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白い生地でも透け防止に効果あり!フルダル素材の特徴とおすすめ生地

2023.10.13

衣類を作るときに気をつけたいのが“透け具合”です。

シースルー生地が流行している昨今ですが、透けさせたくないボトムスやワンピースを作るとき、透けない生地を選ぶ必要がありますよね。

そんなときには「フルダル」が役に立ちます。

今回は、白い生地でも透け防止効果のあるフルダル素材について解説します!

⚫︎透け防止効果のある生地を探している
⚫︎裏地を使わなくても透けない衣類を作りたい
⚫︎紫外線カットもできたら嬉しい

そんな人はぜひ本記事を参考にしてみてください!

化繊の光沢感を表す「フルダル」「セミダル」「ブライト」

フルダルについて知るには、化学繊維の光沢感を表す3つのキーワード「フルダル」「セミダル」「ブライト」も合わせて覚えるのがおすすめです。

ブライト(Bright,BR)
光沢感のある化学繊維、糸。ガラスのように半透明で、よく透ける。

セミダル(Semi Dull,SD)
光沢感を抑えた化学繊維、糸。艶を抑えつつ、自然な光沢感がある。ほどほどに透ける。

フルダル(Fully Dull,FD)
さらに光沢感を抑えた化学繊維、糸。マットな質感で透けない。

化学繊維はもともと光沢感のある「ブライト」ですが、そこへ酸化チタンなどの艶消し材を添加することで光沢感を抑えることができます。

「ダル(Dull)」とは光沢感を抑えたものを言い、艶消し材の添加量により、自然な光沢感を残した「セミダル」か、マットな質感に近づけた「フルダル」に分類されます。

生地が透けることによるデメリットとは?

ここからは豆知識ですが、生地が透けることによるデメリットをご存知でしょうか?

シースルー系のアイテムが流行っている昨今、肌が透けることでおしゃれに見えたり、セクシーさや可憐さを演出したりできますよね。

とはいえ、衣類全体が透けていると下着が見えてしまうため、袖だけ、膝下まで、というアイテムがほとんどです。

また、肌を覆っているからといって紫外線を防げるわけではありません。

紫外線を含む太陽の光は生地を貫通し、肌を直接照らしています。

つまり紫外線は衣類を貫通して肌にも当たっており、紫外線ダメージを受けやすいのです。

透け防止素材はただ単に下着を見えないようにするためのものではなく、紫外線を遮蔽するための素材でもあるのです。

フルダル素材の特徴

 

ここからはさらに具体的に、フルダル糸やフルダル生地の特徴を見ていきましょう。

メリットがある一方で、デメリットも併せ持つ素材なので、選ぶ前に要チェックです。

透け防止効果がある

フルダルの最大の特徴はやはり、透け防止効果があることです。

艶消し材の添加量がより多いフルダル糸であれば、よりマットな質感に近づき、裏地なしかつ白い生地でも透けないアイテムを作ることができます。

ただ、光沢や艶というのは、高級感を演出してくれる要素です。

高級感のあるアイテムを作りたいときには、自然な光沢を放つセミダル糸の方が向いていると言えるでしょう。

UVカット効果がある

艶消し材を添加することで、元々ガラスのように透明だった繊維を濁らせるのがフルダル糸の製造方法。

繊維が濁ることで紫外線を透過させにくくし、UVカット効果も期待できます。

またフルダル糸で作ったアイテムは「UVカット素材製品」であるため、洗濯や摩擦によってUVカットの効果が減少しにくいのもポイントです。

後から紫外線吸収剤を吹き付けるなどの加工を行う「UVカット加工製品」は、洗濯や摩擦で効果が落ちていきやすいです。長く使い続けたいアイテムは「UVカット素材製品」を選ぶのがおすすめ!

濃い色を出しにくい

フルダルはすでに艶消し材という混合物を入れ込んであるため、黒や紺色といった濃い色合いを出しにくいという特徴があります。

黒く染めたいと思っても、やや明るい黒や、暗めのグレー程度にしか染まりません。

艶消し材の添加量によっても、どれくらい色を濃く出せるかが左右されます。

また「濃い色が入りにくい」というのは「濃い色が落ちやすい」とも同義です。

濃い色のフルダル製品を洗濯したとき、色が落ちてしまったり、他の衣類に移ってしまったりする可能性もゼロではありません。

逆にフルダル糸は、白やクリームなどの元々の素材に近い色、ピンクや水色といった淡い色合いのアイテムに使うのがおすすめです。

強度がやや低い

セミダル、フルダル、ブライトの強度が強い順番としては、次のようになります。

ブライト>セミダル>フルダル

フルダルは艶消し材を入れることで強度が低くなりがちで、こちらも添加量を増やすほど低強度になります。

衣類に使えないほどではありませんが、洗濯を繰り返すことにより、消耗してダメになってしまうスピードが速くなりやすいです。

フルダルに向いているアイテム

フルダルの特徴をしっかり押さえておけば、そのメリットを活かしたアイテム作りができますよ★

フルダルに向いているアイテムをご紹介します!

パンツ、スカートなどのボトムス

 

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フルダル特有のマット感がおしゃれなワイドパンツ。
透けにくいだけでなく、夏の強い紫外線からも守ってくれる優れものです!

アウターやジャケット

 

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紫外線がだんだん強くなっていく春先には、フルダルのアウターで早めの対策を。
袖口や襟などのデザインを工夫すれば、大人っぽい印象になりますよ。

 

 

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フルダルのマット感を活かしたアウターも次のトレンドの予感★
ダンボール素材で形が崩れにくく、おしゃれ上級者におすすめです!

フェイスカバーやマスク

 

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マスクにフルダル素材を使うことで、顔の日焼け防止に!
日焼けすると将来のシミにつながるので、日常的に使うアイテムにこそUVカット効果は必須ですね。

 

カーテン

 

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フルダル糸はカーテンにもよく使われています。
光の透過を防いでくれるため、遮光カーテンにぴったり!

 

 

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マットな質感も落ち着いた印象を与えてくれるため、大人のリビングや寝室にぴったり★

遮光性に注意!

フルダル糸のカーテンについては、遮光性に注意が必要です。

遮光性は1級〜3級まであり、1級がより高い遮光性を持ちます。

1級のカーテンにはフルダルが使われていることが多いですが、注目すべきはそのカーテンの色です。

実は、色が濃く暗いほど遮光性が高く、薄く明るいほど遮光性が低くなります。

つまり、同じフルダルのカーテンでも色が濃ければ2級、薄ければ3級になってしまうのです。

またフルダルは濃い色を出しにくいことが難点。

カーテン選びの際には、使用している素材と色味にも注意してみてください。

YAMATOMIおすすめのフルダル素材

生地問屋YAMATOMIでは、さまざまなフルダル素材を取り揃えています!

ここでは担当者おすすめのフルダル素材をピックアップしました★

 

リサイクルPE 30Sフルダルツイルストレッチ

リサイクルポリエステル素材のフルダル糸を、ツイル生地にしました!程よい厚さと風合いで、季節を問わずお使いいただけます。コットンライクな風合いなので衣類にもインテリアや小物にも★

 

ポリエステルフルダル×タスランタイプライターSY加工(撥水)

主張しすぎない落ち着いた光沢が優雅さを漂わせています。高密度でクリアな表面感が特徴です。柔らかく着心地がいいので、アウターやスカートなどに人気です!

 

フルダルパールトリコット

ストレッチ性のあるトリコットニットにフルダル糸を使用することで、マットで落ち着いた雰囲気に。クラシカルで上品なので、メンズアイテムにも使いやすいですよ。

 

フルダルストレッチ梨地T3X 広巾

フルダル糸特有のマットな質感と、ドライタッチな肌触りが魅力!さらにストレッチ性もある梨地なので、パンツスタイルやアウターにぜひ使っていただきたい生地です。

 

フルダルナイロンタッサー ワッシャー撥水

フルダルナイロン糸を使用し、光沢感を抑えつつナチュラルな風合いを出した生地です。白くても透けにくく、スカートやワンピースなどに最適です★

“透け感”は必要に応じて使い分け!フルダル素材で透け防止&UVカット

トレンドでおしゃれな“透け感”ですが、セミダルやブライトなどは必要に応じて選ぶことが大切。

もし透け防止をしたいときには、フルダル素材がうってつけです。

光沢感は抑えめで透け感はありませんが、むしろマットな質感で大人っぽく見せることもできます。

さらに紫外線を通しにくく、UVカット効果があるため、年中使いやすいですよね。

フルダル・セミダル・ブライト、それぞれ違う特徴があるので、アイテムに合わせて上手に使い分けていきましょう!


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