ホーム > 接着芯の役割と種類とは?選び方の基準とオススメの芯地を紹介
2024.8.29
洋服や小物などを完成させたけれど、なんとなくフニャフニャになる……。できれば形崩れさせたくない。
そんなときには、生地を安定させる接着芯を使ってみるのはいかがでしょうか?
「接着芯」とは樹脂を吹き付けた布地のことで、アイロンで生地に接着することができます。
本記事では、接着芯の役割や種類、選び方、そしてオススメの接着芯をご紹介!
アイテムの完成度を高めたい人は参考にしてみてくださいね。
目次
「芯地」とも呼ばれる接着芯は、名前の通り布地に「接着」させる「芯」のこと。
芯があるためカチカチに硬いと思われがちですが、実は硬さや厚みは様々です。
まずは接着芯の役割を見てみましょう。
薄手の生地や柔らかい生地でも接着芯を貼ることで、ハリ感を持たせることができます。
薄くてペラペラの生地よりも、硬めで厚みのある生地の方が、なんとなく高級感がありますよね。
また扱いにくい生地でも、接着芯によって安定させて扱いやすくなるという効果も。
簡単に生地の品質を向上できるので、完成したアイテムのクオリティも上がるのです。
変形や形崩れさせたくないアイテムを作るときには接着芯が大活躍。
最初から厚手で硬い生地を使えば形崩れは起きにくいですが、着心地や手触りに影響が出るもの。
だからこそ薄手の生地でも変形や形崩れをさせず、なおかつ心地よい手触りをキープできるのが接着芯の魅力の1つでもあります。
布地と芯地をくっつけるということは、単純に生地に厚みを持たせることです。
厚手の生地の方が強度が高くなるため、接着芯を付けるだけで耐久性もアップ!
カバンの持ち手や底など、何度も触れるもの・摩擦の起きやすい部位などに使用することで、そのアイテムが長持ちしますよ。
接着芯といっても、目的・用途・求める仕上がりによって適した種類があるのです。
ここでは接着芯の種類と選び方を解説します。
接着芯はまず3つの基布タイプがあります。それぞれの特徴をまとめました。
不織布タイプ:繊維でできた接着芯で、軽くて安価。硬めの仕上がり。洗濯しても縮みにくい。
織り布タイプ:薄手のガーゼタイプ。かっちりするが生地になじみやすいため、特に衣類向け。
編み布タイプ:伸縮性があって柔らかな仕上がりに。ニット生地や衣類向け。
基布タイプ別で選ぶ際は、どんなアイテムのどこに使用したいかを基準にしましょう。
バッグに使いたい場合は硬めの仕上がりになる不織布タイプ、洋服に使いたいなら織り布タイプや編み布タイプが向いています。
また同じ基布タイプでも、厚み・色は様々。接着芯を実際に手に取りながら適したものを選びましょう!
接着芯は接着タイプ別に選ぶこともできます。
片面接着タイプ:片面のみに樹脂が吹きかけてあるオーソドックスなタイプ。
両面接着タイプ:両面に樹脂が吹きかけてあり、リバーシブルのアイテムも作れる。
仮接着タイプ:粘着力は弱く伸縮性はないが、生地を扱いやすくするためのもの。
シールタイプ:シールで貼れるようになっていて、レザーや起毛などの素材に使える。
どんな目的で使いたいかを基準にして選びましょう。
アイテムの強度を増すためなら厚手の片面接着タイプ、裏表どちらも柄を入れたいなら両面接着タイプが向いていますね。
またアイテムの仕上げというよりも、薄手の生地を扱いやすくするなら、後から剥がせる仮接着タイプを選ぶのもアリ!
そしてシールタイプはアイロンをかけられないレザーやラミネート、起毛素材に使えて便利ですよ。
生地と接着芯にも相性があります。特に注意したいポイントは、厚さと色です。
基本的に薄手の生地には薄い接着芯を、厚手の生地には厚手の接着芯を合わせます。
薄手の生地に厚手の接着芯を合わせたくなりますが、接着芯の存在感が強く出過ぎてしまうのです。
逆の場合だと、厚手の生地を薄い接着芯が支えきれなくなります。
そして色で注意したいのが、薄手の生地や白い生地だと接着芯が透けて見えてしまうこと。
薄手生地や白生地の場合は、接着芯の色も薄いもの、なじみやすい色を選びましょう。
接着芯を選んだら実際に使ってみましょう!ここでは使い方を簡単に説明します。
生地やアイテムの全面に貼ってしまうと使い勝手が悪くなったり、特に洋服などは着心地が悪くなったりする可能性も。
そのため接着芯を使用する部位を決めて貼るようにしましょう。
たとえば接着芯が適した部位には、使用頻度の高い洋服のポケットやバッグの持ち手、バッグの底などがあります。
また、形を崩したくないクラッチバッグやボストンバッグ、ポーチなどの場合であれば、生地全体に接着芯を貼ることも。
接着芯の種類によっても向き・不向きがあるため、部位と種類で使い分けてみてください。
生地を選んだらいよいよ貼っていきます。
最近はアイロンで貼るタイプの接着芯がほとんどなので、難しい作業はありません★
①貼りたい生地に合わせて接着芯をカットする。接着芯がはみ出ないように布の方が若干大きいくらいが◎
②生地を裏返し、接着芯ののり部分と合わせる。接着芯のノリ部分をよく確認する。
③当て布をしてアイロンをかけていく。熱が冷めるまで待ち、接着できたことを確認して完成。
接着芯を貼る際には、アイロンと布地を並行にしてしっかりと圧力をかけましょう。
アイロンを滑らせるというよりかは、上から押さえる(プレスする)ようにかけると、生地と接着芯のズレを防げます。
またアイロンをかけたばかりの熱い状態だと、まだ接着芯は固定されていません。
熱が冷めることでのりが固まるため、冷めてからチェックするようにしましょう。
しっかりと粘着力のある接着芯であれば洗濯も問題なくできます。
ただし、洗濯を繰り返すほどに接着力が落ちてくることは防げません。
その場合は古い接着芯を剥がし、改めて貼り直すことをオススメします!
なるべく洗濯でも剥がれたくない場合は、専門メーカーの強い粘着力を誇る接着芯を選びましょう。
また仮接着タイプのような接着芯は、あくまで「仮止め」の役割を持つため、1回の洗濯で剥がれやすいので注意が必要です。
様々なテキスタイルを揃える生地問屋YAMATOMIですが、実は接着芯も取り扱っています!
おしゃれなテキスタイルと接着芯を組み合わせることで、ハイクオリティの洋服やバッグを作ることもできますよ。
ここではYAMATOMIオススメの接着芯をピックアップしました★
ストレッチ性があり、適度なハリと安定感を得られます。汎用性が高く生地の全体使いからパーツ使いまで、あらゆる素材と仕様に対応できます。
難接着素材でも十分な接着力ががあり、収縮性もバッチリ。生地は薄くソフトな風合いになり、ストレッチ性があるので表地の動きに追従します。また、ストライクバックがほとんどありません。
特殊糸を使用した接着芯で、まろやかでソフトな風合いを得られます。淡い色味が多いため、薄手の生地にも合わせやすいです。ウール素材の生地にもオススメ◎
適度にストレッチ性のある加工糸を使用。生地の動きを追従し、生地の風合いを損いません。薄い色味から濃い色味まで揃っているため、幅広いカラーの生地に合わせて選べます!
よりストレッチ性のある糸を使用しているため、ウォッシュ加工をしても洗い後のトラブルを防ぐ、非常に使いやすいのが特徴。つまり、家庭での洗濯にも耐えうる接着芯です★
なお、YAMATOMIの接着芯は基本的に反物で購入いただいています。
たくさんの接着芯が必要な場合や、定番としてストックしておきたい場合などにご活用ください!
接着芯を使うことで生地にハリを持たせたり、強度をアップしたり、扱いやすくしたりと様々なメリットがあります。
接着芯を使ったアイテムと使わないアイテムとでは、やはり仕上がった後のクオリティが違うもの。
少しの手間でアイテムに付加価値を与えられるので、まずは小物からでもぜひ試してみてくださいね。