ホーム > 【静電気対策】服の不快なバチバチ!静電気が起きにくい素材とは?
2022.12.16
1年の中で最もワクワクするイベントが多い秋冬シーズン。普段よりおしゃれをして出かける機会も多いのではないでしょうか?
しかし同時に、秋冬は静電気シーズンでもあります。服の着脱時にバチバチッとなるだけでなく、不意打ちにバチッと来ることもあり、髪がボサボサになったり、痛かったりと、あまり良い思い出がない人も多いでしょう。
そんな不快なバチバチを減らしたい方のために、今回は静電気が起きにくい素材をピックアップしました。
この記事を読んでほしい人
⚫︎秋冬になると静電気のバチバチに悩まされている人
⚫︎静電気が起きにくい、ユーザーに優しい洋服を作りたい人
⚫︎静電気の仕組みを理解して商品作りや日常生活を工夫したい人
目次
まずは静電気が起こる仕組みについて簡単に解説します。この仕組みを知っているだけでも、日常的な静電気対策を取りやすくなるかもしれません。
静電気とは、その名前の通り「電気」です。人間の体から衣服の繊維1本1本にいたるまで、どんな物質もプラスとマイナスの電気を持っています。
電気は水を通しやすく、空気中にはたくさんの水分(気体)が含まれているため、日常生活を送っているだけで溜まった電気は放電されていきます。
しかし冬は空気が乾燥しており、放電の量が減ることで、プラスとマイナスのバランスが崩れ、電気が溜まってしまいます。帯電した状態で、例えば電気の流れやすい金属のドアノブを握ったときに、一気に放電されてバチッと静電気が起きるのです。
ここで、静電気が起こる原因を大きく分けると2つだけ!
この2つの対策をすることで、静電気が起きにくくなるのです。
服を脱いだとき、マフラーを解いたときなどに起こる不快なバチバチ。そんな静電気を減らすなら、素材選びが重要なポイントです。セールや福袋などお買い物が増えるこの時期。では、静電気対策にはどんな素材をチョイスすれば良いのでしょうか?
コットン、ウール、シルクなどの天然繊維は、吸湿性・吸水性が高いという共通点があります。つまり水分を保有しやすい素材なので、その水分を通して電気が逃げやすくなっているのです。
さらに天然繊維は、お肌に優しいことも嬉しいポイント。普段着の素材としてはもちろん、パジャマの素材に選ぶことで寝ている間の摩擦も軽減してくれますよ。シーツや枕カバーなどの寝具にも積極的に取り入れていきましょう。
コットンもウールもシルクも、もともと静電気に強い素材なので、迷ったときには「とりあえず天然繊維!」と考えておけば問題ありません。
コットンらしい柔らかさと適度なハリコシがあり、光沢が魅力の生地です。シーズンを問わずトップスやインナーなどにお使いいただけます。
高級綿のスーピマコットンをハイゲージ編みし、美しい光沢が高級感あふれる生地です。適度なハリはシルエットラインを際立たせてくれるため、トップスやワンピースなどにオススメですよ。
コットン素材でサテンのような風合いを作りました。程よい肉感と柔らかさがあるサテン生地で、光沢感も上品なので大人なセットアップなどにも向いています。
程よいハリ感を持つタイプライター生地。天然染料を90%以上使用したサステナブルな生地でもあります。コットン100%なので静電気が起こりにくく、トップスやワンピース、アウターまで幅広く活用できますよ。
揉み込み加工によりナチュラルな風合いに仕上げたコットン100%生地。秋冬でもナチュラルテイストなファッションを快適に楽しみたい人にオススメです!
やや薄手で柔らかく、さらりとしたタッチとウールの温かみが魅力の生地です。静電気が起こりにくく、カジュアルな秋冬アイテムとの相性が良いため、トップスやワンピース、インナーなどに向いています。
やや厚手で、ぬくもりと上品な光沢など、ウール感を楽しめる生地です。暖かい素材で、秋冬のアウターやワンピース、セットアップなど幅広いアイテムに向いています。
「マニッシュなのに女らしい」美しい光沢とハリコシを持つコート素材です。暖かみのあるカラー展開が豊富で、特にアウター系に向いていますよ。
一般的なウールより繊細で、しなやかで滑らか、光沢感が魅力です。軽量でドレープ性もあるため、美しいシルエットのレディースアウターにぜひご活用ください!
極細繊維のウールを使用し、先染めで仕上げた高級感ある生地です。ウォッシャブル加工が施されており、放湿性と吸湿性が高いため、静電気が気になる秋冬でも安心して身につけられます。
シルク100%のゴージャスなサテン生地です。キラキラと輝くような光沢感と柔らかい風合いが魅力で、衣類や衣装、インテリアなどにお使いいただけます。
さらさらと肌触りの良い100%サテン生地は静電気を防止できるため、スカートやコートの裏地にぴったり。他にも衣装やドレスなどに使いやすいため、イベントの多い秋冬シーズンにオススメです。
縮れたような表面が落ち着いた光沢を発し、高級感にあふれています。静電気を抑えるので、不快なバチバチを防いで心地よいスカートさばきを実現できますよ。
実は天然繊維100%ではなくても、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維が含まれていても問題ありません。ただし組み合わせに注意が必要となります。
そのポイントとなるのが「帯電列が近いかどうか」です。簡単に言えばプラス電荷かマイナス電荷、どちらかに近い方の繊維で統一するということ。
プラス荷電の繊維
・コットン
・ウール
・シルク
・ナイロン
・レーヨン
マイナス荷電の繊維
・ポリエステル
・ポリエチレン
・ポリウレタン
・アクリル
・アセテート
たとえば、コットン×レーヨンの組み合わせはどちらもプラス電荷、ポリエステル×アクリルの組み合わせはどちらもマイナス電荷で、それぞれ静電気が起こりにくくなります。
逆に避けるべきは、帯電列が遠い繊維同士の組み合わせ。例えばポリエステル×ナイロンは同じ化学繊維であり、また帯電列も遠いため、静電気が起こりやすくなります。
また、コットン×ポリエステルの組み合わせもNG。実は衣服の素材よくある組み合わせですが、秋冬の間は避けた方がいいですね。
コットン:ナイロン=7:3の絶妙なバランスで混紡した生地です。50年代後半~60年代半ばまでロンドンで流行したモッズファッションに愛用されたためモッズパーカとも呼ばれます。静電気を抑え、膨らみのあるトップスやアウターにオススメ。
高級感のあるスーピマコットンとナイロンを使用し、高密度に織られたウェザークロスです。ハリコシが強く上品な雰囲気なので、フォーマルシーンにも向いています。
艶々の表面から上品さがあふれる、コットンとナイロンの生地です。裏面は起毛しているため暖かく、秋冬のアウターやワンピースにオススメです。
ウールとレーヨンの柔らかく肌触りの心地良い生地です。北陸のフィラメントの技術で丹念に織り上げ、尾州で染め上げました。豊富なカラー展開の中から、作りたいアイテムや用途にぴったりの色をお選びください。
ウールとナイロンの混紡生地ですが、起毛した表面はウール感をしっかり楽しめます。リサイクル生地なので環境に優しいのもポイント!コートやジャケットにご活用ください。
寒さにも静電気にも弱い人にぜひオススメしたい、ふわふわのボア生地です。防寒性が高く、これ1枚でぬくぬく暖か。ソフトな風合いで、肌触りも快適です。
アクリルとポリエステル混紡のオーソドックスなボア生地で、アウター、トップス、ワンピース、インテリアなど幅広いアイテムにお使いいただけます。
しっかりと肉感のあるボア生地で、どことなくトイプードルの毛並みにそっくり。見た目よりも軽いため、秋冬のトップスやアウターなどにオススメです。
柔らかな合皮レザー生地です。ブラック、ブラウン、ベージュの他、ライトブルーやモーヴピンクなどのカラーも。秋冬にスタイリッシュなレザーファッションを楽しみたい方にどうぞ。
「ベーシックな質感にも着心地をプラス」薄手ですがしっかりとしたハリコシがあり、トップスやワンピース、アウターにもオススメです。静電気を抑えるという点でも、着心地が快適ですよ。
素材を1つ1つチェックするのが大変……。そんなときには、静電気防止加工がされている素材を選べば安心です。
繊維の中に電気を通す素材を練り込んだ糸を混ぜた加工法で作られた生地は、長期的な静電気防止効果を発揮してくれます。
また繊維の表面に吸湿性の物質を付着させる後付け加工は、クリーニング店などでも行われています。ただしこの方法は洗濯を繰り返すことでだんだん効果が落ちてくるので、短期的な静電気防止の方法として利用しましょう。
両面起毛で暖かい生地です。帯電防止加工とウォッシャブル加工が施されており、静電気を抑えるだけでなく洗濯してもシワができにくく、普段使いしやすいですよ。
ストレッチ性の高いツイル生地で、アウターやパンツ、セットアップなどに最適。制電性があり、毎日使うアイテムにも安心してご利用いただけます。
耐摩耗・静電・ストレッチという3つの特徴を持ち、毎日使うスーツやセットアップ、アウターの素材に最適。落ち着いた色味も秋冬にぴったりです。
暖かく肌触りの心地よいフリース生地。両面静電気抑制なので、着脱時のバチバチや、マフラーなど他の繊維と摩擦したときのバチバチも抑えられて、とても快適です!
やわらかなポリエステルスムース生地。制電加工が施されている他、吸水や防汚性も高く、普段着だけでなくスポーツウェアにも向いています。
「もう秋冬の服を揃えてしまった!」という人や、手持ちの服で静電気を防止したい人でも、問題ありません!今からできる静電気対策をご紹介します。
静電気は湿度20%以下になったときに起きやすいと言われています。秋冬は朝晩の気温が低く、乾燥しやすいため、部屋の湿度を高く保ちましょう。
乾燥対策には加湿器が便利。摩擦の起きやすい寝室や、衣服を収納してあるクローゼットの近くなどに置くとさらに効果的です。
加湿器が無い場合には、濡らしたタオルを室内に干しておくだけでも効果があります。筆者の自宅でも、冬は暖房を使いながら室内干しをすることが多く、おかげで静電気や喉の痛みもなく快適に過ごせていますよ。
世の中には便利なグッズが数多くありますから、静電気除去グッズに頼るのもアリ!
代表的なのは静電気防止スプレーです。スプレーを吹きかけることで水の膜を張り、溜まった電気を放電しやすくする効果があります。マフラーや衣服など、身に着ける前に吹きかけて使用しましょう。特にコートの裏地やスカートの内側など、摩擦が起きやすい箇所に使用するのがおすすめです。
衣服のお手入れも兼ねて対策するならブラシがおすすめ。静電気を取り除く繊維を使用したブラシを使用し、ホコリを落として服の繊維を整えてあげましょう。
他にも、キーホルダーやブレスレットタイプもあります。キーホルダーは静電気が起きやすいドアノブに当てて使ったり、ブレスレットは身に着けるだけで帯電しにくくしたり、おしゃれを楽しみながら静電気対策ができます。
柔軟剤は衣服の手触りをやわらかくするものですが、実は静電気対策にも有効です。柔軟剤を使って洗濯することで、衣服の繊維の滑りが良くなります。つまり、摩擦が起きにくくなるんですね。
また柔軟剤には陽イオン系界面活性剤が使われており、これが空気中の水分と結合することで放電しやすくなります。いい香りの柔軟剤も多いので、お気に入りの香りで気分も上がりますよ。
「静電気対策にお肌の保湿なんて関係あるの?」と思うかもしれません。それが、実はとても関係するのです!
静電気を溜めやすい人、いませんか?実はそんな人は、お肌が乾燥している場合が多いです。乾燥しているということはお肌の水分が保たれていない状態なので、電気を溜め込みやすくなります。
そしてドアノブに触れたり、人に触れたり、服を脱いだりしたときに、バチバチッと静電気が起きやすくなります。
水分がしっかり保たれたお肌であれば、肌の水分を通して少しずつ放電されるため、お肌の保湿が重要なのです。
ボディクリームなどを使って全身の保湿を徹底しましょう!日中、乾燥してきたなと感じたときには手にハンドクリームを塗るだけでもいいですね。
秋冬は静電気に悩まされて、地味にストレスを感じることも多いですよね。
静電気を予防するなら、まずは素材選びにこだわってみましょう。天然繊維のセーターやマフラーなどを選ぶだけで、あの不快なバチバチが随分減りますよ。
また、日々の静電気対策も大切。重要なのは、部屋もお肌も保湿すること!快適な部屋の湿度は50〜60%だと言われているので、加湿器や濡らしたタオルなどで保湿しましょう。お肌にもボディクリームを塗ってケアしてくださいね。
素材選びと日々の対策をするだけで、静電気の不意打ちを防ぐことができます。静電気に悩まされることなく、快適な秋冬シーズンを過ごしましょう!