするのもオススメ。何度も洗って使えますし、使うほどに柔らかくなり汚れを拭き取りやすくなるのもいいですね!
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近年では欠かせないマスクにもリネンが使えます。鼻や口に当たる裏地にはコットンを使えば、ゴワゴワ感は気になりません。普段の洋服とのコーディネートもお楽しみください!
リネン特有の風合いやシワ感は、ナチュラル系ファッションに向いています。男女問わず使うことができ、「頑張りすぎない」感が人気なんです。
リネンの心地よさを全身で感じたいなら、ワンピースがオススメ!シンプルながらも味のあるワンピースは一枚でコーデが完成して、シンプリストやミニマリストから支持されています。
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男性にはぜひリネンシャツを。リネンらしい高級感のある素材は、素朴ながらもきちんと上質な印象を与えてくれますね。着心地も文句ありません!
通気性が高く肌なじみが良いため、子供服にもリネン生地はオススメです。さらに汚れが落ちやすいので、食べこぼしにも対応できるのがポイント!こだわり派のパパママ、いかがですか?
YAMATOMIでは多数のリネン生地を取り扱っています!今回はその中でも、特に上質なリネンをご紹介しましょう。
リネンの良さが際立つのはやっぱりパリッとした薄手のローン生地!ナチュラルなカラーも豊富に揃えてあります。アパレルからインテリアまで幅広くご活用ください!
中肉厚でしっかりとしたハリコシがあるシャンブレー生地です。麻特有のシャリ感とナチュラル感が魅力で、春夏のジャケットやワンピースなどに向いています。
リネンが好きだから、真冬でも身に付けたい…そんな願いを実現したのが、こちらのリネンウール生地です。ウールを混紡することで保温性アップ!トップスやパンツ、ワンピースなどにお使いいただけます。
コスパが高く質の良いリネン生地をお探しなら、やっぱりフレンチリネンがオススメです!リネン特有のシャリ感も、涼しげな見た目も人気の理由。アパレルや小物、資材など幅広く活躍してくれますよ。
リネン生地は派手すぎず、かといって素朴すぎず、ちょうど良いナチュラルな生地です。さらに生活のどんなシーンでも活躍してくれる、とても便利な生地でもあります。
リネンとよく似た風合いの麻素材はたくさんありますが、リネン生地はこだわり派のための生地だと言えますね。
ナチュラル志向だけど、アイテムの素材や質にもこだわりたい。そんな人はぜひリネンを使ってみてください!