ホーム > 接着芯地とは何か?その役割と生地の種類について
2019.9.5
衣類を制作する際、必要とされるのが「接着芯地」です。
特にジャケットやコートなどパリッとしたシルエットを出したい時には芯地の存在は欠かせませんよね。
今回はそんな接着芯地の役割と生地の種類についてご紹介します。
目次
接着芯地とは、衣類のシルエットを形作るために生地の中に接着するものです。
織物や不織布などに合成樹脂でできた接着剤を塗布し熱を加えることで適度な硬さを出しつつ、接着します。
接着芯地の目的は、衣類の形状を安定させ型崩れや着崩れを防ぐこと、そしてシルエットを常に美しく保つことです。
ジャケットで考えてみても、芯地の入っていないものはくたびれた印象になってしまうものもありますが、
芯地の入っているものは内側から表地を支え、張りを持たせることができますよね。
さらに、生地の伸びやたるみ、ほつれなどを防いでくれる役割や、厚み・硬さを与えて補強する役割もあります。
接着芯地に使用されている生地には芯地の目的ごとにいくつかの種類があります。
綿、ポリエステル、ポリノジック、レーヨンなどの素材が使用されており、平織、朱子織、綾織りなどの織り方が採用されています。
綿、ポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート、レーヨンなどの素材が使用されており、トリコット、緯糸挿入経編などの織り方が採用されています。
ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アクリルなどの素材が使用されており、ランダム、パラレル、クロス、パンチドなどの織り方が採用されています。
接着芯地は、使用されている生地の種類と接着剤の組み合わせでさまざまな種類があります。
接着剤にも完全接着タイプ・仮接着タイプがあるんです。
どの接着芯地を使用してもいいわけではなく、たとえば薄手の表生地で作成した衣類に厚手で硬い芯地を貼ると、表生地に響いてしまうことがあります。
接着芯地を決めるときには、表生地の種類・性質・厚さ・使用箇所を考慮して決めましょう。
接着芯地にはそれぞれの種類により貼り方が異なります。
シールタイプはアイロンを使用せずに貼ることができるものです。
そのため、カンタンであること、アイロンで接着する際に高温や圧力をかけることで起きるシワなどのトラブルを防ぐことができることがメリットとして挙げられます。
さらに、薄いシールタイプの接着芯地を貼った上に一部厚めの芯地を貼るなどの重ね貼りをすることもできます。
貼り方のコツは、シールタイプの接着芯地を貼る部分に印をつけ、接着芯をカットすること。
そしてシールの裏紙は端から少しずつ剥がしながら貼っていくようにしましょう。
アイロンタイプは、アイロンの熱をあてて接着するタイプです。シールタイプよりも手間はかかりますが、しっかりと圧着することができます。
貼り方のコツは、接着芯地を貼りたい箇所にアイロンをかけ、シワなどをとります。
接着芯地を圧着する際のアイロンの温度は150度前後にし、アイロンは上から10秒程度押さえます。
圧着後は熱が冷めるまで生地を動かさないように注意しましょう。