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生地の堅牢度とは?布を取り扱うなら覚えておきたい染色堅牢度の知識

2019.10.23

私たちが普段着ている洋服や、いつも使っているタオルやファブリックインテリアなどには、様々な色や柄、模様の生地が使われています。

また、中には何度も洗濯をして繰り返し使う生地も多いでしょう。

そんな色付きで洗濯などの多い生地で重要とされているのが「堅牢度(けんろうど)」です。

今回は、生地の「堅牢度」とはどんなものなのかについて解説します。

「堅牢度」って何?

「堅牢度」とは、簡単に言えば生地の丈夫さのことです。

丈夫さといっても「千切れない」「破れない」といった生地そのものの質のことではなく、色染めやプリントしたときの色落ちのしにくさ(抵抗性)のことを指します。

堅牢度の数値は、堅牢度が低い順に1級から5級まで半段階あり、日本の工業製品に関する規格を決めるJIS規格によって定められています。

つまり1級のものは色落ちしやすく、5級のものは色落ちしにくい生地だということです。

その生地が何級に属するのかは、これもJIS規格によって定められた試験方法によって決まります。

ちなみに、堅牢度は生地だけでなく印刷物全般にも使われていますよ。

生地の色が変化する原因

色が濃い衣類を洗ったら色落ちして薄くなってしまったとか、白物と色物を一緒に洗ったら、白物の色が若干変わったとか、そんな経験はありませんか?

染色やプリントされた生地の色は洗濯だけでなく、様々な原因で変化します。

ここで、色の変化の原因をまとめました。

・家庭での洗濯やドライクリーニングによる色おり

・摩擦におる色落ち

・汗による色落ち

・漂白剤による色落ち

・他生地からの移染や汚染

・食べこぼしなどのシミ

・プリントの剥離

・日光による変色

・塩素水による変色

・蛍光染料の使用による変色

特に家庭で注意したいのが洗濯(漂白剤の使用やクリーニング含む)、摩擦、汗、シミ、日光です。

生地の取り扱いに注意していないと、気付かぬうちに色が変わっていたなんていうことはよく起こります。

特に洗濯での色落ちは「うっかり」が多いため、日常的に着回すアイテムはできるだけ堅牢度の高い生地を選んで色落ちや色移りを防ぐのが大切なのです。

「変」と「汚」

堅牢度についての表記を見ると「変」と「汚」といった表記がされていることがあります。

実は堅牢度には2つの概念があり、「変」は「変退色」、そして「汚」は「汚色」のこと。

変退色は生地の色そのものが変化することで、汚色は色の濃い生地から淡色の生地に色が移る現象のことです。

例えば、堅牢度について次のように表記されていたとしましょう。

変:4

汚:5

この場合変退色は4級、汚色は5級で、他のものに色移りしにくいけれど、生地そのものの色がやや落ちやすいということを示します。

変退色と汚色それぞれで堅牢度が異なる場合がある点にも注意しましょう。

堅牢度検査の項目

堅牢度の検査を行うとき、ただ洗って色落ちや色移りを確認するだけではありません。

複数の検査項目があり、それぞれの項目で「衣類向けか?」「衣類向けじゃないがインテリア向けか?」といった結果が見えてきます。

それでは、詳しい検査項目やその基準を見ていきましょう。

洗濯堅牢度

洗濯堅牢度検査では、洗剤を使用した洗濯によってどれだけ変退色・汚色が起きるかを調べます。

検査機関によって微妙に検査方法が異なりますが、だいたいは次のような条件で検査します。

洗濯液:0.5%のせっけん液

洗濯温度:50℃

洗濯時間:30分

一緒に白無地の生地も洗濯を行い、その後洗濯前の生地片や取り出した白無地と比べて堅牢度を決定します。

摩擦堅牢度

色物のTシャツの色が、白い肌着についてしまったという経験はありませんか?

実は生地は摩擦が起きるだけでも色落ちすることがあります。

摩擦による色落ちを調べるのが、摩擦堅牢度検査です。

検査方法は、色の付いた生地を一定時間、一定の圧力で白生地に擦り続けます。

さらに乾いた状態での検査と、湿った状態での検査を行うことにより、生地が乾いているか?汗などによって濡れているか?といった状態による堅牢度も出すことが可能です。

その結果元の生地がどれくらい変色したか?擦り付けた白い生地にどの程度色が移ったか?をチェックします。

汗堅牢度

人の汗によって生地の色が落ちることもあります。

汗による色落ち具合を調べるので、汗堅牢度検査です。

ただ、実際に汗をかけるのは不潔ですから、汗と同じ成分の人口酸性液とアルカリ性液を用意します。

続いて色生地と白生地をその液体の中に一定時間漬け込み、荷重をかけて人の体温程度まで加熱。

最後に試験前の色生地と比べてどれだけ色が落ちたのか、白生地を見てどれだけ色が移ったのかを確認し、堅牢度を決定します。

水堅牢度

水による色落ちや移色の具合を調べるのが水堅牢度です。

洗濯堅牢度や汗堅牢度と違うのは、洗剤も酸性・アルカリ性の人口液も使わず、通常の水でのみ検査していること。

水の中に色生地と白生地を入れて一定時間漬け込み、荷重をかけて加熱します。

その後元の色生地と比べたり、一緒に入れた白生地の色の変化具合を見たりして、堅牢度を決定します。

 

堅牢度の高い生地・低い生地の特徴

検査項目をご紹介しましたが、実際のところ堅牢度の高い生地・低い生地ってどんなものかイメージしにくいですよね。

そこで、それぞれの特徴をご紹介しましょう。まずは、こちらをご覧ください。

堅牢度が高い:ポリエステル系

堅牢度が低い:天然繊維、ナイロン系

ポリエステル系の繊維で作られている生地は丈夫で、堅牢度が高くて色落ちしにくいです。

逆にコットンなどの天然繊維は堅牢度がやや低めになっています。

また、ナイロン系の繊維もポリエステルと同じ合成繊維で丈夫という特徴がありますが、染色→洗濯すると色落ちしやすく、堅牢度が低い生地です。

同じ素材でも色で堅牢度が違う!

同じポリエステル系の生地で、クリーム色のTシャツと、紺色のTシャツがあるとします。

実は同じ「ポリエステル」という素材であっても、クリーム色の方が堅牢度が高く、紺色は堅牢度が低いのです!

このように、色の濃いものは基本的に堅牢度数値が低く、薄色のものの方が堅牢度に優れています。

色落ちさせたくないという場合には、色味の薄い生地を選ぶと良いでしょう。

 

堅牢度の低い生地の取り扱い方

堅牢度が高いほど色落ちしにくく、安心して着用や洗濯ができる生地ということになります。

その基準はだいたい4級〜5級くらいあれば、衣料用として問題ありません。

堅牢度が3級の生地の場合、「色落ち注意」「単独で洗濯」といった注意書きやデメリットタグを付けることが条件となるでしょう。

では、堅牢度の低い2級以下の生地(場合によっては3級も)はどうやって取り扱えば良いのでしょうか?

注意書きをきちんと守ること

堅牢度の低い生地を取り扱うにあたって重要なのが、注意書きをきちんと守ることです。

「白物と分けて洗濯」と書いてあるのに、分けるのが面倒で一緒に洗濯してしまっている人も多いのではないでしょうか?

この注意書きは生地の色や品質を保つための「最低限守りたい注意事項」であるため、生地を長持ちさせたいならきちんと守るようにしましょう。

また、そのほかに対処できることは

・白物と色物を分けて収納する

・堅牢度の低い生地に漂白剤は使わない

・強い圧力がかからないように注意する

などがあります。

あえて堅牢度の低い生地で色落ちを楽しむ!?

実は、デニムの中には堅牢度3級のものも多いです。これはあえて堅牢度を低くすることで、使い込むことにより色落ちを楽しむため。

デニムなどは使えば使うほど肌に馴染んで、色もいい感じになって自分だけのアイテムになりますよね。

場合によっては堅牢度が低いのもおしゃれを楽しめるポイントになるので、「使い込むほど味わい深くなる」というようなアイテムにはぜひ堅牢度が3級程度の生地を選んでみるといいでしょう。

 

ヘビロテアイテムは堅牢度の高い生地で!

肌着や普段使いするようなTシャツ、お気に入りで毎日でも着たくなるようなヘビロテアイテムには、堅牢度の高い生地を選ぶのが吉。

アパレル業界では堅牢度4級〜5級がクリア条件となるため、消費者として購入するときは気にする必要はありませんが、自分で衣類を製作するときにはぜひ覚えておきたいポイントです。

ただし、逆に堅牢度を低くして色落ちを楽しむアイテムもあります。

ぜひ生地の堅牢度にも注目して、目的によって使い分けてみてください!

 

また、「堅牢度のテストデータ」というものをメーカーで用意している場合があります。

YAMATOMIでもテストデータをお調べできますので、堅牢度が気になる場合にはぜひ品番を指定してお問い合わせください!(※ビジネス利用のお客様に限ります)


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