ホーム > 身の回りにある生地の種類と名前を一覧で解説!服に使われる生地は?
2023.3.21
私たちの身の回りには、布(ファブリック)を使った製品があふれています。
コットン、ポリエステル、リネン、シルクなど、素材の名前は誰でも聞いたことがあるでしょう。
しかし、同じ素材を使っていても織り方・編み方・製法などによって種類が異なり、出来上がった生地はそれぞれまったく別物です。
そこで今回は、身の回りにあるベーシックな生地の種類と名前、そして特徴までをまとめました!
生地の種類や特徴を覚えておけば、作りたいアイテムに合わせた生地が選びやすくなるでしょう。これまで生地屋さんで1つ1つ触って確かめていた人でも、名前を聞けばどの生地がイメージできるように!生地選びがグッとラクになるはずです!
この記事を読んでほしい人
⚫︎服屋さんや生地屋さんなど、布(ファブリック)を扱うお店で働いている人
⚫︎布を使ったアイテムを作っているハンドメイド作家
⚫︎着ている服や身の回りのアイテムに使われている生地をかっこよく当てたい人
⚫︎作りたいアイテムに適した生地をドンピシャで選びたい人
⚫︎とにもかくにも、生地の種類を覚えないとはじまらない!という人
生地問屋YAMATOMIから新しく、生地事典サイト・ファブリックサマリーが開設されました!
生地の素材・種類・加工・柄について学ぶことができるファブリックサマリー是非ご利用ください。
生地事典サイトはこちらからご覧頂けます。
タテ糸とヨコ糸を交互に織って作られた織物生地は、
などによって見た目や手触り、そして名前が異なります。
織物生地の主流は平織りですが、さらにその中で最もオーソドックスな平織生地はブロード生地です。
40番手〜60番手の細い糸で構成されていて、密度が高いのが特徴。
細い糸×高密度にすることで光沢が出て、しなやかな生地が出来上がるのです。
また「ブロード」というのはアメリカ名ですが、ヨーロッパ名では「ポプリン」と呼ばれています。
生地の発祥地が多いのがヨーロッパなので、「ポプリン」の名前も覚えておくといいですね。
こちらは高密度で織られており、薄手ながらハリのある生地です。カラーも豊富なので活用しやすいですよ。
シーチングも平織の生地ですが、20番手の太い糸を使っているのが特徴。
密度も低いため通気性が高く、ブロード生地と反対の性質を持っています。
またシーチング生地は比較的安く手に入るため、手芸初心者やコストを抑えたい人向けです。
ざっくりとした表面で中肉厚。クッションやカバンなどに活用できそうですね。
オックス生地はタテ糸とヨコ糸を2本ずつ使って織られた平織生地です。
主に10番〜40番糸を使った厚みのある生地を指し、ブロードやシーチングよりも厚みがあるのが特徴。
通気性が良いだけでなく、シワになりにくく肌触りも良いというメリットがたくさんある生地です。
テキスタイルの解説:オックス
洋服や雑貨、さらに資材まで幅広く活用できるのがロングセラーの決め手!
しっかりとした生地で使い道を選びません。
オックス生地と製法が近いですが、複数の糸を撚り合わせて作ったものは帆布生地となります。
厚いものから薄いもの、固いものから柔らかいものまで幅広く、それに合わせて用途もシャツ、カバンやシューズ、体操マットまで。
最大の特徴は耐久性が高いことなので、耐久性が求められるアイテムに特に向いています。
テキスタイルの解説:帆布
カジュアルな見た目にもわかる通り、耐久性が高い生地になります。
リュックやシューズ、学校用品向け資材などにいかがですか?
キルティング(別名:キルト)生地とは、1枚の生地と生地を合わせて中に綿を入れ、縫い付けた生地のことを指します。
幼稚園児の通園バッグによく使われている生地、と考えるとイメージしやすいでしょうか。
使用する生地も平織のブロード・シーチング・オックスなど様々で、キルティングすることで耐久性がアップするというメリットがあります。
テキスタイルの解説:キルティング
キルティング生地は自分でも製作できますが、購入した方が楽ちんです。
こちらは無地でカラーバリエーション豊富なので、子供向けから大人向けまでお使いいただけます。
平織の種類が多いですが、綾織であるツイル生地も身の回りにたくさんあふれています。
タテ糸とヨコ糸を交互ではなく、1つや2つ飛ばしながら交差させている織り方。
代表的なツイル生地はデニム。デニムと言うと固いイメージですが、意外にも柔らかいのが特徴です。
テキスタイルの解説:デニム
斜めに線が走っているように見えるのがツイル生地の特徴。
こちらは柔らかく肉感もあり、ボトムスやバッグの素材として使いたいですね。
帆布のように太い糸を使って綾織したものがカツラギ生地(漢字で「葛城」)となります。
こちらも綾織なのでデニムと同じような風合いで、違いといえば糸の太さと染色くらいのもの。
ツイル生地・カツラギ生地はセットで覚えておくと良いですね。
テキスタイルの解説:カツラギ
ド定番とも言える綾織生地の1つ!
しっかりとした肉感があり丈夫なので、ボトムスの他にもジャケットなどにもいいですね。
上質で高級感のあるサテン生地は、タテ糸とヨコ糸を数回飛ばし飛ばしで織った朱子織の生地です。
飛ばして織ることでタテ糸がほぼ見えなくなり、表面がツルッとした見た目に。
ツルツルした表面が光を反射することで、サテン生地特有の光沢感が出るのです。
ただしこの織り方だと耐久性が心もとなくなるため、扱い方には注意が必要になります。
中肉厚かつしなやかな風合いで、自然な光沢がカジュアルからキレイめまで幅広いアイテムにお使いいただき易い生地です。自然なストレッチ性があり、ボトムアイテムなどに向いています。
タフタ生地もサテンによく似ている生地。
ただ、サテンよりもシワがつきにくく、厚みがありパリッとした印象を持ちます。
また発する光沢感もサテンよりも控えめなので、日常使いにぴったりの生地です。
テキスタイルの解説:タフタ
さらりとしていて涼しげな出で立ちの生地で、ドレスや資材などにオススメ!
落ち着いた光沢感が、上品さを物語っていますね。
糸を編んで作られた編物生地は、いわゆるニット生地のこと。
特徴としてタテヨコによく伸びるストレッチ性があることが共通していますよね。
こちらは主に編み方や編み目の大きさなどによって特徴や名前が変わってきます。
ニット生地の代表と言えるのが、シングル・ニードルで平編みされた天竺生地です。
仕上がったものはさらりと柔らかい肌触りで、通気性もあるためTシャツやインナーなどに使われます。
豆知識として、手編みだと「メリヤス編み」と呼ぶこと、そしてカットソーとして普及している生地だということも覚えておきましょう。
テキスタイルの解説:天竺編み
こちらはとてもオーソドックスなニット生地。
Tシャツやカーディガン、ニット帽などなど、アパレル全般でお使いいただけます。
リブ編みで編まれたフライス生地の特徴は、横方法によく伸びるということ。
リブ編みにすることで表面に畝のような凸凹が出来上がり、その凸凹もデザインの1つとなっています。
よく伸びることを考慮して、Tシャツの襟ぐりや袖などに使われていますね。
テキスタイルの解説:リブ編み
中肉厚のフライス生地なので使い勝手が良いのがポイント!
ハリもあり、シルエットを出すアイテムに向いています。
両面編機という機械で編んだスムース生地は端が丸まってしまうことが少なく、とても扱いやすい生地。
「スムース」という名前の通り表面がとてもなめらかで肌触りが良いのが特徴です。
柔らかく、くねくねと曲がりやすいのもポイントですね。
テキスタイルの解説:スムース
触り心地が滑らかな表面に控えめなハリ感が特徴的な生地です。
軽いので羽織りものやルームウェアなどにいいですね。
ジャガード(ジャカード)生地は色の違う糸を編み込みながら絵柄を表現した生地のこと。
手間はかかりますがプリント生地よりも色落ちしにくく、漂う高級感が人気の生地です。
生地そのものはやや厚みがあり保温性もあるため、秋冬の「ちょいダサニット」なんかで需要が高まります。
テキスタイルの解説:ジャカードクロス
高級感のある光沢とカチオン糸を用いることで、品のある奥行きのある柄を表現したジャガード生地です。特徴は落ち感のあるドレープ性。ウォッシャブルでしわになりにくいイージーケア商品です。
糸を輪っか状にしながら編み込んで作った生地はパイル生地と呼ばれます。
バスタオルの表面のような生地だとイメージすると良いでしょう。
吸水性に特に優れているので、タオル類はもちろん、夏場には洋服の裏地に使われることもあります。
テキスタイルの解説:テリークロス・パイル
両面がパイル編みにされたふわふわと犬の毛のような柔らかい生地。
タオルもいいですが、カーディガンなんかにすると女子ウケがよくなりますよ。
こちらもフライス生地同様リブ編みで編まれた生地のことですが、フライスよりも凸凹の畝が大きくハッキリとわかるのでが特徴です。
別名「スパンテレコ」や「スパンフライス」とも呼ばれています。
最近女性アパレルで見かける畝の大きなアイテムはリブニット生地だと覚えておきましょう。
テンセルのしなやかさ、ポリウレタンのストレッチ性に富んだ表面変化素材。リブニット特有の畝がストライプ柄のようにも見える生地です。2WAYなので、ボーダーにもストライプにもお好きな取り方をしていただけます。
誰もが使ったことがあるダンボールですが、それと同じような構造で、表面糸と裏面糸を中糸で繋いだものがダンボール生地になります。
このように変わった製法にすることで、もちもちとした独特の触感を出しているのがおもしろいですね。
肌触りも柔らかくなめらかなので、トレーナーなどによく使われます。
やや厚みがあり、暖かくも通気性の良いダンボールニット生地です。
しっかりとしたトップスやアウターなどにお使いいただけます!
ポロシャツのような表面がツルッとしてドライ感のあるアイテムに使われているのはかのこ生地です。
平編みと糸を引き上げて編みこむ引き上げ編みを組み合わせて作ることで、さらりとした着心地を実現します。
Tシャツに使われる天竺生地よりもやや厚手ですが、通気性は負けていません。
テキスタイルの解説:トリコット
カジュアル寄りでありながらもきちんと感もあるかのこ生地です。
こちらは洗ってもシワになりにくい点も魅力的ですね。
圧縮ウールニットなどに使われる「圧縮」とは、その名の通り生地に圧力を加えて毛足の長さと幅を縮めた生地のこと。
手芸などでよく使われるフェルトと同じようなイメージです。
伸縮性はなくなりますが、圧縮するメリットとして、保温性が高まる、裁断してもほつれない、毛玉ができにくいなどが挙げられます。
程よい肉感のトリコット素材で抗菌・UVカット・接触冷感の機能性を持っています。マットな表情と光沢感なので、コーディネートもしやすく、幅広いアイテムやシーンでご使用いただけます。
生地の中には編物・織物には含まれない生地も。
そういった生地でも、きちんとファブリック製品として取り扱われています。
一緒に覚えておくことで製作アイディアの幅が広がるでしょう★
レース生地とは、糸を柄のように組み合わせて作られた半透明状の生地のこと。
装飾品としてよく使われているため、誰でも見かけたことがあるでしょう。
刺繍レース、手編みレース、手織りレース、ニードルレース、機械レースなど様々な種類があり、出来栄えも違うので見比べてみるのもおもしろいです。
テキスタイルの解説:
エンブロイダリーレース
リバーレース
ケミカルレース
チュールレース
ラッセルレース
繊細な透け感と強度を併せ持つ伝統的なカラミ織りにレースを施した製品染め用下晒です。
もちろんそのままでもお使いいただけます。
レザー生地とは、つまり皮革生地(革製品)のこと。
以前は牛や豚、鹿など動物の皮が主流でしたが、最近は科学の力で動物の皮に似せた合皮も増えています。
レザー生地は総じてツヤや厚みがあり、高級品として使われることも多いですね。
光に当てることでレザー感がハッキリわかります。
わりと扱いやすいので、レザージャケットからソファなどのインテリア、カバンなどにオススメです。
PVC生地とは、ポリ塩化ビニルという科学素材をもとにして作られた生地のこと。
いわゆるプラスチック製のビニール生地、ラミネート生地のことです。
最近では透けるPVC生地の人気が高まっており、透明のバッグやシューズなどおしゃれな人がどんどん取り入れています。
パキッとしたカラーが出せるのがPVC生地のメリット!
厚みも硬さもちょうど良いので、カバンやインテリアなどの身の回りのものから資材までご活用ください。
たくさんの生地の種類や名前が出てきましたが、ここで取り上げたものはベーシックな生地として身の回りでよく使われている生地ばかり。
似たような見た目でも作り方が違ったり、触ってみたらその違いに気付いたり……。
生地の種類と名前、特徴を覚えて日常に活かすのはとてもおもしろいですよ。
ぜひ生地の種類を覚えて、あなたの生地選びに役立ててください!
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