ホーム > 生地のデザイン性を高めるオパール加工とは?利点や洗濯方法を解説
2019.11.26
「無地やプリントのようなオーソドックスな生地ではなく、ちょっと変わったデザインの生地を使いたい」
「レースほど弱くはないけど、レースのような透け感のある生地が欲しい」
そんなときには、透け模様が楽しめるオパール加工の生地なんていかがでしょうか?
今回は生地のデザイン性を高めるオパール加工について取り上げました!
加工のやり方や利点・欠点、そしてお手入れ方法までまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
「オパール加工」は日本独自の呼び方で、英語の「バーンアウト(burn-out)」と同じ意味。
簡単に言えば織物を部分的に溶かして透かし模様をつける加工技法のことです。
透かし模様をつける方法は「糸の密度を変える」「織り目を荒くする」など他にもありますが、オパール加工は薬品を使っているのがポイント。
それでは、オパール加工のやり方や生地の例を見ていきましょう!
オパール加工をするには、酸に強い繊維(ポリエステル、ナイロン、シルクなど)と、酸に弱い繊維(コットン、レーヨン、キュプラなど)の2種類を使います。
そこからのオパール加工の手順はこちらです。
①硫酸を混ぜた酸性ののりを使って生地に模様付けをする ②熱処理を行い、酸に弱い繊維を炭化させる ③酸に強い繊維だけが残り、炭化した部分を落とすことで模様が浮き出てくる
透けた見た目だけでなく、炭化して無くなった繊維の分生地が軽くなるため、春夏のアイテムにぴったりですね。
オパール加工のやり方や特徴を文章だけで説明されても、あまりピンとこない人も多いのではないでしょうか?
そこで、Instagramよりオパール加工が施された生地を抜粋しました。
・どんな生地やデザインがあるのか?
・どんな用途に使われているのか?
という点に着目しながら見てみてください!
こちらのレースカーテンは、オパール加工の特徴や出来上がりがわかりやすいですね。
透けている部分が酸によって溶けたので、キレイな模様が浮き上がっています。
オパール加工はアパレルやテキスタイルのメーカーだけでなく、個人でも挑戦できる加工技法です。
自分の好きな模様を浮き上がらせることができたら、なんだか服飾づくりの幅も広がりそうですね★
こちらはオパール加工の羽織もの。
とても軽やかで涼しげな雰囲気があるので、着物のアクセントにも活用できそうです。
こちらもカーテンなのですが、カラー生地を使うことで白いカーテンとはまた違った雰囲気を出していますね。
外からの光が入ってくると、幻想的な空間を作り出してくれます。
大判の布にオパール加工を施し、ストールにするのもオススメ!
涼しげでありながらも、肌寒いときは暖を取れるので便利です。
オパール加工のスカートはとても軽やかでフェミニンな印象がありますね。
同様にワンピースにもオススメです!
一方でこちらは、オパール加工によって文字やロゴを浮き立たせたアイテムの例。
厚みのある丈夫な生地を使い、肌まで透けないようになっています。
オパール加工のアイテムにはインテリアからアパレルまでいろいろありました。
アイテム製作のイメージも膨らんだのではないでしょうか?
ではオパール加工をすると、どんな利点(メリット)があるのでしょうか?
それと合わせて、欠点(デメリット)も押さえておきたいですよね。
続いては、オパール加工の利点・欠点をそれぞれ解説します。
最大の利点は、デザインの幅が広がるということでしょう。
オパール加工で生地に透け感を出すことで、軽やかでフェミニンな印象になります。
水玉や植物模様、チェック柄など可愛い系のものが多いですが、まだら、ボーダー柄などのカジュアル系の模様、さらにロゴなども浮き出させることも可能!
実は透けたデザインって、フェミニンにもカジュアルにも使えるんですね。
また生地に立体感が出るので、見て・触って楽しめるのもポイント。
オパール加工をすることで、生地のデザイン性がぐんとアップします。
さらに、オパール加工は材料を揃えれば個人でも挑戦できる加工技法。
自分で糸を織って透け感を出すのは難しくても、オパール加工なら初心者でもハイクオリティな生地が作れます。
不器用な人でも簡単に自分の好きな柄を浮き出させることができるので、ぜひ試してみてください!
オパール加工は生地の一部を溶かすため、溶解した部分、つまり透けている部分は薄くなります。
すると、薄くなった分どうしても強度が落ちてしまうのが欠点でしょう。
かなり薄い生地になってしまった場合、取り扱いにも注意しなければいけません。
軟弱性をカバーするためには、強度を補強するようなデザインにするか、あらかじめ生地設計の段階で考慮して作り上げます。
また薬品を使うことにより、素材と薬品の関係上オパール加工ができる生地が限られてしまうのもデメリット。
後から薬品を洗い流す必要があるため、一部だけオパール加工をするのも難しいでしょう。
オパール加工した生地って、アイテムによってはレースのように薄手で軽いため、そのまま洗濯できるのかも気になるところ。
まず結論から言うと、オパール加工した生地は家庭用洗濯機で洗濯しても問題ありません。
むしろオパール加工は絵柄をプリントしているのではなく、生地そのものから浮き出させているので、「洗濯したらプリント部分が剥がれ落ちた」というトラブルは起きないので、扱いが簡単でもあります。
しかしオパール加工の特性上、透けている部分は薄くて強度に不安が残ります。
摩擦することで糸がほつれたり、糸が抜けて柄が崩れたりなどのトラブルが起こる可能性も。
また生地が薄いと色も抜けやすく、色物は色落ちや他の物への色移りにも注意しなければいけません。
そこで、家庭で洗濯する際は次のポイントを守りましょう。
・洗濯ネットに入れてできるだけ摩擦を防ぐ
・白物と色物を分けて洗う
生地が薄い分強度が不安なときは、洗濯時も使用時もなるべく丁寧に扱うようにすると安心です。
生地問屋YAMATOMIでは、エレガントなものから可愛いものまで、様々な種類やデザインのオパール加工生地を取り扱っています!
今回は特にオススメの生地をご紹介しましょう。
大き目のドット柄がモダンな印象のオパール加工生地。
衣装・ドレスなどのほか、インテリアにもオススメです。
ペンキを無造作にこぼしたようなムラ柄で、カジュアルながらどこか上品な印象があります。
レディースはもちろん、メンズアイテムの部分使いにもオススメです!
紡績からプリントまで一貫してトルコで生産し、コスパの良いオパール加工生地です。
肌が透けるほどの薄手ですが、破れにくいデザインになっているのがポイント★
紡績からプリントまで一貫してトルコで生産し、コスパの良いオパール加工生地です。
テキスタイルのデザインといえば、色や柄、素材によるものが中心。
それと作りたい服や小物の型を合わせることで、唯一のアイテムを作ることができますよね。
しかし、なんだか同じようなデザインに飽きた…ということもあるでしょう。
そんなときはオパール加工生地を選んで、新たなデザインの領域を広めてみてはいかがでしょうか?