ホーム > ニット・カットソー・メリヤスの違いって?名前の由来や特徴を解説
2019.10.2
朝晩が少しずつ冷え込んできて、秋と冬の到来を感じさせる季節。
秋冬のアパレルで人気のアイテムといえば、ニット製品ですよね。
しかし、「ニット」の他にも同じようなアイテムのことを「カットソー」「メリヤス」と呼ぶこともあります。
ニットかと思えばカットソーと書いてあったり、メリヤスと表記されていたり…なんだかややこしいですよね。
そこで、今回はニット・カットソー・メリヤスの違いや特徴についてまとめました!
目次
「ニット」というと、厚みがあり、暖かい秋冬用の生地のイメージですよね。
しかし、夏に活躍するTシャツなんかもニットの一種だってご存知でしたか?
ニットとは、1本の糸をループ状に編んで作られた生地全般の総称のことを指します。
しかしあくまで「総称」であるため、より細かく分類するとまた違った名前で呼ばれることも多いのです。
一般的にイメージするような秋冬用のニットといえば、1本の糸で編んで作られた洋服。(おばあちゃんが暖炉の前で編んでいる、あのイメージです)
これは襟元、袖口、裾までが1本の糸で繋がっており、1枚の洋服として完成します。
編んでいきながら、襟や袖口の形まで考えたうえで編み方を工夫しているため、1本の糸で洋服ができるんですね。
それで代表的なのがセーターやマフラーなどでしょう。
ニット生地そのものに伸縮性があるため着脱しやすく、保温性も高くて冬場はとても暖かい、けど通気性が良く1日着ても快適というのがニット生地の特徴です。
こちらはざっくり編みのニット生地。
かなり通気性が良いですが、重さもありしっかりと体を温めてくれます。
こちらも所々デザインが違いますが、1本の糸で編み上げられているニットアイテム。
大きめサイズでセクシーでありながら、暖かいです。
アパレル店やテキスタイル店でよく見かけて「カットソー」という生地。
カットソーとは、「カット(切る)」と「ソーイング(縫う)」を組み合わせた言葉なのですが、実はこれもニット生地の1つ!
ニット生地の反物を裁断し、縫い合わせて作られたものがカットソーです。
では、カットソーにはどんな特徴があるのでしょうか?
ニットの服が1本の糸で作られたのに対し、カットソーはニット素材をカットしてはぎ合わせて縫っていきます。
そのため、完成した洋服の肩や脇の部分に縫い代が残るのが特徴。
また、ニットよりもカットソーの方が体にフィットしてキレイなボディラインを出せる洋服に仕上がりやすいです。
そのため、体型にフィットして着心地の良いTシャツや手足の形に合わせたスウェット・ジャージなどは「カットソー」と呼ばれているんですね。
例えば、こちらは肩部分に縫い代があり、襟元、袖、裾もデザインが変わっています。
大きめサイズですが、体のラインが綺麗に出ているのがポイントです。
こちらも肩と二の腕部分の縫い代がわかりやすい作りになっています。
ニット生地で途中から色を変えればカラフルな反物ができ、裁断して縫うことで形のデザイン性もアップ!
こちらのような何気無いTシャツもニット生地で、カットソーの1つ。
ざっくりとしたセーターよりも伸縮性はありませんが、綺麗なボディラインを出してくれますよ。
スウェットもカットソーの代表格で、暖かいため秋冬用にぴったり!
生地の伸縮性を決める要因には、使われている素材(ウールやポリウレタン)や編み方が関係してきます。
では、なぜわざわざニットを裁断してからはぎ合わせていくのでしょうか?そのメリットをご紹介します。
実は1本の糸で最初から最後まで編んでいくニットでは、表現できるカーブの形やパーツのデザインに限界があります。
そこで反物を裁断してしまうことで、形やデザインの自由度を上げているのです。
胴の部分や袖部分など、パーツごとに分けて縫い合わせておしゃれな1枚の洋服に仕上げるんですね。
そうして作られた服は着たときにもキレイな形を出せるほか、耐久性もあり何度でも着回せます。
それがヘビロテアイテムのTシャツやスウェットにカットソーが使われる所以です。
ニット生地は基本的に1本の糸で編まれていますが、実は編み方が複数種類あり、編み方によって手触り・見た目・機能性・伸縮性などが変わります。
ニット生地のことを「メリヤス」と呼ぶこともありますが、実はこの「メリヤス」という名前こそが編み方の種類の1つ!
いったいどんな編み方なのでしょうか?
メリヤス編みは「天竺編み」「平編み」とも呼ばれていますが、どれも由来が違うだけで同じ意味です。
メリヤス編みはTシャツの最も一般的な編み方で、表面に縦方向の筋が見え、表と裏がはっきり分かれているのが特徴です。
実は編み機を使用しなくても、やり方やコツを覚えてしまえば人の手でも作れちゃうのがポイント。
Tシャツなど目の細かいものは難しいですが、メリヤス編みをマスターすればマフラーや冬用セーターなんかも自分で作れますよ。
こちらがメリヤス編みの最中です。
表面を見ると、まるで三つ編みのような形が縦に並んでいるように見えますね。
こちらがメリヤス編みで完成したニットアイテム。
人の手で編むことでざっくりとしたナチュラルな表面感になりますが、編み機を使えば細い糸でキレイめの生地も作れます。
メリヤス編み以外の編み方には、例えば
・鹿の背中のまだら模様に似ていることから名付けられた「鹿の子編み」
・メリヤス編みと対照的に表裏の区別がない「フライス編み」
・表面を格子状にしてお菓子のワッフルのような凹凸を作った「ワッフル編み」
・両面ともなめらかに仕上げて表面のように見せる「スムース編み」
などがあります。
それぞれ見た目が違うだけでなく、伸縮性や通気性、触り心地や着心地などが違います。
その中でもメリヤス編みは特に扱いやすく、着心地も良いので一番流通しているのです。
ニットは編物の総称で、1本の糸だけで編まれたアイテムにはセーターやマフラーなどがあります。
そのニットを裁断して縫い合わせた製品の総称がカットソー。
Tシャツやスウェットなど、季節を問わず使えるアイテムが多いです。
そして数あるニットの編み方の中から最も一般的なのがメリヤス編みで、こちらもTシャツに代表的な編み方。
まとめてしまえばすべて同じ「ニット」生地ですが、それぞれ違った特徴があるんですね。
ニットも、カットソーも、メリヤスも、それぞれ作り方が違うだけで、まとめてしまえばすべて同じ生地です。
しかし、名前が違うのはきちんと区別をつけられるようにするため。
それぞれの名前を覚えておき、微妙な違いを知っているだけでもアイテム作りに役に立つはず!
これからニット生地が大活躍する季節になるので、生地選びの際には名前と違いを思い出してみてくださいね。