ホーム > 【産地LABO】播州織の魅力とは?先染めギンガムやシャツ生地の産地・西脇産地の魅力を解説
2019.1.31
先染めギンガムやシャツ生地の産地である「西脇産地」をご存知ですか?200年以上の歴史と伝統を誇る「播州織」と呼ばれる織物が有名で、特にワイシャツによく使用されています。今回はそんな先染め技術によるシャツ生地の産地、西脇産地の魅力にせまってみましょう!
出典:https://www.niime.jp/
日本列島のほぼ中央に位置していると言われている兵庫県西脇市は、綿織物の国内最大の産地です。綿、とひとことで言ってもそのラインナップは、シャツやスカート、ランチョンマットまで幅広い商品に使用されています。
西脇市の「北播磨地域」で生産された薄地織物は「播州織」と呼ばれ、200年以上前から「先染め」という糸を先に染めてから織る技法で発展してきました。
この「播州織」は特にシャツ生地の生産で有名です。このエリアは四方を山で囲まれ、そして川に流れる水が綺麗なことで栄えたといっても過言ではありません。染物にとって「水」は命ともいえる存在。さらに、兵庫の温暖な気候が綿花栽培に適していたことも大きく、なんと1700年代から綿栽培、そしてその後は京都から導入された西陣織の技術も影響を与えたと言われています。
この環境が「播州織」、そして「先染め」の発展に寄与してきたんですね。
出典:http://www.city.nishiwaki.lg.jp/kankotokusan/jibasangyo/bansyuori/1355896832921.html
この「播州織」の人気の秘訣は色の多様な表現力です。その絶妙な色合いは、たて糸とよこ糸を組みあわせることにより玉虫色のような微妙な色を表現できる繊細な技術力があるから。もちろん、見栄えだけでなく、その肌触りの良さにも定評があります。
多くの場合は生地を先に作ってからプリントを行う「後染織物」と呼ばれる手法が多く用いられますが、「先染め」であれば縦糸と横糸を組み合わせて織り、本数・並べ方・組み合わせ方・太さ・色などを変えることでさまざまな奥行のある柄を生み出すことができるのです。
最近ではコンピュータでその組み合わせを管理し、まるでプリントしたかのように柄や模様を描き出すことも可能。伝統的な技法だけでなく最新の技術と組み合わせることでその可能性は無限に広がっています。
さらに西脇市で生産される「播州織」の多くは全工程を一貫して行っているのが特徴です。糸工場、染物工場と分けるのではなく、テキスタイルデザイン・糸染・織布・加工、そして生地の出荷まで一貫して行うことができることで、小ロット短納期への細やかな対応も可能なのです。
出典:http://www.city.nishiwaki.lg.jp/kankotokusan/jibasangyo/bansyuori/1355896832921.html
「播州織」は、地場産業として地域活性化にも貢献しています。平成20年には地域ブランドに認定され、西脇市をで考案され、加工されたものの中で一定の品質基準に達したものであると幅広く周知されました。
さらに近年では「西脇ファッション都市構想」を掲げ、若者とファッションを巻き込んだ発信や若手のクリエイターを呼びこむ活動も実施しています。その結果、他県から移住し「西脇市でファッションの仕事がしたい」という若者が増えていています。
中でも有名なのは、「産地に住むデザイナー」の草分け的存在である有限会社玉木新雌さん。2004年、西脇に飛び込み、播州織の新解釈と開発を目指して tamaki niime を立ち上げました。
ずっと都会育ちだった玉木新雌さんですが、現場の職人の方とコミュニケーションを取りながらモノづくりに取り組む中で、現場の状況や技術を理解したうえで新たなアイディアが浮かぶこともあったのだそう。
とにかくモノづくりを楽しんでいる姿が印象的ですね!
玉木新雌さんの作品は播州織の良さを最大限に引き出したデザインが特徴。
中にはこんな色鮮やかな作品も!
おもわず引き込まれてしまいそうな美しい作品の数々に時間を忘れて見入ってしまいそうです!