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「P下」って何?製品染め用の無加工生地について学ぼう!

2019.12.17

テキスタイルショップなどで「P下」と表記された、晒し生地を見たことはありませんか?

市販の布を使ってアイテムを作っている人はあまり馴染みのない生地かもしれませんが、実はテキスタイルメーカーや製造に携わる人ならよく知っている生地です。

今回はP下生地について、詳しく解説していきます!

P下生地って何?

「P下(読み方:ピーした)」とは「プリント下生地」の略です。

プリント用に使う生地を晒して無染色で仕上げ、加工も何もしていない状態の生地のことを指します。

プリントの下地として作られているため「すぐにプリントできる生地」と言い換えてもいいですね。

名称は他にも「P下晒」や「下晒し生地」とも呼ばれることもあるので覚えておきましょう。

出来上がったばかりのP下生地には、形を整えるために糊がついていたり、金属片がついていたりします。

しかしこれらは洗いの工程で落ちるため、特に気にする必要はありません。

P下生地の特徴

では、P下生地ってどんな特徴を持っているのでしょうか?

・カラッとしたドライタッチ

・硬い風合い

・帯電防止の樹脂をつけてないので静電気が起きやすい

ちなみに、染色をせず帯電防止の樹脂をつけたものは「OFF」と呼ばれ区別されています。

要するに、P下生地はまったく何もしていない状態の生地ということになるんですね。

市場に出回っている生地は色や柄がついたり柔らかかったりしますが、これはすぐに裁断して使えるように何かしらの加工を済ませているんですね。

また風合いはドライタッチで硬いですが、染色の際、染色機に揉まれることで柔らかな風合いに様変わりしますよ。

OFF生地との違いをもっと詳しく

P下生地もOFF生地も、両方とも染色していない生地であることに変わりはありません。

しかしOFF生地には静電気防止の樹脂加工や柔軟加工がしてあるため、何の加工もせずまっさらな状態のP下生地とはまた別の分類になるのです。

OFF生地は「生成り」とも呼びますが、この名前なら聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

生成り(OFF生地)は縫製するときに使いやすいため、染色せず生地本来の色味でアイテムを作りたいときに選ぶと良いでしょう。

どんな素材でできている?

P下生地は硬い風合いですが、実はコットンや麻などで作られることが多いです。

他にもレーヨンなら少し柔らかめの風合いに、ポリエステルならより耐久性が高い生地に、ポリウレタンを混ぜたら伸縮性のある生地に仕上がります。

「P下生地は〇〇素材!」と明確に決まっていないんですね。

布プリントをする際には、プリントにあった布や生地に合ったインクなどを選ぶ必要がありますが、P下生地ならほとんどのプリントやインクに対応可能なのです。

P下生地を染色後はそのまま縫製に使うため、P下生地を選ぶときには作りたいアイテムからどの素材が適しているかを考えて選ぶと良いでしょう。

 

なぜP下生地が必要なのか

「生地にプリントするだけだったら、普通の無地の生地も使えるのでは?」と思いますよね。

しかし市場に出回っている生地は、まっさらな無地に見えてもすでに何かしらの加工がしてあります。

樹脂加工や柔軟仕上げをしてあると、プリントしても色が綺麗に残らないか、洗濯や摩擦、汗などによってすぐにプリントが落ちてしまうのです。

そのため、プリントする際はP下生地を使うことが推奨されています。

プリントの後に樹脂加工や柔軟仕上げをすることで色の持ちも良くなるため、順番が大事だということですね。

プリントのやり方

P下生地は頭文字の「P」からもわかる通り、プリントするために作られた生地。

そのため、活用法はズバリ「プリントすること」に他なりません。

ただ、プリントにはスクリーンプリントやロータリープリント、インクジェットプリントなどの種類があります。

 

スクリーンプリント:パネル状のスクリーン版に色をつけ、ハンコを押すようにプリントする。ランダム柄や派手な柄にぴったり。

画像引用・参考:https://www.fiq-online.com/

ロータリープリント:円すい形のシリンダーに色をつけ、生地の上をコロコロ周りながらプリントする。ストライプ系のデザインにぴったりで、切れ目がないため、なめらかなプリントが可能。

画像引用・参考:https://www.fiq-online.com/

インクジェットプリント:紙のプリンターと同じ仕組みで、生地にインクを吹き付ける。より多くの色を同時に使うことができ、PCで作成したグラフィックなどもプリント可能。

画像引用・参考:https://www.fiq-online.com/

 

P下生地はどんなプリント技法でも綺麗に残りますが、特にインクジェットプリントで使われることが多いです。

インクジェットプリントならPCでデザインしたグラフィックや複雑なデザインも再現でき、色の制限もなく、さらに版も不要、発色が綺麗…とメリットが多いため、最近特に人気のプリント技法となっています。

P下生地はそのままでは使えない?

では、何の加工もしていないP下生地をそのまま使うことはできるのでしょうか?

やろうと思えば不可能ではないのですが、P下生地はとても硬く静電気もおきやすいため、縫製するときなどは手にまとわり付いて厄介です。

縫製せずにそのまま使う!というときでも、ホコリが付着しやすいためあまりおすすめしません。

やはり染色をしない場合でも、使いやすくなるような加工をしてあるOFF生地を選ぶのが良いでしょう。

 

P下生地を手に入れるには?

運動会や文化祭などのシーズンになると、オリジナルアイテム制作の需要が高まります。

また、オリジナルデザインのTシャツなどを作って販売したい人も増えていますよね。

昔はメーカーくらいしかP下生地を求めていませんでしたが、最近は個人や小さな団体でもP下生地を探す人が増えてきました。

では、P下生地ってどこで手に入るのでしょうか?

実は、普通のテキスタイル店やハンドメイド店に行ってもすでに加工された生地ばかりで、P下生地は販売されていないことがほとんどです。

そこで、P下生地を購入したいときには個人向けや一般消費者のテキスタイル店ではなく、企業向けやより大きめのテキスタイルメーカー、もしくは問屋などで購入することをオススメします。

企業向けだと最小ロット数が大きいお店もありますが、最近は個人向けにも販売を始めているメーカーや問屋も増えているので、ぜひ探してみてください!

 

YAMATOMIオススメのP下生地

生地問屋YAMATOMIでは、個人の方でも購入できるP下生地をバリエーション豊かに取り扱っています。(もちろんビジネスや企業向けでもOK!)

そこで、YAMATOMIオススメのP下生地をピックアップしました!

あなたのプリントしたいデザインや作りたいアイテムから、ぴったりのP下生地を探してみてください★

 

25リネンクロス・CC加工

しっかりとしたハリとシャリ感のあるP下生地です。

リネン100%のP下生地なら、プリント後もリネン独特の風合いを楽しむことができます★

 

14リネンキャンバス

キャンバス生地用のP下生地なので、しっかりとした硬さがあるのが特徴です。

プリントや染色をして、お気に入りのデザインに仕上げてみてください!

 

20綿麻50/50ローン

コットンとリネンの混紡生地は、程よい硬さや風合いになっています。

プリントしてもソフトな仕上がりになるため、インテリアやアパレルに使いやすいですよ。

 

プリントからデザインしたいならP下生地を使おう

布を使ったモノ作りをする人は、すでに色や柄がついた“完成系”の生地を使ってアイテムを作っているかと思います。

しかし「もっとこんな色だったら」「こんな柄だったらいいのに」と思ったことはありませんか?

生地のプリントから自分でデザインしたい…そんなときはP下生地を使って、好みのデザインをプリントして縫製に使ってみましょう!

よりオリジナリティの高い、世界で1つだけのアイテムに仕上がること間違いなしです★


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