ホーム > 工業用に使われる生地ってどんな生地?知られざる資材生地の活躍
2020.1.7
私たちのような一般的な消費者が日常的に触れる生地は、洋服やキッチン用品、インテリア、タオルなどの生地が多いですよね。
しかし、もっと広い目で見るとそれ以外でも工業用で生地が使われています。
とはいえ、普段触れる機会がないとどんな生地が使われているのかイメージも難しいかもしれません。
そこで今回は、工業用生地についてご紹介しましょう!
私たちの知らないところで活躍している工業用生地を知ることで、テキスタイルに関する知識を深めていきましょう。
目次
工業用に使う生地をアパレル・インテリア用などに使うと、着心地が悪かったり、扱いにくかったりなどのデメリットがあります。
逆にアパレル・インテリア用の生地を工業用に使うと、すぐに破れたりほつれたり、きちんと役目を果たせなかったりなど、こちらにもデメリットが。
そのため、工業用の生地と普通の生地は違っており、それぞれに適した役割があるのです。
では、どんな違いがあるのかを見ていきましょう。
まずは用途の違いです。
アパレル生地の用途は「着用」や「ファッション」、インテリアなら「快適な生活」や「デコレーション」などに使われますよね。
工業用生地の場合、例えばガムテープなら「粘着」、トラックの幌なら「覆い隠す」「雨風避け」、紐なら「縛る」「括る」など、目的別でかなり広い用途に使われます。
用途が違うからこそそれぞれに適した生地があり、役割を果たせるように用途ごとに最適化されているのです。
また工業用生地とその他の生地では耐久性が大きく異なることも。
一般家庭での使用なら薄手の生地でも問題ありませんが、工業用として機械でガンガン使ったり、雨風に晒されることを考えると、薄手で弱い生地ではすぐに消耗してしまうのです。
よって、工業用に作られた生地は厚みとハリがあり、一般家庭用よりも耐久性が高くなっています。
中には薄手の生地もありますが、それでも破れにくくて丈夫なことには変わりありません。
アウターには撥水加工がされていたり、カーテンにはUV加工がされていたりと、私たちが普段使っている生地も機能性が高まってきました。
ただ工業用生地や資材となるような生地には、撥水加工やUV加工の他に抗菌防臭加工、防炎加工、フッ素加工など、もっと様々な加工がされています。
加工することで加工なしの晒し生地の状態で使うよりも使い勝手が良くなり、耐久性も高まるんですね。
一方で加工すると見た目が悪くなる場合もあるため、見た目が重要なアパレルやインテリア向けの生地にはどうしても使いにくくなります。
アパレル・インテリア向けはそれ専用の、そして工業向けは工業向けの生地と分けることが重要です。
とは言え、一般消費者が使うアイテムにも工業や資材にも使える生地にも、両方で使える生地もあります。
わかりやすいのがアウトドアなどによく使われているテントシートでしょう。
テントシートは外で使う生地のため、様々な加工がされて耐久性も高いです。
もちろんキャンプのテント以外に、トラックの幌やコンテナの上にかぶせる生地としての役割を持たせることもできます。
資材・アパレル・インテリアさまざまな用途に使える生地であれば、一般消費者でも扱いやすいものが多いです。
それでは、工業用・資材用にはどんな生地が使われているのか、具体的に見ていきましょう!
バッグに使われている帆布・キャンバス生地は厚みがあり、糊付けすることで固めの作りになっているのが特徴です。
よって工業用の衣服や靴、名前の由来にもなっている船の「帆」などで使うことができます。
また、パラフィン加工をすることで防水性を高められます。
色染めしやすい一方で色落ちしにくいため、居酒屋さんの暖簾などに使われることも多いですね。
使い込んでいくうちに味が出るのも魅力の1つです。
帆布・キャンバス生地ほどではないですが、オックス生地も耐久性があり工業・資材に向いています。
最初は硬めの生地ですが、何度も使ったり洗ったりすることで徐々に柔らかくなり、肌馴染みが良くなるのが魅力。
一般家庭では子供用の通園バッグなどに使われますが、防汚加工をして工場のエプロンや目隠し・汚れ防止用の掛け布としての用途もあります
プリントをすればおしゃれな一枚にもなりますし、アパレル・インテリア・工業用と幅広い用途で使えるので、アイテム作り初心者にもオススメの生地です。
メリヤス編みの生地は伸縮性があり、工業用生地としての需要も高いです。
例えば軍手は代表的なメリヤス編み生地を使った工業用品ですし、筒状の靴下で足を守る「つつした」にも使われます。
最近の軍手には手の平側にゴムの加工をすることで物をつかみやすくしたり、スマホを操作できるようにしたりと、進化したものもあって便利です。
PVCとは「ポリ塩化ビニル」のことで、いわばビニール製の生地のことですね。
耐水性、耐久性を始め、耐アルカリ性、電気絶縁性などにも優れています。
ビニール製の生地は必ずしも透明とは限らず、工業用生地としても大活躍!
壁紙からクッション材、ロープ、絶縁材、クッション材などなど、あらゆる場所・場面で使われています。
布や糸のイメージが強いロープがビニル素材で作られているとはびっくりですね!
耐久性が高いPVCだからこそ、ちぎれないロープができたのではないでしょうか。
コーデュラ(CORDURA)は生地ブランドの名前のことですが、コーデュラ生地も工業・資材用として使われることがあります。
ナイロンの7倍もの強度をもち、水を弾くので、防水・耐久性にかなり優れているコーデュラ生地。
生地の厚さもデニールによって変わるため、用途ごとに選べるのもポイント。
ワークウェアや靴、ケースなどのほか、防弾チョッキや軍事用ボディーアーマーにも使われているんですよ。
軍事用にも使われるほどの生地ですが、おしゃれな一面もあるのでアパレルにも使えちゃいます。
生地問屋YAMATOMIでも、アパレル・インテリア用の生地の他に、工業用や資材向けに使える生地を多数取り扱っています。
工業専用はもちろん、アパレル・インテリアなどにも併用できる生地もあるため、どんな用途に使うかまだ迷っている人もぜひチェックしてみてください!
それでは、YAMATOMIオススメの工業用生地をご紹介しましょう。
色染めしたキャンバス生地は、ナチュラルで素敵な雰囲気がありますね。
パラフィン加工がしてあるので防水性にも優れており、屋外で使うための資材にもオススメです!
色落ちしにくいだけでなく、撥水性と帯電防止機能もある高性能生地です。
資材やアウトドア用品、インテリアなどにお使いいただけます。
PVC素材とポリエステルで作られた帆布生地です。
綺麗な発色とマットな見た目が特徴。防水性が高いので資材に使いやすいですよ。
帆布にタールを塗って防水性を高めたターポリン生地です。
防水シートや水兵の水着などにお使いいただけます!
アパレルやインテリアなど、今まで目に見える範囲でしか生地を見ていなくても、工業用として様々な生地が使われていることを知ると「生地って奥深いんだなぁ」としみじみ感じますね。
そんな陰の立役者である工業用生地は、見えないところで活躍して私たちの生活を支えてくれています。
自分が思っていたよりも生地は私たちの日常に根付いていて、人類の進化を助けてくれたのです。
これからは工業用生地の存在を頭の片隅に置きながら生活してみると、また新たな発見があるかもしれません。