ホーム > 【繊維LABO】生地の重さは何で表す?生地の重さによってどんな違いがあるの?
2019.10.3
生地の重さを表す単位は何でしょうか?グラムじゃないの?と思いますよね。実は、記事は一般的なグラムではなく、「190g/m²(5.6oz)」といった表記をします。
これは目付とも言われますが、デニムであれば、「オンス」で表現したり、「匁」で表現したりとさまざまな単位があります。その違い、考え方について解説します。
「190g/m²(5.6oz)」なんて書かれているものをいきなり目にしたら暗号みたいでびっくりしてしまいますが、これはどういう意味なのでしょうか。一度理解できればそこまで難しくないんですよ。
このふたつは同じ重さを表していますが、メートル法か、ヤード・ポンド法かどちらで表現しているかで表記が異なります。多くの場合は生地の重さを表すときにはメートル法のグラムで表すことの方が多いです。しかし、海外製品などはでオンスで表すことも多くあります。そのため、どちらも意味を理解していると便利ですね、
この目付と呼ばれる生地の重さについて知っているとどんな時に便利なのでしょうか。
目付の知識があれば、ファブリックアイテムの特に衣類を作成する際にその目的に適した生地を選ぶことができるようになります。
基本原則として、目付が重いものは生地が厚く、目付の軽いものは生地が薄くなります。
同じTシャツであっても、何度も洗って使用する作業着などの場合には、目付が重い厚手の生地を選ぶことで、長期間使用できるアイテムの制作が可能になります。
それでは、どのようなときにどのようなアイテムが適しているか見てみましょう。
目付が小さい生地は、通気性が良いのが特徴です。つまり、夏用の衣服に適しています。目付が小さいということは軽く、そして柔らかい肌触りなので、着心地もよく動きやすい生地を求めているときにオススメです。
目付が大きい生地はどのようなアイテムに適しているのでしょうか。目付が大きいということは、生地が厚く、さらに重い生地になります。冬に着用する衣類や、コートなどのように重量感があった方がいいものは目付が大きい生地が最適です。
さらに、目付を考える際には「糸の細さ」に注目してみましょう。糸が細いにも関わらず、目付の量が多い(=重い)ということは、たくさんの糸で編みこまれ見た目にも手触りにも高級感が増します。手間がかかっているんですね。
このように、季節ごとに適した生地の重さの基準があります。
特にスーツのための生地を選びたい場合には季節によって適した目付が異なります。通年で着用できるスーツは目付230〜260gが適しています。季節ごとに適した目付は……
となります。かなり変わってきますよね。
暑い季節には目付は軽くすることで通気性がよく着心地がよくなります。寒い季節には生地に厚みを持たせ目付を重くすることで重量感や防寒の効果があります。
春夏に着用する衣類であれば、生地の目付は240g以下を目安に、秋冬に着用する衣類であれば、生地の目付は260g以上を目安にしましょう。
コートの場合はもう少し重量感があった方が良いので、目付が450g以上のものを使用しましょう。とはいえ、『高級感』という観点で見るとまた少し変わってきます。軽く、そして薄く、柔らかい生地ほど高級感が増します。
強度がありつつも柔らかい生地は目付が軽くなりますから目付を確認するだけで、「この生地は目付が軽いのに強度があるということは高級」といったように、生地の品質を見抜くためにも知っておくと良い数値ですね。