ホーム > 「ウール」にも色々ある!羊・カシミヤ・アンゴラなど獣毛素材の種類
2019.10.29
秋冬に欲しくなるアイテムといえば、ウール素材のふわもこアイテム。
ふくらみがあり、見た目も着心地もとっても暖かいですよね。
しかし、実は私たちが「ウール」と言っている生地には色々な種類があるのをご存知でしょうか?
今回は「ウール」っぽく見えるけど、ウール(羊毛)だけじゃない獣毛生地についてご紹介します!
目次
ウール生地といえば、多くの人がイメージするのが羊の毛でできた生地ですよね。
ふわふわしてふくらみがあるものから、圧縮ウールといったスッキリとした見た目のもの、コットンに見える柔らかなものまで、様々なウール生地があります。
しかし、「見た目がウール生地っぽい=羊毛」というわけではありません!
ウール生地によく似ているけど、他の動物の毛を使っているものから、合成繊維のものまで、様々な素材が使われているのです。
ウール素材とその他の獣毛素材って、パッと見た感じではどれもよく似ていますが、触り心地・着心地・柔らかさ・表情・機能性など、それぞれ特徴が違っているのです。
それでは、より具体的にウール素材や獣毛の種類について見ていきましょう!
私たちがよく聞く「ウール」とは羊の毛を意味しており、獣毛の中ではよく使われている一般的な素材です。
羊の毛をバリカンなどで刈り取り、紡いだものがウール糸。
そしてウール糸で作ったのがウール生地や羊毛フェルトになります。
羊毛と言っても様々な羊の品種があります。
中毛種:ハンブシャー、サウスダウンといった種類の羊毛で、比較的繊維が短いもの 長毛種:リンカーン、ボーダーレスターといった種類の羊毛で、繊維が長く光沢のあるもの 雑種羊毛種:コリデールなど、より上質なウールが取れるように交配した羊の羊毛
それぞれ触り心地や光沢感など違っていて面白いですよ。
ウール生地そのものが空気を含んでいるため保温性が高く、秋冬のアウターにぴったりです。
メリノウールも上記のウールと同じ羊毛ですが、「ウール素材」として一番有名なのはメリノウールでしょう。
その名の通り「メリノ種」から取れたメリノウールは、羊毛の中で最も上質と言われています。
メリノウールも細かく分類すると、スペインメリノ、フランスメリノなど世界各地に色々な品種がいますが、世界的なシェア率を誇るのはオーストラリアメリノウール!
細くて白い繊維が特徴で、メリノ以外のウール素材よりも柔らかくて心地よいのが特徴です。
繊維が細くて柔らかいことで、肌に直接触れる衣料でもチクチクしないのがポイント!
高級な獣毛素材といえば「カシミヤ」ではないでしょうか?
百貨店の婦人服売り場に数万円で並んでいる上質なカシミヤニットに憧れたことのある人もいるでしょう。
カシミヤとは、ヒマラヤ原産の「カシミヤヤギ」と呼ばれる品種から取れた上質な獣毛素材のことです。
ウールなどには出せないヌメリ感があり、とても軽くて手触りがソフトでなめらか。
綺麗に整った風合いも美しいため、ニットトップスやマフラーなどによく使われています。
こんなに美しく柔らかな素材であるため、「繊維の宝石」とも呼ばれているのだとか。
「アンゴラ」と呼ばれる素材には「モヘア」と「ラビット」の2種類があります。
まず「モヘア」とは、アンゴラヤギと呼ばれる品種から取れる獣毛のこと。
ふわふわとした細い繊維が特徴的で、モヘア糸をまとめると真っ白な小動物のようにも見えるんですよ。
モヘアも高級素材の1つと言われていますが、その理由は生産量の低さとシルクのような上質な光沢感にあります。
非常に高価になる場合には、ウールやナイロンなどと混紡して使われることも多いです。
モヘアニットは高価な分きちんと高見えするため、一生使うベーシックアイテムとして1つは持っておきたいですね。
「アンゴラ」のもう1つの種類は「ラビット」です。
こちらはその名の通り毛の長いウサギ「アンゴラウサギ(野ウサギ)」から取れる獣毛なのですが、他の繊維と比べると非常に脆く、混紡して使われるのが一般的。
とても軽くて吸湿・保湿性に優れており、こちらも高級素材の1つ。
アンゴラヤギが「モヘア」と呼ばれるのに対し、アンゴラウサギの毛は単に「アンゴラ」と呼ばれることが多いため、それぞれの名前も覚えておくといいですね。
アンゴラはモヘアと比べて、毛足が長いふわふわニットができるのがポイントです。
首が長くて愛嬌のある動物「アルパカ」から取れた獣毛は、そのまま「アルパカ」と呼ばれます。
ウールと同じように保温性・保湿性が高いのですが、何よりも耐久性に優れており、非常に丈夫な獣毛素材なのです。
そもそもアルパカの毛質は「ふわふわ」ではなく、けっこう弾力があり、強いくせっ毛になっています。
比較的安価なのですが、世界に3%しかいない「スーリー種」という品種のアルパカから取れた毛は超高級素材に分類されます。
アルパカ素材で作った生地は強いので、摩擦の多い靴下にもぴったり!暖かさも申し分ありません。
「キャメル」とは、フタコブラクダの毛からできた素材のことで、ラクダらしい赤褐色が特徴です。
毛質はやや硬めで短い繊維なのですが、保温性に優れています。
実はラクダの毛って脱色しても色が抜けないってご存知でしたか?
そのため、染色等はせずにそのままのキャメル色を活かしたアイテムが多いです。
キャメルは軽い素材でもあるため、秋冬アウターにするのがオススメです!
「アクリル」は動物から取れた毛ではなく、化学的に作られた合成繊維です。
合成繊維ではあるものの天然繊維によく似た肌触りや見た目となっており、そして天然繊維よりも耐久性があるのがメリット。
ウールよりもまとまりがよく、扱いやすいという点から、市場にもよく出回っています。
だたし吸水・吸湿性が悪いため、汗をかくとベタつきやすいというデメリットも。
ウールと混紡したり、使うアイテムを選んだりすることによってデメリットをカバーしましょう。
アクリル素材なら耐久性や堅牢度が高いため、染色したりデコレーションしたりしても傷みにくく、デザインの幅が広がります。
ウール以外にもさまざまな特徴を持った獣毛素材がありましたね。
それでは、続いてはYAMATOMIでオススメしたいウール・獣毛生地をご紹介しましょう!
しっかりとした厚みとふくらみがあり、暖かな混紡タスマニアウール生地です。
ほどよくボリューミーで、インテリア、カバン、雑貨などにオススメですよ★
アンゴラウサギの極細の毛をきれいに圧縮し、柔らかくて軽量の獣毛生地にしています。
しっかりと保温されるため、アウターにいかがでしょうか?
アルパカ、モヘヤがブレンドされた素材に丁寧にシャギー仕上げを施すことで、きれいな艶と発色の良さが際立ちました。ふわっと軽い肉感が軽くはおれるコートになります。
ふんわりと暖かいニット生地ですが、その素材はウールだけではありません。
アンゴラやカシミヤなどの高級素材もあれば、アルパカやアクリルなどの扱いやすい素材もあり、それぞれ違った表情があって面白いですよね。
同じウールでも中毛種・長毛種・メリノウールで違った手触りが楽しめるのもポイントです。
ウールや獣毛の種類・特徴を覚えて、あなたが作りたいアイテムのイメージに近い素材を選んでみてください!