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紙みたいな生地・布!?ペーパーファブリックの素材や活用法とは?

2022.4.27

先日、小洒落た雑貨店で紙のような素材でできたカバンを見かけました。気になって触ってみると、質感はまさに紙そのもの!ですが、紙よりもハリがあり、耐久性もある様子……。紙みたいな布でできているようです。

実はこの“紙みたいな布”は「ペーパーファブリック」と言って、その名の通り紙(ペーパー)のような触り心地や特徴を持つ布のこと。なんとも不思議な生地ですよね。

では、ペーパーファブリックは一体どんな素材でできているのでしょうか?メリット・デメリットや活用法も合わせてご紹介します!

 

“紙みたいな布”の正体はペーパーファブリック!

紙と布は、破れやすさやシワのできにくさなど、似ているようで真逆の性質を持っています。しかし実は、どちらの性質もあわせ持つ“紙みたいな布”があるのをご存知でしょうか?

上の写真を見るとわかりやすいでしょう。一見お店の紙袋のように見えますが、実はこれは布で作られています。どこかレザーのような雰囲気も感じますね。

この“紙みたいな布”の正体が、ペーパーファブリックです。

 

ペーパーファブリックの素材

ペーパーファブリックの代表的なものに、米国デュポン社の「タイベック(※)」があります。タイベックは高密度ポリエチレン繊維で作られた不織布。元々は、建築資材や丈夫な封筒、防護服などに使われていました。

※「タイベック」は米国デュポン社の登録商標です。

他のペーパーファブリックの素材には、紙とセルロース(レーヨン、キュプラ、リヨセルなど)を混ぜて作ったものもあります。紙70%・セルロース30%のため、紙そのものの質感が残るのです。

またセルロースは脱炭素社会を目指すエコ素材でもあるため、SDGsにも貢献できますよね。

 

まさに“洗える紙”

ペーパーファブリックを触ってみると、薄くて紙のようにハリがあるのが特徴です。かといって破れやすいということはなく、むしろ丈夫で、水にも強いです。レザー生地にも似た風合いを感じるものもあります。

ひとことで表現するなら、まさに“洗える紙”。初めて目にする人は、紙のような布のようなペーパーファブリックを不思議に思うかもしれませんね。

 

ペーパーファブリックのメリット

薄くて軽い

ペーパーファブリックには柔らかいもの・硬いものどちらもありますが、どれも共通して薄くて軽いです。とは言っても、紙1枚ほどの軽さではなく、触ってみると「見た目は紙だけど、ちゃんと布っぽい」ということが分かりますよ。

パリッとしていて、他の生地に比べるとハリ感があります。ただし、紙同様にシワや折り目が付きやすいです。ある意味、シワも持ち味の1つだと言えますね。

 

耐久性がある

ペーパーファブリックは、裁断、ミシン、アイロンなどもOK!ちゃんとした布ですので破れにくいですし、ほつれにくいので、縫製しやすいです。

耐久性が高いため、さまざまな加工をしやすいうえに、レザーのように長く使い続けられる生地でもあります。

ただしデメリットでも後述しますが、一部のペーパーファブリックは熱に弱くアイロンNGな場合があるので注意してください。

 

ウォッシャブル

普通の紙は水に濡れると脆くなり破れやすくなりますが、ペーパーファブリックはその逆で水に強いことがメリット。濡れても型崩れしにくく、じゃぶじゃぶ洗えるので、台所周りのアイテムにも取り入れやすいです。

水で洗うことでシワができ、リネンのような洗いざらしの風合いやヴィンテージ感を出すことも可能。

また汚れたら気兼ねなく洗えるため、同じアイテムを長く使い続けることもできます。

 

色や柄が豊富にある

ペーパーファブリックは基本的に無色かクリーム色のものが多いですが、染色やプリントが可能。染色やプリントで好みのデザインできるため、色や柄が豊富にあることもメリットです。

最近では、1つ1つ手描きでイラストを描くハンドメイド作家も。名入れをしたり、好きなキャラクターを描いたりと、世界に1つのアイテムを作りやすいです。

 

ペーパーファブリックのデメリット

衣類には不向き

ペーパーファブリックはハリ感が強く、かさばる感覚があるため、衣類にはあまり向いていません。またポプリンなどの一般的な生地に比べると通気性が低く、蒸れやすくなります。

衣類ではなく、バッグやポーチ、帽子などの小物に活用するのがオススメ!ペーパーファブリックのヴィンテージっぽさを上手く活かしましょう。

 

熱・紫外線に弱いものもある

セルロースを使ったペーパーファブリックは熱に強いためアイロンもOK。

しかし高密度ポリエチレン繊維の素材は熱や紫外線に弱く、アイロンをかけると溶けることがあります。

どうしてもアイロンをかける必要がある場合は当て布をして、低温でかけましょう。セルロース素材のものでも天日干しは避け、室内か日陰で干すようにしてくださいね。

 

ペイントが水洗いで落ちることがある

ペイントしたりスタンプを押したりしている場合、水洗いすると落ちたり、にじんだりすることがあるので注意。ペーパーファブリックの切れ端などを使って、一度ペイントが落ちないかを確認しましょう。

また一度水通しをしたうえで縫製したり、洗う予定のないアイテムにペイントをするなどの工夫も試してみてくださいね。

 

シワシワになりやすい

ペーパーファブリックはその特性上、どうしてもシワになりやすい生地です。シワが持ち味でもありますが、どうしてもパリッとさせた状態で使いたい人は要注意。

最初はパリッとした状態になっていても、使い込むほどに細かいシワが現れることがあります。シワも楽しむつもりで、ペーパーファブリックを楽しみましょう。

 

ペーパーファブリックの活用法

ペーパーファブリックは紙のような布のようなその質感から、レザーと同様にハンドメイドにも人気の素材。かっこよくて、おしゃれで、周りと差別化できるアイテムを作れます。

では、実際にどんなアイテムに使われているのかを見てみましょう。

 

カバンやエコバッグ

まず挑戦してみたいのは、日常使いできるようなカバンやエコバッグ!完成して終わりではなく、使い込むほどに味のあるアイテムになるのがポイントです。

 

 

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トートバッグが人気ですが、ハリ感があるのでボディバッグもオススメ。色ムラや細かなシワがおしゃれです。

 

 

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好きなロゴやデザインをプリントして、オリジナルのエコバッグにするのもいいですね。お店のオリジナルグッズにもどうぞ。

 

 

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紙袋のような保冷バッグもおしゃれでかっこいい!紙に見せかけて布なので、周りとの差をつけられそうです。

 

ポーチやペンケース

ペーパーファブリックは、ポーチやペンケースのような小物にもオススメ。ちょっとしたアイテムを入れて使うので使用頻度が高く、ハンドメイドにこだわる人も多いですよ。

 

 

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無骨だけど味のあるポーチ。ペーパーファブリック独特のシワが立体感を作り出して、使い込まれたような質感にしてくれます。

 

 

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ペンケースも毎日使うものだから、使い込むほどに味のある世界に1つのペンケースに。渋いです!

 

 

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好きなイラストを描いたり、プリントしたりできることも魅力。ハンドメイドがもっと楽しくなる素材です。

 

YAMATOMIオススメの“紙みたいな布”=ペーパーファブリックを紹介

ペーパーファブリックをお店で見つけるのは難しいかもしれません。生地問屋YAMATOMIならペーパーファブリックの取り扱いがありますよ。

ここでYAMATOMIオススメのペーパーファブリックをピックアップしました!

 

P/N Twill BJ ストレッチ

高密度のツイル生地で、形状保持性と撥水性、ストレッチ性があります。パリッとしたヴィンテージ風の見え方と肌触りが魅力!

 

ECO エアーナイロン

薄くてふわりと空気のように軽く、透け感もあるペーパーファブリックです。スカートやポーチなどで透け感をぜひ楽しんでください!

先染コットン/ペーパーダンガリーワッシャー

和紙から作った糸を使っており、どこか和な雰囲気も漂う生地です。紙独特のハリ・コシがあります。環境に優しい素材を使っていますよ。

ナイロンカルゼ 2WAY ストレッチ

こちらはシワ加工により、ペーパーライクに仕上げたナイロン生地。ストレッチ性があるので、アウターやボトムスなどの衣類にも★

 

先染コットン/ペーパーツイルダンガリーワッシャー

環境に優しい和紙を糸にして織り込んだ生地で、和紙らしいハリがあります。中肉厚なので程よくコシもあり、縫製しやすいです。もちろん破れません!

 

新感覚の生地、ペーパーファブリックでハンドメイドに挑戦!

紙としてペイントやスタンプを押したり、シワを作ったり。布として縫製したり、ステッチや刺繍を施したり。紙としても布としても使える便利なペーパーファブリックは、ハンドメイドにピッタリの素材です。

シワによってヴィンテージ感が出せますし、使い込むほどに自分だけの味が出てくるので、使うのも楽しいですよね。汚れてもじゃぶじゃぶ洗えて、エコな素材でもあります。

新感覚の生地、ペーパーファブリックでぜひハンドメイドに挑戦してみてください!

 


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