ホーム > 生地の密度って何?高密度と低密度の違いとメリット・デメリットについて解説
2019.3.29
布製品の生地を触ってみたとき、硬い、柔らかい、軽い、重いなどさまざまな風合いを感じることができます。
実はそれらの手触りを作り出しているのは、生地の密度だということをご存知でしょうか?
生地の密度とは、簡単に言えば生地と生地の間にどれくらいの空間があるかどうか。
生地と生地と間にほとんど空間がなく、糸がぎゅっと詰まったのは高密度の生地で、反対に糸が詰まっておらず空間ができているのが低密度の生地です。
今回は高密度・低密度生地のそれぞれの特徴やメリットとデメリットをまとめました!
生地の密度は、織物を構成している糸の集合度数のことでもあるため、「糸密度」と呼ばれることもあります。
その密度の単位は綿織物や毛織物によって基準が異なり、綿織物の場合は1インチ(2.54cm)分のタテ糸の本数を「タテ糸密度」、ヨコ糸の本数を「ヨコ糸密度」と表現します。
実は糸の本数だけでなく、糸自体の太さによっても密度が変わるこも忘れていはいけません。
太い糸を使えば本数が少なくても生地と生地のスキマが少なくなりますし、逆に細い糸では本数を多くしても、糸同士の間隔が空いて密度の低い生地ができることもあるのです。
こうした糸の太さのことを「番手」や「テックス」「デニール」と呼びます。
よく使われるのは「番手」で、一定の重量で長さがどれくらいあるかを計り、数字が大きいほど糸が細くなるのが特徴です。
つまり、生地の密度は「糸の太さ」×「糸の本数」で決まるということですね。
密度が高い生地で代表的なのはベンタイル生地。
水の浸透を止めるほど糸がぎゅっと詰まっており、とても丈夫なのでアウターや軍服として使われることが多いです。
他にもラチネ織りの生地も高密度ですね。
水や風を通しにくく、丈夫で長持ちする特徴があります。
そんな高密度生地には、どんなメリットがあるのでしょうか?
1つひとつ見ていきましょう。
高密度だと生地がしなりにくくなり、その結果ハリ感が出てきます。
最近ではこのハリ感もファッションのトレンド入りしており、ハリ感のあるスカートなどが人気です。
見た目にも高級感があるため、プチプラでも高見えするアイテムが作れるでしょう。
どれくらい密度があるかにもよりますが、ベンタイル生地のようなかなり高密度な生地になると撥水効果が出てきます。
水を弾き、生地を濡れにくくする、または乾きやすくするというメリットがありますね。
布は濡れることで傷みやすくなるため、撥水効果というのは着るときもお手入れするときも嬉しい効果なのです。
糸の密度が高い分、空気の出入り口が少なくなります。
特に冬用のアウターだと、冷たい空気の侵入を防ぎ、体温で温められた空気が外に逃げるのを防ぐことになるため、高密度生地には保温効果があるのです。
だからこそ高密度生地はコートなどのアウターに使われることが多いんですね。
高密度生地はメリットだけでなく、どうしても生地が硬い分デメリットも出てきてしまいます。
そんな高密度生地のデメリットを解説します。
メリットで保温効果があると解説しましたが、その反対として「湿気がこもりやすい」というデメリットが挙げられます。
生地の内側に湿気がこもると汗をかいたときにベタついた状態が長く続くということ。
肌着を着る、直接肌に当たる部分には高密度生地を使わないなどの工夫が必要です。
あまりにも硬い生地になると、ミシンの針が通りづらかったり、思うようなデザインにできなかったりと扱いにくいというデメリットもあります。
身に付ける洋服では硬すぎる生地を使うことは少ないかもしれませんが、バッグや小物、インテリアなどを作るとき、生地の硬さには気をつけましょう。
ただ、程よい硬さの生地はミシンがサクサク進みやすいというメリットもあるため、扱いやすい高密度生地を探してみてください。
密度が低い生地といえば、レースやオーガンジーなどが挙げられますよね。
そのどちらも透け感があり、生地を通して向こう側の景色が見えるほど。
密度が低いと柔らかい雰囲気を出せるという特徴もあり、近年の女性向けアイテムに低密度生地が使われることが多くなりました。
まずは、低密度生地にはどんなメリットがあるのかをご紹介しましょう。
低密度生地は柔らかい生地が多く、ふんわりとしているのが特徴です。
生地が柔らかいと扱いやすいだけでなく、女性が好む風合いのアイテムを作ることができます。
また、薄く柔らかい生地は速乾性もあり、すぐに乾きます。
糸と糸の間にスキマがあるため、透け感のある生地になるのて低密度生地の特徴。
例えばピンクの糸で織ったオーガンジー生地は、薄ピンクに見え、生地を重ねるごとに色が濃くなります。
透け感で女性らしさを引き出したり、濃淡に変化をつけてみたりとデザインの幅が広がるのです。
低密度の生地は糸の間のスキマが広いため、折り曲げても型が残りにくく、シワになりません。
長期間保管できるし、洗濯をして乾燥機で乾かしてもシワにならないのは手間がかからなくて嬉しいですね。
シワにしたくないアイテムを作るときにオススメです。
低密度生地はどうしても薄いだけのデメリットがあルもの。
そのデメリットを注意点を一緒に解説します。
糸と糸の結合力が弱く、スキマがあるために、そこに繊維や突起物が引っかかることによって簡単に破れてしまうというデメリットもあります。
そのため、洗濯機でそのまま洗うと他の生地と絡まり、引っ張られることで破れてしまうのです。
洗濯機で洗うときは洗濯ネットなどに入れ、できるだけ絡まらないように注意しましょう。
低密度の生地をミシンで縫うとき、柔らかいために巻き込みやすくなってしまいます。
少しでも手元がズレたらそのまま変な縫い目になってしまうことも…。
そうならないために、十分に注意してミシンで縫うか、少し密度の高い生地を選ぶようにしましょう。
高密度と低密度のアイテムにはどんなものがあるのか気になりますよね。
そこで、Instagramからそれぞれのおしゃれアイテムをピックアップしてみました!
それぞれの生地でどんなアイテムを作るか、イメージしてみましょう!
高密度生地のメリットを活かすなら、やはりアウター系がオススメです。
水や風を通しにくく保温性が高いため、1シーズン使えるのがポイント。
高密度だと高級感があるのも良いですね。
高密度生地で小物を作るなら、帽子はいかがでしょうか?
こちらはベンタイル生地で作ったキャップですが、かっこよさがあって良いですよね。
ミリタリー系統も高密度だからこそおしゃれに見えます。
こちらはスニーカーの布部分に高密度生地を使ったアイテム。
高密度生地なら雨の日でも安心して外に履いていけるのが魅力的です。
安っぽさがなく、生地選びからこだわったアイテムが作れるでしょう。
こちらは綿ボイルという低密度生地を使ったシャツ。とても可愛いですよね。
その可愛さの秘密は透け感にあります。
透け感があるからこそ、軽く羽織るシャツにぴったいですね。
黒のハイネックというとアイテムによっては野暮ったくなりますが、レース素材にすることで一気におしゃれに。
刺繍の形やモチーフによって、春〜秋まで使えます。
インナーを変えることで表情を変えるのも素敵ですね。
こちらのアイテムは袖にオーガンジー素材を使っているもの。
オーガンジーは糸密度が低いですが、加工によりパリッとして硬いという特徴があります。
薄い生地でも硬くしたいときは、オーガンジー加工された生地を選んでみましょう。
YAMAYOMIでは高密度生地も低密度生地も揃えています!
それぞれのオススメ生地をご紹介しましょう。
こちらはパリッとした高密度のタイプライター生地で、トップスからスカートまで幅広く使えます。
高級高密度のベンタイル生地が使いたいときはこちら!カラーも豊富なので、男女それぞれに向けたアイテムが作れるでしょう。
綿91/ウール9のラチネ織生地です。アウター、ワンピース、バッグなど、そこそこの丈夫さを必要とするアイテムに活用可能です。
こちら薄く軽い風合いで綿特有のシャリ感を持っています。上品な透け感が大人スタイルにピッタリな生地です。
こちらは細い糸を使ったシフォン生地で、優しい風合いや柔らかさが女性を虜にします。
こちらのレース生地はポリエステル100%のため、丈夫さがあり、洋服からインテリアまで幅広く使えるでしょう。
シルクのような高級感を味わえるオーガンジー生地で、薄くて透け感がありながら硬さがあり、扱いやすいですよ。
高密度生地と低密度生地、それぞれメリットもあればデメリットもあります。
ただ、どちらも個性的でおしゃれなアイテムを作ることができますよね。
それぞれの特徴を知っていれば、コートなのか、ワンピースなのかなど、どのアイテムを作るときにどちらがピッタリなのかすぐにわかります。
ぜひ高密度と低密度を使い分けてみてください!