ホーム > 車の内装やバイクのヘルメットに使用されている生地について解説
2019.4.19
生地は洋服や小物だけでなく、様々な用途に使われています。
その仕事に従事していない人であれば、産業用として使われている生地についてよく知らない人も多いでしょう。
ただ、注意深く周りを見渡してみると身近なものに生地が使われていることに気付くこともあります。
例えば車のシートも布からできていますし、バイクなどのヘルメットの内部にも生地が使われているのです。
そこで、今回は車の内装やバイクのヘルメットに使われている生地について解説します!
目次
私たちが普段から当たり前に乗る車や、日常的に使う人も多いヘルメット。
なぜこれらには、わざわざ生地素材が使われているのでしょうか?
まずは、改めて車の内装やヘルメットの内部に生地が使われる理由を確認してみましょう。
車に乗っている人は、いつどこで事故に遭うかわかりません。
たとえ自分が注意深く運転していても、巻き込まれる可能性もあるのです。
万が一事故に巻き込まれたとき、小さな事故であっても怪我を負ってしまうことも!
そんなとき、車の内装が生地でできていると、いざという時の安全性が高まります。
生地は柔らかく弾力があり、衝撃を吸収してくれる役割があるため、怪我を最小限に抑えてくれるんですね。
これはバイクのヘルメットも同様。
バイクは車とは違い、乗っている人の周りにはクッション材となるような柔らかい布はなく、露出した状態です。
車よりバイクに乗っている人の方が大きな怪我をする可能性が高くなります。
せめて大事な頭を守るためには、ヘルメットを装着して安全性を高めます。
ただ、ヘルメットもすべて強化プレスチックや金属のみでできていると、頭を打ったときの怪我を防げません。
衝撃を吸収して怪我を抑えるために、ヘルメットの内側には生地が使われているのです。
また、車の内装に使われる素材は車検の検査対象にもなっています。
車の内装に使用できる生地には日本自動車車体工業会(JABIA)のマークや登録番号が与えられ、これがあるかどうかで車検に通るかどうかが決まります。
車もヘルメットも、内部が生地でできているからといって100%怪我を防げるわけではありませんが、どちらもより安全性を高めるために必要なものなんですね。
また安全面だけでなく、使いやすさの面でも生地が使われています。
例えば車で1時間以上ドライブするとなると、硬い座敷ではおしりや腰が痛くなってしまいます。
ヘルメットも頭にしっかりフィットすることが大事ですが、硬い素材だと着脱も大変で、被っている間も頭が痛くなるかもしれません。
こうした乗り心地や使い心地を良くするために、クッション性の高い生地が使われているのです。
より柔らかく、弾力があるという乗り心地を追及した車やヘルメットもあるほどなんですよ。
では、実際に車の内装やヘルメットの内部にはどんな生地が使われているのでしょうか?
ここではよく使われている3つの生地の種類と特徴についてご紹介します。
ビニールレザーとは、本皮のような風合いを持ちつつも、本皮よりも安く扱いやすい生地です。
耐水性に優れており、燃えにくく、さらにカラーバリエーションも豊富なので日本の車の内装素材として広く普及しています。
ポリエステルやナイロンの繊維を立体的に組み合わせ、ポリウレタン樹脂を型押しすることで、表面を本物のレザーのように仕上げることができるのです。
ストレッチ性が高いものや、耐光性が高く紫外線を長時間浴びても変色しないビニールレザーもありますよ。
洋服、バッグ、靴などで幅広く使われているスウェード生地は、実は車の内装やヘルメットの内部にも使われています。
スウェードはなめした革の内側をサンドペーパーなどを使って起毛させているので、レザー生地の1種。
起毛させることで光沢感を出すことができ、柔らかくて毛足が短いものほど高級とされています。
また、人工的に作られた皮から作られたものは「スウェード調生地」と呼ばれていることも覚えておくと良いでしょう。
スウェード生地はインテリアシートだけでなく、ステアリングカバーや補修などにも幅広く使われていますよ。
モケットは表面が起毛した織物生地で、光が反射して美しい光沢が出るため、高級感のある生地になっています。
もともとは舞台の衣装や劇場の座席シートに使われていた生地なので、どれだけ高級感があるかイメージしやすいですね。
また、モケットをシワ加工したものがチンチラという生地。
モケットよりも光沢感の強い生地で、車の内装を豪華にしたい人に向いています。
パイルニットとは、ニット素材をパイル編みにしてタオル生地のようにした生地のこと。
厚みがあり、吸水性が良いのでヘルメットの内部に使うことで、汗を吸い取って快適にしてくれる役割があります。
ソフトな風合いで肌触りも良いので、特に夏場のバイクツーリングなどでパイルニットが内部に使われたヘルメットを選んでみるのも良いですね。
ポリエチレンテレフタラートで作られた柔らかく起毛仕上げした生地がフリース生地。
洋服に使われているフリース生地を見たことがある人も多いですが、実はバイクのヘルメット内部にも使うことができるのです。
起毛していることで汗を吸い取りつつも保温効果があるのが特徴です。
また、ヘルメット対応のフリースキャップもあり、おしゃれにヘルメットをかぶりたい人におすすめです。
車の内装やヘルメットの内側にも生地が使われていることがわかりましたが、そこで気になるのが汚れやお手入れ方法ではないでしょうか?
やはりプラスチックや金属などとは違い、生地は繊維の間に汚れが溜まりやすいため、衛生面でも気になりますよね。
しかし、洋服とは違って洗濯することもできません。
そこで、車の内装やヘルメットのお手入れ方法について解説します。
車の外側はピカピカに磨いても、中の掃除は面倒で汚れが溜まっているという人も多いのでないでしょうか?
実は車の内装、特に汚れの溜まりやすい生地部分のクリーニングに必要なのはこの2つだけ!
・掃除機
・固く絞ったタオル
掃除機はできるだけ吸い込み口が小さく、スキマに差し込めるものがおすすめ。
まずは掃除機をシートに当てて、繊維のスキマに入った汚れを吸い出していきます。
背もたれと座面の間に掃除機を差し込み、隅々まで吸っていきましょう。
あとは固く絞ったタオルで、ステアリングカバーやインパネなどを拭いていけばOKです。
ヘルメットの外側は磨けても、内部のお手入れ方法に迷う人も多いでしょう。
しかし、実はヘルメットを着脱する部分は分解できる製品が多いってご存知でしょうか?
ヘルメットの内部は、分解して直接洗うのが基本になります。
専用のシャンプーや中性洗剤を使って洗いますが、できるだけ形を崩さないように手洗いがおすすめ。
どうしても洗濯機で洗いたい場合、洗濯ネットなどに入れて型くずれを防ぎましょう。
最後は乾いたタオルでできるだけ水分を吸い取り、風通しの良い場所に干しましょう。
また、どうしても分解して内部を取り出せない場合は直接内部の汚れを拭き取ります。
ウェットティッシュタイプの内装専用クリーナーを使い、皮脂汚れを除去して除菌までしましょう。
洗浄後はできるだけ乾燥させて、必要なら消臭スプレーを吹きかけると良いでしょう。
車関係にも生地が使われていることがわかりましたが、実際の使用シーンも見てみましょう!
こちらは車の内装にビニールレザーを使用。
程よいツヤ感と落ち着きのある色、どこか懐かしさも感じさせますね。
元の内装の上から、好みのインテリアシートを被せている人も!
わざわざシートを張り替えなくても、車の中を自分好みにカスタマイズできますね。
こちらもヘルメットの内部に合皮が使われていますが、クッション性があり安全性が高いもの、
ヘルメットは安全性で選ぶのが良いですね。
生地問屋YAMATOMIでは、洋服向けの生地だけでなく、車の内装やヘルメットの内側に利用できる生地も取り扱っています。
その中でも特にオススメの生地をご紹介しましょう!
表面がリアルレザーに近く上品な艶とふくらみのある薄手のフェイクレザー素材。軽くストレッチ性があり手洗い可能です。
マイクロファイバー糸を起毛した鹿皮似のスウェードです。カラーバリエーションが豊富に揃っています。
高度な品質と機能性を併せ持つスウェード調人工皮革。リッチな肉厚感がありながらも軽量、上質で滑らかな風合いも魅力の素材です。
温かみのあるフリース素材で、ヘルメットの内部はもちろん、カバンやインテリアまで幅広く活用できます。
コットン素材を使用することで、肌に優しい風合いになります
パイル生地は吸水性もあり肌触りもよく、ヘルメットの中に使うのにオススメです
車の内装にバイクのヘルメット内部など、車関係に使われる生地。
よく見渡してみると、気付かないところで生地が使われているものです。
ぜひ車関係の生地の種類を覚えて、ちょっとした豆知識をつけてみてはいかがでしょうか?