ホーム > 【繊維素材LABO】麻・リネン・ラミーの生地の特徴とメリット・デメリットについて解説
2019.2.1
世の中にはいろいろな手触り・柔らかさのある生地がありますが、その中でもナチュラルな風合いのある生地やグランジ感のある生地が好きな人も多いでしょう。
こういった生地はリネン(麻)からできているものが多いです。
実際にファブリックアイテムを選ぶときに、タグを見て「リネン」と書かれてあるのを見たことがある人もたくさんいるでしょう。
リネンは私たちの生活に馴染んでおり、よく見かける素材でもあるのです。
しかし、リネンについて深くは知らないという人もまだまだ多いですよね。
そこで今回は、リネンの特徴とメリット・デメリットについてまとめました!
リネンが使われているアイテムも紹介するので、ファブリック製品作りの参考にしてみてください。
目次
「リネン」というと、ホテルのベッドやシーツ、枕カバーなど上質な布製品のことも思い浮かべるかもしれません。
確かに日本でも海外でも、ホテルや病院、そして家庭でも、ベッドシーツやタオルの類のことをリネンと呼ぶこともよくあります。
しかしここで取り上げる「リネン」とは、布製品に使われる麻素材のこと。
まずはリネン(麻)素材がどんなものなのかを解説します。
リネンとは麻素材のことで、植物の茎を原料として繊維を作り、それを織って作りあげたものがリネン生地になります。
ただ、日本においては麻の種類は植物の種類だけあるため、一概に「この植物の茎からできたものが麻素材」とは言えないのです。
もっと細かく分類すると、リネンは麻の中の「亜麻」という種類に分けられます。
商品タグを見て「リネン100%」と書かれてあれば、亜麻が使われた生地だということですね。
一方で「麻100%」と書かれてある場合、それだけではリネンとは限らないため、どの種類なのか特定することはできません。
日本では、「麻」と言っても40〜50もの種類があります。
しかし、日本ですべてを総称して「麻」と呼ぶのに対し、海外ではリネン(linen)やヘンプ(hemp)、ラミー(ramie)など、それぞれの植物学ごとに呼び方が違うのです。
それでは、リネン・ヘンプ・ラミーにはそれぞれどんな違いがあるのでしょうか?
まずリネンとは、前項で解説したとおり「亜麻」という植物の茎の繊維からできます。
フラックス(flax)とも呼ばれており、私たちが一般的にイメージする麻素材は大半はこの亜麻でしょう。
ヘンプとは「大麻草」という植物の繊維からできています。
リネンよりも吸水性・発散性が高く、繊維の色は黄金色なのが特徴。
紫外線にも強いので、長時間陽に当たっても変色はしにくいです。
そしてラミーとは、「苧麻」という植物の繊維でできています。
白いシルクのような光沢があるのが特徴で、ヘンプと同じくらいの吸水性・発散性があります。
それぞれ機能性や素材の色・質感で使い分けているのです。
たくさんある麻素材の中で、リネンがもっとも有名でよく使われている素材です。
そんなリネン素材の特徴は次の3つ。
・速乾性が抜群に高い
・繊維が硬い
・カラッとした風合い
リネンはコットンやポリエステルなどの他の生地に比べ、速乾性がずば抜けて高いです。
それは繊維が硬いことも関係しており、この硬さのことを「シャリ感」とも言います。
そして見た目も手触りもカラッと乾燥しているような風合いがあります。
これだけだと硬くて手触りが悪い生地だと思いそうですが、そんなことはありませんよ。
肌に触れてもかゆみはなく、他の素材と組み合わせることでお互いのデメリットを補い、メリットを伸ばすことができる、かなり汎用性の高い生地なのです!
リネン素材の特徴をもとに、メリット・デメリットについてもまとめました。
リネン素材の生地は硬いという特徴があるので、伸びにくくなっています。
つまり、生地が伸びない=繊維が伸びないということなので、型崩れしにくいのです!
あなたは洋服を洗濯して(特にニットなど)ハンガーに干しておくと、袖や裾、襟元が伸びてしまったという経験はありませんか?
リネン生地ならそんな心配なく、ハンガーに干しても、洗濯バサミで挟んで吊るして干しても崩れないのです!
夏場は立っているだけでも汗をかくので、吸水性が良いだけでなく、水分を外に逃がす発散性の高い洋服がマストアイテムです。
リネン生地はそのどちらも満たしています!
汗や体から出る水蒸気をすぐに吸水し、その場で洋服の外側に逃がしてくれる作用があるんですね。
そのため、夏場は長時間リネン生地を着ていても洋服が体に張り付くことはなく、着心地が良いのもメリットです。
リネン素材が作られた生地は、見た目に「作り込まれた感」がありません。
シャリ感のある風合いもさることながら、ナチュラルな見た目になるのです。
ファブリックアイテムのデザインの「作り込まれた感」「人工的っぽさ」が苦手な人、ナチュラル志向な人にとって、リネン生地はまさに運命の生地だとも言えますね。
ファッションもインテリアも、ナチュラル系統が好きな人はピッタリです!
リネンはナチュラルな見た目通りの自然派な素材です。
しかし、紫外線に弱いという特徴もあり、長時間日に当てることで変色してしまうことも。
洗濯をして干すときには、日の傾きや時間を考え、出来るだけ日に当たらない場所に干しておく工夫が必要になります。
もちろんリネン生地は日陰でもすぐに乾いてくれますよ。
リネン生地は硬めですが、逆を言うとシワができやすいというデメリットもあります。
特に新品のパリッとしたリネン生地ほど、長時間折れ曲がっているとその部分にシワができてしまうんですね。
シワを作りたくないときは、干すときはしっかりと叩いて生地を伸ばし、さらにアイロンを当てるという工夫も必要です。
ただシワができやすい特徴を利用して、あえてシワを作ってラフ感を出すというおしゃれな加工もできますよ。
それでは私たちの身の回りには、どんなリネンアイテムが溢れているのでしょうか?
私たちがよく見て、触って、使っているリネンアイテムをご紹介します。
まず最初に気になるのがファッションアイテム!
女性に大人気のリネンワンピースから、男女問わず使えるリネンシャツ、さらにリネンパンツまで、さまざまな洋服をInstagramから見つけました。
ナチュラル系統のおしゃれを楽しむなら、リネン生地はいかがでしょうか?
女性が大好きなワンピースの中には、春夏にピッタリのリネンワンピースもあります。
こちらのワンピースはあえて細かいシワを作ってラフ感を出していますね。
リネンシャツも肌触りがよく、男女ともに人気のアイテム。
「少し暑いかな?」と思っても、リネンは速乾性が高いので、いつまでも爽やかに着ることができますよ。
子供服にもリネン生地がオススメです!
よく遊んでたくさん汗をかくからこそ、通気性の良いリネン生地がピッタリなんですね。
こちらはリネンのナチュラルな風合いも素敵な子供服になっています。
春夏で暑さを感じてきたら、デニムパンツよりもリネンパンツを選んでみるのはいかがでしょうか?
長時間でも蒸れることなく爽やかに着れるでしょう。
リネンのロングチェックワンピースを、羽織りものとして着るのもオススメです!
まだ冷たい風が吹く季節でも、羽織りものならナチュラル感を出しながら暖かく過ごせます。
リネンといえば、やっぱりインテリア用品ですよね。
クッションカバーからカーテン、さらにベッドシーツまで、私たちの生活の中にはリネン素材がよく馴染んでいます。
インテリア用品としてよく使われるリネンアイテムをご紹介しましょう。
リネンのナチュラルな風合いを生かしたランチョンマットはいかがでしょうか?
きっと食卓が華やぎ、ご飯も美味しく見せてくれます。
リネンのクッションカバーは、ナチュラル系インテリアが好きな人にオススメです。
あえて細かいシワをつけた加工をして、ラフな感じに仕上がっています。
リネンのカーテンもシンプルでおしゃれですね。
夏場はリネンのカーテンにすることで、お部屋に爽やかで涼しげな印象を与えてくれるでしょう。
リネンのタオルケットがあるのはご存知でしょうか?
中に綿を詰めることで、薄くて軽いリネン生地でも暖めるためのアイテムを作ることができますよ。
それではYAMATOMIオススメのリネン生地をご紹介します!
ファッションアイテムやインテリア用品などでリネン生地を使いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
柔らかな表情とソフト感・膨らみ感が特徴のリネン/ウール素材。心地いい風合いのキャンバス生地です。
5番手の麻を引き揃えた平織にして、【鬼オックス】の命名でJapanLinenとして無地展開しています。 【WD(ウォッシュドライ)加工】C.C加工に更に生地の柔らかさと洗いざらしの形状を強調したナチュラルに仕上げた加工です。
グランジ感のあるこの生地は洋服からインテリアまで、幅広く活用できます。
やや薄手の8オンス生地です。ラフなインディゴカラーが好きな人は、こちらの生地もオススメですよ。
リネンのハリ感とヴィスコースの柔らかさ・ドレープ性を併せ持った生地。程よい厚みでやや硬めのツイル素材です。スカート、ワンピースなどにオススメです。
素材の硬さ、風合いからナチュラルに見た目が人気のリネン。
さらに速乾性や発散性も高いと高機能ですし、パリッと感、逆にラフ感も演出できるほどの汎用性の高さもあります。
リネン素材を選ぶなら、ナチュラル系統がピッタリのアイテム作りをするといいですね。
あなたもリネンの良さを最大に引き出し、ぜひ楽しんでみてください!