ホーム > 【繊維LABO】生地の名前についている番手ってなに?
2019.10.17
ファブリック製品の生産に携わっていると、耳にすることのある「生地の番手」という言葉。一体なにを指す言葉なのでしょうか?
実は、糸の太さによってその生地の特徴を表しているものなのです。少しわかりにくく理解しづらいこともある「生地(糸)の番手」について解説します。
目次
生地の番手というのは、糸の太さを表す単位のことです。しかし、たとえ同じ「20番手」という表記であったとしても、
では全てその糸の太さが異なるので、慣れるまでは少しややこしいと感じるかもしれません。これは、「恒重式」と呼ばれる、「一定の重さ当たりの長さ」で番手という単位でその生地に使用されている糸をあらわしています。
一定の重さに対して、どれだけの長さになるのかというのが「恒重式番手」です。糸の太さをあらわしている数字です。 つまり同じ素材(コットンや麻など)であれば、数字が大きくなるほど糸は細くなります。
1kgの重さで1kmの長さを「1番手」と呼びます。1kgの重さで2kmの長さになる糸は「2番手」です。
1ポンド(約453g)の重さで840ヤード(約768m)の長さを「1番手」と呼びます。
1ポンドの重さで1,680ヤードの長さとなるものは「2番手」と言います。
1ポンド(約453g)の重さで300ヤード(約274m)の長さを「1番手」と呼びます。
1ポンドの重さで600ヤードの長さになるものは「2番手」と言います。
少しややこしいですね。すべての数値を覚えるのはちょっと大変ですが、最近では数値と素材を入力すれば番手を教えてくれるサイトもありますので上手に活用しましょう!
番手の数字が大きくなるほどその生地に使用されている糸は細くなります。そのため、番手が大きくなればなるほど光沢感が増し、美しくしなやかで品質が高いとされています。
一般的に普及している「ふつう」の番手は50番手のコットンの糸が使われることが多いです。高級な生地を使用している衣類であれば、100番手の細い糸が使われます。
糸が細いほど繊細な生地になることから、着心地の良い高品質な衣類ができるという考え方です。つまり、同じコットン100%でもその生地の番手が違う場合にはその着心地や高級感、ひいては価格も大きく異なるということなのですね。
番手が大きくなるほど糸は細くなり、高品質になるとご説明しました。しかし、細い糸により構成された生地は、耐久性が弱いと感じる方も多いかもしれません。
確かに、その細い糸を1本だけで生地にしている場合はすぐに破けてしまう恐れもあるのかもしれませんが、番手の大きい糸2本をより合わせて双糸としていることもあります。その場合は、強く耐久性のある生地を作ることが可能なのですね。
ビジネスマンが毎日のように着用するワイシャツの多くはこの双糸によって作られています。高級感と耐久性を同時に叶えることができているのですね。
それでは最後に、糸番手の太い生地と細い生地を比べてみましょう。どのくらい違うのでしょうか。
まずは、こちら。
糸番手の大きいものです。上品な光沢のある生地のため、シャツやワンピースなどに向いています。
続いてこちら。7Sカツラギ(品番:sz2350)
肉感・ハリ感・光沢感がしっかりとしているメンズライクな印象の生地ですので、アウターは勿論、BAGの資材としてもお使い頂けます。
見た目もかなり違いますね!目的に応じて番手の異なる生地を上手に使い分けましょう!