ホーム > 民族の象徴!?おしゃれなタータンチェックの歴史と魅力とは
2019.12.10
秋冬になるとよく見かける柄といえばタータンチェック。
春夏に見かける涼しげでシンプルな普通のチェック柄と異なり、温かみがあってより派手さがありますよね。
そんなタータンチェックは、実はとある国の民族の間で生まれた柄だってご存知ですか?
今回は現代でもおしゃれな柄として使われているタータンチェックの歴史や魅力についてご紹介します★
目次
タータンチェックとは、色や太さの違う帯を複数重ねてデザインされたチェック柄です。
ただの「チェック」ではなく「タータンチェック」と呼ばれるようデザインにするには一定の基準がありますが、作り方はだいたい上記の通り。
難しいデザイン技術は必要ないため、自分でも色と帯を組み合わせてタータンチェックをデザインすることができます。
とても単純なデザイン方法ではありますが、色や太さ、並べ方を変えることでまったく雰囲気の異なるデザインにできるのが魅力です。
日本では「タータンチェック」と呼ばれることが多いですが、海外では「タータン(Tartan)」だけでも通じますよ。
秋冬によく見かけるタータンチェックですが、使われているアイテムはマフラーや手袋、帽子など、まさに秋冬向けのアイテムが多いのではないでしょうか?
タータンチェック生地は先染めのウール糸を綾織にした織物のことを指すこともあります。
ただ「タータン」はあくまで柄の名称として使われるため、ローン生地やジャガード生地のように「絶対にこの作り方でできた生地じゃないといけない」ということはありません。
コットンのシャツでも、ポリエステルのパンツでも、色と太さの違う帯を組み合わせたものなら「タータンチェック」になります。
そのデザインになるなら、生地の素材などは気にしなくても良いでしょう。
タータンチェックはよく秋冬に見かけますし、あの「ハリスツイード」の生地でもよく使われている柄ですよね。
参考:秋冬に使いたい!HARRIS TWEED(ハリスツイード)が愛される理由とは
また、日本でも女子学生のスカートの柄としても使われています。
そんなタータンチェック生地が生まれたのはスコットランド。
キルト(スカート型の衣装)を履いた男性がいる国です。
このキルトは見た目にはスカートなのですが、日本の着物はワンピースではなく着物でしかないように、民族衣装のキルトはキルトでしかありません。
このキルトの柄こそがタータンチェック。
寒さの厳しいスコットランドらしい、暖かみのあるデザインになりました。
他国では「男性がスカートを履く」とバカにされることもありますが、スコットランド人はキルトに誇りをもち、キルトを履いている男性はエレガントでセクシーな男性の象徴だったのです。
スコットランドは「キルト(民族衣装)」「タータンチェック(柄)」「ハリスツイード(生地)」という、テキスタイルに関する3つの伝統が生まれた国なんですね。
スコットランドはイギリスの構成国の1つですが、実は「イギリス」と言っても4つの国から成り立っています。
イングランド、ウェールズ、北アイルランド、そして最北端のスコットランドです。
今でこそイギリスの一部となっていますが、1707年の合同法によって「グレートブリテン王国」ができるまでは、独立した1つの国家だったんですよ。
スコットランドのキルトやタータンチェックは眼を見張るものがあり、合併した今ではイギリス全土で用いられ、私立学校の生徒や王室の警備隊も身に付ける伝統衣装・デザインになりました。
日本の学生のタータンチェック柄のスカートも、スコットランドから伝わってきたものです。
実はタータンチェック柄は家紋のようなもので、様々な種類があります。
世界には約7000ものタータンチェックが存在すると言われていますが、すべてのタータンはスコットランド政府の登記局「スコットランド・タータン登記所」にて登録・管理されています。
この登記所では、タータンチェック柄をスコットランドの伝統的なデザイン、織物として保護、管理しているため、タータンチェック柄はハリスツイードと同様に国に守られている柄なのです。
日本国内や海外に行く時には、ファッションの一部として身に着けても問題ないため、タータンチェック柄でおしゃれを楽しめます。
ただし、登記されるほど重視されているタータンチェック柄ですから、スコットランドに行く際には注意をしなければいけません。
伝統を重んじるスコットランド人は伝統以外のファッションタータンを嫌っていたり、勝手に家紋のタータンチェック柄を身に付けられていると気分を害したりする人もいます。
スコットランドではタータンチェック柄を身に着けないか、身に着けるにしても現地の人とよく相談した方が良さそうです。
それではタータンチェック柄にはもっと具体的にどんなデザインのものがあるのでしょうか?
ロイヤルタータン
ロイヤルタータンは王室や貴族が身に着けたり、近衛兵の制服に使われたりする伝統のタータンチェック柄です。
よく見かけるデザインでもあるのではないでしょうか?
メインカラーは赤で、緑や白の細い帯が並んでいるのが特徴です。
クランタータン
クランタータンは日本で言う家紋と同じで、その家ごとにデザインが異なります。
ロイヤルタータンに近いような赤を基調としたタータンチェック柄も多いですが、よくよく見るとデザインが違うのがポイント。
スコットランドでロイヤルタータンを身に着けることは、その家族として認められることでもあります。
メモリアルタータン
お葬式や結婚式などの「儀式」で使われるのがメモリアルタータンです。
落ち着いた色味やコントラストが弱いものが多いですが、暗い色も明るい色も存在します。
控えめのデザインは日本でもワンピースやスカートなどにして、儀礼の場で着用できるようになっています。
ドレスタータン
従来、キルトやタータンチェック柄は男性のものでしたが、時代が進むにつれ女性もタータンを着用するようになりました。
そんな女性のために明るめに作られたのがドレスタータンです。
家紋のタータンチェックに太いホワイトラインを入れることでフェミニンに仕上げ、女性でも正装時に着用します。
ミリタリータータン
王族の近衛兵は王室の象徴としてロイヤルタータンを身に付けますが、軍はミリタリータータンを使用します。
軍隊によってデザインは若干異なりますが、緑と黒をベースにしたものが基本です。
別名「アームタータン」や「ブラックウォッチ」とも呼ばれていますよ。
ディストリクトタータン
ディストリクトタータンとは、その地方や地域に根付いたタータンチェック柄のこと。
スコットランド以外の国や州でもその土地特有のタータンチェック柄を持っており、例えば上記の画像はカナダの「ダークメープル」と呼ばれるデザインです。
タータンチェック柄がいかに世界に広まっているかがわかりますね。
バーバリークラシックチェック
日本でも人気の高い「バーバリー(BURBERRY)」はイギリスで生まれたブランドです。
バーバリーといえば、キャメル色をベースにして黒・白・赤で構成された清楚な印象のデザインで有名。
これもバーバリーを象徴するタータンチェック柄なのです。
生地問屋YAMATOMIでは、おしゃれなタータンチェック柄の生地を多数取り揃えております!
秋冬に揃えたくなるものから、季節問わず使えるものまでご紹介しましょう。
タータンチェックのハリスツイード生地です。
落ちついた色合いで、汎用性の高さは間違いなし★
カワイイ配色で暖かいシャギータータンチェックの生地。
カラーやデザインのバリエーションが豊富です★
私立校の制服に使われているような、お上品なタータンチェック柄。
コットン素材なので季節を問わず、様々なアイテムにお使いいただけます!
落ち着いたクラシックなデザインの多色ジャカードの生地です。
適度な肉感とハリ感があり、長いシーズン使っていただきやすい商品です。
今まで「なんとなく」で選んでいたタータンチェックですが、歴史や意味合いを知るとこだわりのデザインを選びたくなりますよね。
また、色・太さ・配置の違いでオリジナルのタータンチェックも作れるため、自分だけのデザインに挑戦してみるのもオススメです!
タータンチェックの魅力を知った今なら、きっと生地選びも楽しめるはず。
あなたのお気に入りのデザインを見つけてみてください!