生機(きばた)って……なに?生機の特徴について解説
2019.12.5
「生機(きばた)」……って聞いたことありますか?なんかの機械か?布の名称か?
今回はそんな「生機(きばた)」の秘密に迫りたいと思います!
アパレル関係の方やハンドメイドなどで布を扱う方は必見ですよ!
「生機(きばた)」とは?
「生機(きばた)」とは、布生地の状態のことで、染色や仕上げ加工をする前の布生地を指します。
実は衣類や小物などに皆さんがお使いいただいている布生地の仕上げ加工をされる前の状態は、糊が付いたままであることが多く、手触りはバリバリとしていたり、ゴワゴワと硬かったりします。
しかしこれには理由があり、さらに加工で織る必要がある際などのために、取扱いがしやすいようにあえて糊をつけているからなのです。
加工後、処理として糊抜きや汚れを取り除き、漂白・染色・特殊加工などを経てから、あのおなじみの生地として販売されているのですね。
もしも購入した生地が生機だったら?
生機の状態で購入すると、すごくバリバリ&ごわごわしています。なかなか慣れていないとその状態で取り扱うのは難しいかもしれません。
しかし、生地販売店ではごく稀に、加工処理前の生機を販売していることがあります。すごく気に入って購入したけれど生機の状態だった場合、どうすればいいのでしょうか?
実は生機はお家でも糊抜きの処理をすることができます。
- 1、たらいなど、生機の生地が十分に入るうつわにぬるま湯をためてください
- 2、ゆっくりと糊を押し出すように押し洗いをします
- 3、糊が抜けお湯が白くなってきたらまたお湯を変えて、何度か繰り返します
- 4、白く糊が出てこなくなったら水ですすぎ、洗濯機で脱水をすれば完了です
工場で生機の加工はどうやっているの?
おうちでもカンタンに糊抜き処理ができることがわかりましたが、通常、工場などでは加工処理はどのように行っているのでしょうか?
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1、ミシン掛け
- まずはミシン掛けを行います。こま切れになっていると処理がしづらいのですべてつなげて大きな生地にします。
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2、毛焼き
- 次に毛焼きです。加工前の生機は、たくさんの短い毛が飛び出ていることがあります。手触りが悪くなってしまいますので、火で加熱したりや電熱で焼いたりして短い毛を取り除いていきます。
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3、糊抜き
- そして糊抜きです。糊が付いた状態のバリバリ&ごわごわを取り除くために、酸化糊抜き剤や酸素系糊抜き剤を使用して洗っていきます。
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4、精錬
- 続いて精錬です。アルカリ系の液体や界面活性剤の溶液に浸し、一時間ほど蒸すことで付着しているワックスや機械油などを取り除きます。機械油がついていると、このあとの染色がうまくいかないのでここでしっかりと落としておきます。
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5、漂白
- そして漂白です。綿繊維に含まれる色素不純物などを目立たなくしていきます。
- 最後に、シルケット加工・特殊加工など、最終的なコーティングのような生地ごとの仕上げを行っていきます。
想像以上に生地が世に出るまでにはさまざまな工程を踏んでいるんですね!
生機を購入したい!そんな方へのオススメ生地
ここまで読んで頂き、「生機を使ってみたい!」と思った方にオススメの記事をご紹介いたします!
まずはこちら。
品番:yt1100
品名:生機11号帆布タタミ糊付き
想像していらっしゃったよりも滑らかだな~と思うかもしれませんね!アパレルやカバン、小物などに使いやすい素材です!
品番:yt1125
品名:生機シーチングタタミ中薄手
この生地は生機のシーチング中薄手タイプ。ヤード単位での販売ですのでご注意ください。かなり薄手なので汎用性が高そうですね!
品番:yt3100
品名:生機シーチングタタミ薄手
こちらは生機のシーチング薄手タイプで、先ほどのものよりさらに薄手。同じくヤード単位での販売となります。
3つの生地をご紹介しましたが、かなり生機のイメージが変わったのではないでしょうか?
ぜひ、みなさまの作品づくりに、これらの生機を取り入れてみて下さいね!
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